ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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11章 激闘!魔界突入!

147話3チーム

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レイン達が東へ向かっている途中でカオリがある提案をした
「ねえねえ、今更だけどこれじゃ人数が多くて敵にバレやすくなるんじゃないかな?」
「…確かに!」
レインはカオリの提案を聞き拍手をして感心した
「…それで?どうやって分けるの?」
「それだったらもう大体強さは分析出来てるよ!そうだね~、皆に言えば魔王がここに呼んだ時に言ってた順位、殆どがあれの通りだった」
「つまり俺は一番弱いのか…」
グレッグは両手足を地面に着いて落ち込んだ
「違うよ。この中で一番、一対一で弱いのは私。だから安心して」
「マジか!よっしゃ!」
なぜか物凄く喜んだグレッグに苦笑した後、カオリは再び話を再開した
「つまり私達の力を考えてだと3チーム毎に別れるのが良いと思うんだ
まずは1班!ジエルくんとグレッグさんと私、シリさんとチルさんね
そして2班!え~と、レインくん、メイトくん、メルちゃん、キラちゃん、ハルくんね」
カオリの振り分けを聞いてハルはゆっくりとメルを見た
メルは特に不満も無いようでニッコリしていた
(よかった~)
と、内心物凄く安心していた
「次が3班だけど名前呼ばれてない人、まあ一応言うね
3班!レイトさん!サツキちゃん!ナタくん!アモくん!
一応殆ど均等に分けたつもりだけど何か言うことはある?ある人は手を上げて」
カオリが確認するとスッと1人、手を挙げた
「どうしたの?シリさん」
わたくしがレイト様と同じ班では無いのが可笑しいと思います!」
「いや、俺は良い!カオリ!頼む!変えないでくれ!」
レイトが土下座して頼み込むとシリは静かな怒りを隠した笑顔でレイトを見下した
「はい?何故ですか?わたくしの事が嫌いなのですか?」
「そういう訳じゃないけど…」
「では宜しいですよね?」
「え~と…あ!そうそう!この方が、魔王を倒しやすくなるだろ?」
「それはそうですけど!」
シリが怒鳴ろうとするとレイトは耳打ちした
「…それは本当ですか?」
「本当だ」
「なら構いませんが…必ず守ってくださいね?」
シリの気迫の籠った言葉に若干気圧されながらもレイトはコクりと頷いた
「それじゃあ他に意見のある人は……いないみたいですね」
カオリがホッと一息吐くと全員の行き先を指差した
「まず1班、私と同じチームは北に行ってね」
「分かった」
「そして2班、レインくんチームは東に、そして3班のレイトさんチームは西に、これで良い?」
誰もが意見を言わないのでカオリはコクりと頷いた
「次に会うときは魔王城だけど、それまでは無事でね」
「うん、分かった」
「まだ死ぬ気はない」
「俺は不安だよ」
ハルはそう言うとチラリとメルを見て、まだレインに見とれている所を見てホッとした
「それじゃあ…解散!」
カオリが手を叩くと班毎に別れて歩き出した
「じゃあね~!」
「気を付けろ~!」
「レイト様!ちゃんと守ってくださいね!」
と、それぞれ別れの言葉を言いながらそれぞれの方向へ歩いて行った
「お兄ちゃんと一緒で良かった!」
メルがレインの腕をギュウッと抱き付くとレインの頭からハミが出てきて再びメルと喧嘩を始めた
「いい加減にして!もう諦めたら?」
「は?なんで貴女に言われなくちゃいけないのよ」
2人がいがみ合っている内にレインはそそくさと離れ3人を連れた
「早く行こう、なんか嫌な予感がする」
レインがメイトとキラの手を掴んで進んで行くとハルもメルから離れたかったのかすぐについてきた
レインは出来るだけバレない様に出来るだけ音を立てず、その場から離れようとした
すると突如視界が再び森の中へ切り替わった
(また!?)
「レインくんは私の方が好きなの!」
「ううん!お兄ちゃんは私の方が好き!」
「「レインくん(お兄ちゃん)はどっちが好きなの!?」」
とハミとメルがレインの方を見るとレインはキラ達を連れて去ろうとしていたのですぐに追い掛けグッと服の襟を掴むとニコッと笑い掛けた
「お兄ちゃん、どこに行くの?」
「レインくん、私を放って行くなんて酷いじゃない」
レインがゆっくり後ろを振り返るとそこには悪魔が2匹、いや、正確には悪魔の様な人と妖精がいた
メイトとキラが横を見るとそれぞれ同時に睨まれ目を逸らした
「さて、そんな事より…私とこのチビとどっちが好きなの?」
「え~と…」
「私とこのブスのどっちが好きなの?」
「ええ~と…」
「「どっち?」」
レインは異常に迫られ冷や汗を掻いた
(リーナちゃん、どうすれば良いの?)
【これは選びがたいわね…顔は普通だけど胸は少しあるお兄ちゃんっ子か、それとも小さく可愛い妖精か…】
(リーナちゃん!?どういう基準なの?それ!)
レインはリーナの言葉に驚きながらもぐいぐい迫ってくる2人が恐ろしくて言葉を考える事を止めていた
「「早くして」」
「え~と…ど、どっちもじゃ、ダメ…かな?」
レインがそう言うと少しの沈黙の後…
「仕方ないわね…こんなチビと一緒にされるのは不服だけど…お兄ちゃんが選んでくれたから!」
「はあ、仕方ないな~…こんなブスと一緒にされるのは嫌だけどレインくんがそう言うなら~!」
と、2人は蕩けた笑顔でレインを見た後、ハミはレインの頭の上へ、メルはレインの腕へ抱き付いた
「それじゃあ行こう!」
レインがメイトとキラと手を繋ぎながら進むとその事には気付かず、メルはレインが作り出した幻のレインに抱き付いて後ろから付いてきていた
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