ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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5章 出会いと別れ

35話お泊まり会

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女神像の有った場所から約5分でリュートの鍛冶の部屋へ戻った
「こっちだ」
リュートはそう言うと壁の隙間に手を入れ下に手を下ろすと道が現れた
「凄いな、どうやったんだ?」
レインがリュートに聞いたがリュートも実は知らないと答えた
「じゃあ何で開け方を知っているんだ?」
レインが聞くとリュートは昔ハンマーを振るって武器を作っていて休憩しようとそこに手を下ろすと道が現れたそうだ、リュートはその時、物凄く驚いて口を開けているとその壁は閉まって行ったのだそうだ
「へぇ、その道の先に部屋が有ったわけか」
「あぁ」
リュートとレインが会話をしていると扉が見えてきた、扉を開けると中にはベッドが1つと1つの絵が飾られていた
その絵は大きな木の中間に雲が掛かりその上には青い城と羽の生えた人が何人もいた、そして雲の下には沢山の妖精が飛び交っていた
「これは?」
「さぁ、俺も知らねぇだが俺がここに来た時からここに掛けられてて外そうにも外せないんだ」
「へぇ」
レインはそう言うと壁に掛けられた絵を外そうとしたが全然外れる気配がない
「凄いな」
「俺もそれを外そうとした時お前と同じことを言ったぜ」
ハッハッハッと腕を組みながらリュートは笑った
「そー言えばどこで寝るの?」
ミルがリュートに聞く、この部屋には人が一人寝れる位の大きさのベッドが有るだけだった
「これから部屋とベッドを創るんだよ」
リュートがそう言うとその他はポカーンと口を開けていた
「ちょっと待って!どうやって部屋を創るの?」
グランは首を傾げながらリュートに聞く
「こう…するんだよっ!」
リュートは壁に何度もパンチして次々と壁に穴を開けていく
「オラオラァ!」
壁を約5m程壊すと手を止めた
「終わったのか?」
「…」
レインが聞くとリュートはこちらを涙目になって向いたその拳は血だらけで見るからに痛そうだった
「…痛てぇ」
「「「「「…はぁ」」」」」
皆顔に手を当て溜め息を着く
リュートはメルにヒールで回復してもらいその間にグランが壁の粗い部分をロックウォールで補正した
「それでベッドはどうするんだ?」
レインがリュートに聞くとあっと言いそのまま外に走り出して行った、そしてその背中には木が3本担がれていた
「それでこれから造るのか?」
「あぁお前達にも手伝って貰うぜ!」
リュートはレイン達にウィンクをして鋸を5本持ってきた
「1本足りないぞ?」
レインがリュートに聞くとリュートは答えた
「お前らの寝る所はお前らで造れよ」
リュートはまたウィンクをした
「「「「「…はぁ」」」」」
皆溜め息を着き作業を開始する

ギコギコ、トントントン、ガコッ
大体2時間が経過して漸く完成した
「「「「「やったー!」」」」」
ベッドはとても広く皆で寝るには十分な余裕が有った
「わーい!」
メルはベッドに飛び乗ったが布も布団も何も敷いていないので唯の木の板と同じ固さだ
「ふぎゅ!」
メルが変な声を出した
「痛ーい!」
そう言いながら鼻を擦っている
「はぁ、まだ何も敷いてないだろ」
レインが呆れながら顔に手を当てる
「あっ!そうだった!」
メルは鼻を擦りながら左目を瞑り右目に涙を溜めていた
「そうそう、ベッドの上にはこれを敷いたら良いと思うぜ」
リュートはそう言い白いモコモコしたものを出してきた
「これは?」
「これはな、えーっと…ウールって名前のモンスターの毛だったと思う」

ウール
モコモコした毛が特徴の可愛いモンスターだが、動物を見るとそれに突進していく
突進された者は骨が何本か折れると言う噂がある
見た目に反して物凄く危険

「へぇ、ウールか」
レインはウールの存在の事を今一良く分かっていない
メルはすぐにリュートからウールの毛を受け取り手作りベッドに満遍なく敷く
そしてまたベッドにダイブした
「わーい!モコモコ!」
そう言うとミルも続いてダイブして二人でウールの毛に顔を埋めている
「そろそろ飯にしたいんだが」
リュートがそう言うとミルとメルが顔を上げ、ご飯!と声を揃えて言ってリュートに案内されながら台所へ向かった

約30分が経過しリュート達が両手に料理を持ち運んできた
「「お待たせー!」」
ミルとメルが声を揃えて言い料理をレイン達の前に置いていく
そして全部置き終わりレインとメイトが料理に手を出した時ミルとメルが二人の頭に鉄槌を食らわせた
「頂きますでしょ?ねぇレイン君?」
「メイトー?頂きますは?」
と二人とも殺気を籠めて言い放つとレインとメイトは、「うっ」と言いながら手を戻していったその光景を見たリュートは苦笑いをしていた
「じゃあ改めて…」
「「「「「「頂きまーす!」」」」」」
誰かと食べたご飯は久し振りだと誰にも聞こえない声でリュートは呟いていた
そして食べ終わり少し談笑をしながら腹の中の物が消化されるのを待ち5分が過ぎた頃位にグランが座りながら寝ていたのでレインはグランを抱えベッドまで運んだそれから10分が経ち皆、欠伸をし出したのでそろそろ寝ることにした
「リュートは一緒に寝ないの?」
メルがリュートに聞くとリュートは良いのか?と聞いてきたのでレインとメイトは覚悟があるならと答えたリュートは何の事か知らずにありがとうと答えこちらのベッドに入った
そして真夜中、メルの寝相の悪さによってリュートは皆と眠る事が許されなかった
それから朝になってレインが起きるとリュートは一人自分のベッドに戻り熟睡していた
(いつの間に移動したんだろ)
レインはそう思いリュートの方を見ていた





やがて皆が起きるとリュートはミルとメルに叩き起こされた、そしてレイン達にあの中でどうやって寝ているのか尋ねるとレイン達は声を揃えて「慣れた!」と言い胸を張るとリュートは苦笑いをしてハハハハと涙を右目に溜めていた
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