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第三章
二十八話
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リオが私に口づけをする。
舌が絡み、長い時間のキスを二人で共有した。
あまりにも長いので、興奮と酸欠で私は腰が砕けてしまい、そのままリオに抱き抱えられる。
そしてベッドに寝かされると、リオはまた上から覆いかぶさるように口を重ねてきた。
口と口のキスだけでも、こんなにイヤらしい。
けど、気持ち良くて、私の心はどうにかなってしまいそうだった。
これでリオとセックスなんてしてしまったら、自分は壊れてしまいそう。
「襲いてぇ……」
リオの声と吐息が耳にかかる。
私は背筋がゾクゾクッとして、思わず変な声が出た。
リオは私の髪の匂いを嗅いだり、耳に息を吹きかけたりしたあと、最後は私の胸の上に自分の額を押しつけて、そのまま動かなくなった。
私は目の前にあるリオの髪を、両手でくしゃくしゃっと触る。
サラサラの黒髪はひんやりとしていて、それでいて柔らかくてなんか指に気持ちがいい。
しばらくしてリオは、私のおでこにキスをしてから体を離した。
そしてこちらに後ろを向けて、フゥと息を吐く。
もしかしてこれ、男には相当つらいこと要求してる?
ごめんね、リオ……でも、もう少しだけ待って。私の心の準備ができるまでは……。
「……私、学校どうなってるのかな」
「お前がいなくなった次の日に、長くなりそうだったから、俺が二人分の休学届けを出した。もうすぐ長期休暇だし、そのまま休みに入っちまいそうだな」
学校の方にはきちんと連絡してくれたんだね。
本当に何もかも私優先で動いてくれているんだな。
今頃気づくなんて、なんかちょっと申し訳なく思う。
「リ、リオ! なら、一緒にりょ、旅行に行く?!」
「は? 俺は嬉しいが、お前の体は大丈夫なのかよ」
「だ、大丈夫! ここに戻ってきてからだいぶ調子が良いの」
そう、リオがそばにいるおかげか、女神のメダルからずっと不思議なエネルギーが出つづけていて、それに触れていると、なぜかとても体の調子がよいのだ。
「まぁ、今は女神の加護があるからな」
「なるほどね。誓いを破らなければ、優しい魔法なんだなぁ……かなり諸刃の剣だけど」
「ソアのことは、本来ならすぐに探せるはずだった。途中まで気配を追えてたし。でも……見失ったんだよな。何か魔力の強いものが邪魔をしてた」
「もしかしてライライかな……」
「ライライ?」
私は前に助けた雷鳥のことを話した。
リオはしばらく考え込むと、何か納得するような感じで今度は頷いている。
「女神の聖獣だな、そいつ」
「えっ、そうなの?!」
「おそらく……この辺にはけっこういるんだよ。そういった奴らが」
この世界にはまだまだ知らないことがいっぱいあるなぁと常々思う。
まぁ、リオのストーリーを進めていたら知ることができたのかもしれないけどさ。
ただ、それも最近どうなのかな? って思い始めている。
乙女ゲームの世界と、この世界はとてもよく似ていて、登場人物もきちんといるんだけど、ゲームの時とは少しずつ設定も違うし、さすがにリオがここまでオカシイのは(失礼なこと言って悪いけど)、全年齢対応のゲームじゃ無理じゃなかろうかと。
もしかして、こいつも力を持った神様がたまたま気まぐれで作った『女神のイタズラ』の一部なのかな、とかちょっと怖いこと考えてる。
「なに、じろじろ見てんだよ。そんなに俺がカッコいいか?」
「なっ?! ち、違う! いや、カッコはいいけど……考えてたことは全然違うの!」
私は自分の発した言葉が急に恥ずかしくなり、思わず顔が赤くなった。
その様子を見て、リオは嬉しそうに笑っている。
「んで、旅行のことなんだけど……南の方には何があるの?」
「そりゃ、当然……水着が……」
お前、お前な?
それは色々と飛ばし過ぎだろう。
「水着を着るような場所があるってことね」
「あぁ、プライベートビーチがあるんだ」
「へぇ……」
すると突然、真顔になったリオが、何か考え事をし出した。
急に真剣な顔をして、一体どうしたのだろう。
もしかして、何か危険なことやまずいことでも思い出したのだろうか。
「そう……だな。おい、ソア!」
「は、はい?!」
興奮した様子で私の肩を両手で押さえ、いきなり名前を呼ぶ、こやつ。
本当にどうした? 一体、何があった?
「お前に着せる水着は! 俺が選んでいいのか?! いいんだな?! 見る分にはOKだよな?! すんげぇ際どいの用意しとくから! すんげぇのを!」
と、頭のおかしいことを真剣な顔して叫んできたので、丁寧にお断りしました。
なんだ、もう! 心配して損した!
舌が絡み、長い時間のキスを二人で共有した。
あまりにも長いので、興奮と酸欠で私は腰が砕けてしまい、そのままリオに抱き抱えられる。
そしてベッドに寝かされると、リオはまた上から覆いかぶさるように口を重ねてきた。
口と口のキスだけでも、こんなにイヤらしい。
けど、気持ち良くて、私の心はどうにかなってしまいそうだった。
これでリオとセックスなんてしてしまったら、自分は壊れてしまいそう。
「襲いてぇ……」
リオの声と吐息が耳にかかる。
私は背筋がゾクゾクッとして、思わず変な声が出た。
リオは私の髪の匂いを嗅いだり、耳に息を吹きかけたりしたあと、最後は私の胸の上に自分の額を押しつけて、そのまま動かなくなった。
私は目の前にあるリオの髪を、両手でくしゃくしゃっと触る。
サラサラの黒髪はひんやりとしていて、それでいて柔らかくてなんか指に気持ちがいい。
しばらくしてリオは、私のおでこにキスをしてから体を離した。
そしてこちらに後ろを向けて、フゥと息を吐く。
もしかしてこれ、男には相当つらいこと要求してる?
ごめんね、リオ……でも、もう少しだけ待って。私の心の準備ができるまでは……。
「……私、学校どうなってるのかな」
「お前がいなくなった次の日に、長くなりそうだったから、俺が二人分の休学届けを出した。もうすぐ長期休暇だし、そのまま休みに入っちまいそうだな」
学校の方にはきちんと連絡してくれたんだね。
本当に何もかも私優先で動いてくれているんだな。
今頃気づくなんて、なんかちょっと申し訳なく思う。
「リ、リオ! なら、一緒にりょ、旅行に行く?!」
「は? 俺は嬉しいが、お前の体は大丈夫なのかよ」
「だ、大丈夫! ここに戻ってきてからだいぶ調子が良いの」
そう、リオがそばにいるおかげか、女神のメダルからずっと不思議なエネルギーが出つづけていて、それに触れていると、なぜかとても体の調子がよいのだ。
「まぁ、今は女神の加護があるからな」
「なるほどね。誓いを破らなければ、優しい魔法なんだなぁ……かなり諸刃の剣だけど」
「ソアのことは、本来ならすぐに探せるはずだった。途中まで気配を追えてたし。でも……見失ったんだよな。何か魔力の強いものが邪魔をしてた」
「もしかしてライライかな……」
「ライライ?」
私は前に助けた雷鳥のことを話した。
リオはしばらく考え込むと、何か納得するような感じで今度は頷いている。
「女神の聖獣だな、そいつ」
「えっ、そうなの?!」
「おそらく……この辺にはけっこういるんだよ。そういった奴らが」
この世界にはまだまだ知らないことがいっぱいあるなぁと常々思う。
まぁ、リオのストーリーを進めていたら知ることができたのかもしれないけどさ。
ただ、それも最近どうなのかな? って思い始めている。
乙女ゲームの世界と、この世界はとてもよく似ていて、登場人物もきちんといるんだけど、ゲームの時とは少しずつ設定も違うし、さすがにリオがここまでオカシイのは(失礼なこと言って悪いけど)、全年齢対応のゲームじゃ無理じゃなかろうかと。
もしかして、こいつも力を持った神様がたまたま気まぐれで作った『女神のイタズラ』の一部なのかな、とかちょっと怖いこと考えてる。
「なに、じろじろ見てんだよ。そんなに俺がカッコいいか?」
「なっ?! ち、違う! いや、カッコはいいけど……考えてたことは全然違うの!」
私は自分の発した言葉が急に恥ずかしくなり、思わず顔が赤くなった。
その様子を見て、リオは嬉しそうに笑っている。
「んで、旅行のことなんだけど……南の方には何があるの?」
「そりゃ、当然……水着が……」
お前、お前な?
それは色々と飛ばし過ぎだろう。
「水着を着るような場所があるってことね」
「あぁ、プライベートビーチがあるんだ」
「へぇ……」
すると突然、真顔になったリオが、何か考え事をし出した。
急に真剣な顔をして、一体どうしたのだろう。
もしかして、何か危険なことやまずいことでも思い出したのだろうか。
「そう……だな。おい、ソア!」
「は、はい?!」
興奮した様子で私の肩を両手で押さえ、いきなり名前を呼ぶ、こやつ。
本当にどうした? 一体、何があった?
「お前に着せる水着は! 俺が選んでいいのか?! いいんだな?! 見る分にはOKだよな?! すんげぇ際どいの用意しとくから! すんげぇのを!」
と、頭のおかしいことを真剣な顔して叫んできたので、丁寧にお断りしました。
なんだ、もう! 心配して損した!
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