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8章 計画前夜…月明かりの下で…
86話 ピンチ2
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「レンゼ!?」
その勢いとアベルの童謡によってアベルの肩から転げ落ちたレンゼは震える指でその血で魔術式を画き始めた
「俺は…俺で…なんとかするから…アリサ達だけは…!」
「なんだってそこまで家族の為だとか言えるんだよ! もっと自分を大切にしろよ!」
「…なんでって? 俺は…」
ドーンッ!
「「ッ!」」
少し遠くで爆発音が鳴り響き、地面が揺れる
「行って…来て…くれよ…?」
「で、でも「お前…なら、やれる…」」
蒼白の顔でニコッと弱々しく笑う
「行って…来て…くれ。今は…動けそう…に、無いか…ら…」
「分かった! 分かったから大人しくしてろ! 絶対に連れて行くからな!」
アベルは恐怖と疲労で震える足腰にむち打ち、爆発音がした方向へ走って行った
(くそっ…家族の1人も守れなくて何が復讐だよ…妹も…母さんも…義姉も…義父さんや義母さん、そして友達も…誰も守れない…なのに…何が…何が…!)
やるせない気持ちに襲われて必死で目の前の血で魔術式を画く
(精々…止血程度だろう…それ以上すると死ぬ…それだけは…)
魔術式を画き終わると、左手に力を込めて魔術式の元へ頬を持っていく
その時に手首から血が少し飛び出る
(頼む…俺に…戦える力を…!)
そう願い、最小限の魔力を練り上げて片手を翳す
すると、淡く、青く発光してレンゼの頬が一瞬むず痒くなる
「はあ…はあ…こ、こりゃ…マズい…」
頭が重く持ち上げる事が出来ずにアイシスの安否を確める事すら出来ずに瞼がゆっくりと降りてくる
(まだ…死ぬ訳には…死んだ振りも…まだなんとかなった…なのに…こんな所で死ぬのかよ…)
今までの自分の行いを振り返り、何もしていない事に気が付きなんとか行動を起こそうとするが何も出来ずに瞼を閉じた…
少し前に…
「な、何者ですか!?」
2号とシンは目の前の筋張っている細身の男に警戒の色を消せずにゆっくりと後退していた
「僕? ああ…まだ残ってたんだ…? おかしいな~全員食べた筈なんだけど…」
「お、おかーさんも!?」
「? 君が誰だかは知らないけど多分君のお母さんも僕の中にいるよ。それよりどうやって僕から逃れたの? ん? 教えてくれないかな?」
瞳に好色を纏わせて2号達を見ている男に2号は背筋を震わせる
「あ、貴方が誰だか教えてくれない限りは…教えません!」
「ん~、分かった。僕の名前は…グラトニーって仲間の間では呼ばれてるよ。それじゃ、今度は君の番だ。どうやって僕から逃れたの?」
「アベル様とレンゼ様です…」
男は首を傾げてグイッと近寄ってくる
「ねぇねぇ、それって誰? 男の子? 女の子? 大人? 子供? 教えてよ」
「…大人の人です…」
「はいはい、子供ね」
「っ!」
男の言葉に2号は驚いて1歩、大きく後退した
「だとしたら男の子? 女の子? どっち?」
「お、男の子です…」
「うんうん、正直が一番だよ。それじゃあ最後の質問、その子達は君より年上? 年下? それとも同い年?」
「同い年…」
「嘘はいけないよ~、可愛らしいのに嘘なんか言ったら台無しだよ~? 分からないんだったら初めからそう言いなよ」
男はニコッと微笑むが、2号からしてみればそれは逆におぞましく見えて仕方が無かった
「まあ、それじゃあもう食べても良いよね…」
よだれを垂らして2号へ近付いて来る男に嫌な想像をしてしまい身体を震わせ、震える手でシンの腕を握る
「来ないでください!」
「良いじゃ無い、どうせいつかは死ぬんだから…それなら本能に従って動かないのが賢明だと思うよ?」
「わ、私の本能は貴方に触れて欲しくないと言っています!」
その言葉に男の動きは止まった
「そうかい…残念だよ…だったら強行手段だね…」
突然男が息を大きく吸い始め、2号はそれにただならぬ気配を察知してその場からいち早く逃げる事を頭が命令していた
その勢いとアベルの童謡によってアベルの肩から転げ落ちたレンゼは震える指でその血で魔術式を画き始めた
「俺は…俺で…なんとかするから…アリサ達だけは…!」
「なんだってそこまで家族の為だとか言えるんだよ! もっと自分を大切にしろよ!」
「…なんでって? 俺は…」
ドーンッ!
「「ッ!」」
少し遠くで爆発音が鳴り響き、地面が揺れる
「行って…来て…くれよ…?」
「で、でも「お前…なら、やれる…」」
蒼白の顔でニコッと弱々しく笑う
「行って…来て…くれ。今は…動けそう…に、無いか…ら…」
「分かった! 分かったから大人しくしてろ! 絶対に連れて行くからな!」
アベルは恐怖と疲労で震える足腰にむち打ち、爆発音がした方向へ走って行った
(くそっ…家族の1人も守れなくて何が復讐だよ…妹も…母さんも…義姉も…義父さんや義母さん、そして友達も…誰も守れない…なのに…何が…何が…!)
やるせない気持ちに襲われて必死で目の前の血で魔術式を画く
(精々…止血程度だろう…それ以上すると死ぬ…それだけは…)
魔術式を画き終わると、左手に力を込めて魔術式の元へ頬を持っていく
その時に手首から血が少し飛び出る
(頼む…俺に…戦える力を…!)
そう願い、最小限の魔力を練り上げて片手を翳す
すると、淡く、青く発光してレンゼの頬が一瞬むず痒くなる
「はあ…はあ…こ、こりゃ…マズい…」
頭が重く持ち上げる事が出来ずにアイシスの安否を確める事すら出来ずに瞼がゆっくりと降りてくる
(まだ…死ぬ訳には…死んだ振りも…まだなんとかなった…なのに…こんな所で死ぬのかよ…)
今までの自分の行いを振り返り、何もしていない事に気が付きなんとか行動を起こそうとするが何も出来ずに瞼を閉じた…
少し前に…
「な、何者ですか!?」
2号とシンは目の前の筋張っている細身の男に警戒の色を消せずにゆっくりと後退していた
「僕? ああ…まだ残ってたんだ…? おかしいな~全員食べた筈なんだけど…」
「お、おかーさんも!?」
「? 君が誰だかは知らないけど多分君のお母さんも僕の中にいるよ。それよりどうやって僕から逃れたの? ん? 教えてくれないかな?」
瞳に好色を纏わせて2号達を見ている男に2号は背筋を震わせる
「あ、貴方が誰だか教えてくれない限りは…教えません!」
「ん~、分かった。僕の名前は…グラトニーって仲間の間では呼ばれてるよ。それじゃ、今度は君の番だ。どうやって僕から逃れたの?」
「アベル様とレンゼ様です…」
男は首を傾げてグイッと近寄ってくる
「ねぇねぇ、それって誰? 男の子? 女の子? 大人? 子供? 教えてよ」
「…大人の人です…」
「はいはい、子供ね」
「っ!」
男の言葉に2号は驚いて1歩、大きく後退した
「だとしたら男の子? 女の子? どっち?」
「お、男の子です…」
「うんうん、正直が一番だよ。それじゃあ最後の質問、その子達は君より年上? 年下? それとも同い年?」
「同い年…」
「嘘はいけないよ~、可愛らしいのに嘘なんか言ったら台無しだよ~? 分からないんだったら初めからそう言いなよ」
男はニコッと微笑むが、2号からしてみればそれは逆におぞましく見えて仕方が無かった
「まあ、それじゃあもう食べても良いよね…」
よだれを垂らして2号へ近付いて来る男に嫌な想像をしてしまい身体を震わせ、震える手でシンの腕を握る
「来ないでください!」
「良いじゃ無い、どうせいつかは死ぬんだから…それなら本能に従って動かないのが賢明だと思うよ?」
「わ、私の本能は貴方に触れて欲しくないと言っています!」
その言葉に男の動きは止まった
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