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10章 妖精界での冒険
137話鞘を造って貰いに…
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「はあ…はあ…見つけた」
レインが息を切らしながらジエルの肩を掴む
「はあっ!」
すると突然腕を掴まれ一本背負いで床に叩き付けられた
「レイン様!も、もも、申し訳ありません!」
ジエルははわわわわと慌て出した
「い、いたたた…別に良いよ…それでね?もうご飯できたから食べよ?」
「良いのですか!?」
「良いから早く行こうよ」
レインはジエルの手を引っ張り食堂へ向かった
「「頂きます!」」
2人は皆より遅れて隅の方で食べる
「レイン様、これからどうなさるおつもりですか?」
「ん~ほへ~、ほふはほひゃはほふくっへほらふつほり(ん~とね~、ホムラの鞘を作って貰うつもり)!」
「今聞いたのが間違いでした、食べ終わってから教えてください」
ジエルに言われた通りレインは口の中に入っている物をゴクリと飲み終わると先程の事を話した
「そうですか、畏まりました。では食事が済みましたら鞘を造りに頼みに行きましょう」
「うん!」
レインは残りを食べ終わると食器を妖精に渡した
「美味しかったよ!」
「あ、ありがとうございます!」
妖精はレインから笑顔で食器を受け取ると魔法で洗い始めた
「じゃあそろそろ行こうよ」
「はっ」
レインはジエルと共にハレを出た
今度はしっかりサツキへ報告して、夜までに戻ると進言した
「確かあっちにあるらしいんだよね…昨日は色々あって無理だったけど」
「すみません…」
ジエルが申し訳なさそうにしているとレインは手を振った
「良いよ、僕もジエルやガギュールと知り合えて」
レインがそう言うと隣に魔方陣が展開され、その中からガギュールが出てきた
【なんの用だ?】
「あ、ごめんガギュール、別に喚ぶつもりじゃ無かったんだけど…あ!そうそう、ホムラの鞘を造りたいんだけどどこに行けば良いの?」
【それなら知っている。私の背中に乗れ、そこの天使もな】
「ありがとう!」
レインは早速ガギュールの背中に飛び乗ったが、ジエルは乗らなかった
「どうしたの?」
「いえ、私は走ります」
「なんで?」
「その方が鍛練になりますので」
ジエルがそう言うとレインは
「別にそうしたいなら良いけど…」
と少し残念そうにしていた
【もういいか?】
「うん、もういいよ」
【天使よ、頑張って私に着いてこい】
「はい?」
ガギュールはそれを聞いた途端に物凄い勢いで走り出した
だが、レインはガギュールの背中で夢心地だ
そして数分後、辿り着いた先には小さな洞窟があった
【ここだ】
「ここに造ってくれる人がいるの?」
【昔ここに出入りしている妖精達がいた。だからここだと思ったが違うのか?】
「知らないけど…まあ、いっか!」
レインはガギュールから降りた
「ありがとう!ルーギュガ!」
するとガギュールは突如として現れた魔方陣に吸い込まれて消えていった
「疲れてない?」
「大丈夫です」
「じゃあ行こっか!」
レインはジエルと手を繋いで洞窟の中へ入っていった
「あ、あのレイン様…」
「ん?どうしたの?」
レインがジエルを見るとジエルは顔を真っ赤にしていた
「熱でもあるの?」
「い、いえ、なんでもありません!」
「そう?」
レインはそのまま洞窟を奥へと進んで行った
数分後
「ねえねえジエル~」
「なんでございましょう?」
「宝箱見つけたよ!」
レインの目の前には氷で出来た部屋の中心に宝箱が置かれていて、その前には何も無かった
「あれの中って鞘かな~?」
「多分鞘では無いでしょう。運が良ければ金銀財宝が、運が悪ければ罠に引っ掛かり最悪の場合死に至る事もあります」
「じゃ、じゃあ止めとこ~」
レインはそそくさとその部屋を後にした
そして進んでいくと軈て暗くなってきて辺りが見え辛くなってきた
「ホムラ、魔力入れるよ?」
【うん…良いよ】
レインはホムラに魔力を少量込めて松明の代わりにした
「これで見えるよ」
レインは少し安心して進んでいった
そして少し進んでいくとドアが見えてきた
「やった!新しい部屋!」
レインはホムラを片手にドアに向かって走っていく
ギイィィィィィイ
と軋む音を立てながらドアを開けた
カチャ
一定位置まで開けるとそんな音が聞こえてレインは止まった
「流石だな、誰だ?」
「あの~、鞘を作って欲しいんですけど…」
「鞘~?まあ、立ち話もなんだ、中に入れ、もう大丈夫だから」
レインはそーっとドアを開ける
中から明るい光が差し込んでレインの目を攻撃したので、咄嗟に手で防御した
「ま、眩しい…」
レインはそう呟き、腕の下から目の前にいる者の足が見えた
その足は細く、短かった
軈て目が光に慣れてくるとレインは手を目の位置から退かせ、目の前にいる者へ目を向けた
その者の伸長はレインの腰くらいで、バンダナを被っていて髪が横から少し出ている
色は白く、黒い瞳、そしてその者の正体は…少女だった
レインが息を切らしながらジエルの肩を掴む
「はあっ!」
すると突然腕を掴まれ一本背負いで床に叩き付けられた
「レイン様!も、もも、申し訳ありません!」
ジエルははわわわわと慌て出した
「い、いたたた…別に良いよ…それでね?もうご飯できたから食べよ?」
「良いのですか!?」
「良いから早く行こうよ」
レインはジエルの手を引っ張り食堂へ向かった
「「頂きます!」」
2人は皆より遅れて隅の方で食べる
「レイン様、これからどうなさるおつもりですか?」
「ん~ほへ~、ほふはほひゃはほふくっへほらふつほり(ん~とね~、ホムラの鞘を作って貰うつもり)!」
「今聞いたのが間違いでした、食べ終わってから教えてください」
ジエルに言われた通りレインは口の中に入っている物をゴクリと飲み終わると先程の事を話した
「そうですか、畏まりました。では食事が済みましたら鞘を造りに頼みに行きましょう」
「うん!」
レインは残りを食べ終わると食器を妖精に渡した
「美味しかったよ!」
「あ、ありがとうございます!」
妖精はレインから笑顔で食器を受け取ると魔法で洗い始めた
「じゃあそろそろ行こうよ」
「はっ」
レインはジエルと共にハレを出た
今度はしっかりサツキへ報告して、夜までに戻ると進言した
「確かあっちにあるらしいんだよね…昨日は色々あって無理だったけど」
「すみません…」
ジエルが申し訳なさそうにしているとレインは手を振った
「良いよ、僕もジエルやガギュールと知り合えて」
レインがそう言うと隣に魔方陣が展開され、その中からガギュールが出てきた
【なんの用だ?】
「あ、ごめんガギュール、別に喚ぶつもりじゃ無かったんだけど…あ!そうそう、ホムラの鞘を造りたいんだけどどこに行けば良いの?」
【それなら知っている。私の背中に乗れ、そこの天使もな】
「ありがとう!」
レインは早速ガギュールの背中に飛び乗ったが、ジエルは乗らなかった
「どうしたの?」
「いえ、私は走ります」
「なんで?」
「その方が鍛練になりますので」
ジエルがそう言うとレインは
「別にそうしたいなら良いけど…」
と少し残念そうにしていた
【もういいか?】
「うん、もういいよ」
【天使よ、頑張って私に着いてこい】
「はい?」
ガギュールはそれを聞いた途端に物凄い勢いで走り出した
だが、レインはガギュールの背中で夢心地だ
そして数分後、辿り着いた先には小さな洞窟があった
【ここだ】
「ここに造ってくれる人がいるの?」
【昔ここに出入りしている妖精達がいた。だからここだと思ったが違うのか?】
「知らないけど…まあ、いっか!」
レインはガギュールから降りた
「ありがとう!ルーギュガ!」
するとガギュールは突如として現れた魔方陣に吸い込まれて消えていった
「疲れてない?」
「大丈夫です」
「じゃあ行こっか!」
レインはジエルと手を繋いで洞窟の中へ入っていった
「あ、あのレイン様…」
「ん?どうしたの?」
レインがジエルを見るとジエルは顔を真っ赤にしていた
「熱でもあるの?」
「い、いえ、なんでもありません!」
「そう?」
レインはそのまま洞窟を奥へと進んで行った
数分後
「ねえねえジエル~」
「なんでございましょう?」
「宝箱見つけたよ!」
レインの目の前には氷で出来た部屋の中心に宝箱が置かれていて、その前には何も無かった
「あれの中って鞘かな~?」
「多分鞘では無いでしょう。運が良ければ金銀財宝が、運が悪ければ罠に引っ掛かり最悪の場合死に至る事もあります」
「じゃ、じゃあ止めとこ~」
レインはそそくさとその部屋を後にした
そして進んでいくと軈て暗くなってきて辺りが見え辛くなってきた
「ホムラ、魔力入れるよ?」
【うん…良いよ】
レインはホムラに魔力を少量込めて松明の代わりにした
「これで見えるよ」
レインは少し安心して進んでいった
そして少し進んでいくとドアが見えてきた
「やった!新しい部屋!」
レインはホムラを片手にドアに向かって走っていく
ギイィィィィィイ
と軋む音を立てながらドアを開けた
カチャ
一定位置まで開けるとそんな音が聞こえてレインは止まった
「流石だな、誰だ?」
「あの~、鞘を作って欲しいんですけど…」
「鞘~?まあ、立ち話もなんだ、中に入れ、もう大丈夫だから」
レインはそーっとドアを開ける
中から明るい光が差し込んでレインの目を攻撃したので、咄嗟に手で防御した
「ま、眩しい…」
レインはそう呟き、腕の下から目の前にいる者の足が見えた
その足は細く、短かった
軈て目が光に慣れてくるとレインは手を目の位置から退かせ、目の前にいる者へ目を向けた
その者の伸長はレインの腰くらいで、バンダナを被っていて髪が横から少し出ている
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