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9章 計画当日
112話 涙
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ダンダンダンッ!
合成獣はアベルの後方から飛んできた銃弾に胸、首、脳天を貫かれて倒れる
「早く殺すんだよ!」
「急かすな!」
アベルは両手を組んで高く掲げると目を瞑った
(殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ! さもないと俺らが殺されるんだぞ!)
「うおおぉぉぉぉぉぉ…!」
叫びながら思いっきり合成獣の首へ振り下ろした
ゴキッ!
鈍い音がアベルの肌から伝わり、気持ちの悪さに膝から崩れ落ちて口を押さえた
「ん? どうしたんだよ?」
「んんんッ!」
「大丈夫なんだよ?」
トントンと背中を叩くアイシスにアベルは顔を青くしていく
「おぼろぇぇエぇぇエえぇエぇエぇぇぇぇエエぇぇぇエぇエぇぇぇぇぇぇぇぇエぇェ!」
「うわッ! 汚いんだよ!」
倒れた合成獣の上で盛大に嘔吐したアベルからそそくさと離れた
「ハァ…ハァ…お前が叩くからだろ!」
「ぼ、僕は何もしてないも~ん…」
口笛を吹いて誤魔化すと思い出した様にレンゼの方へ走って行った
「新人くん大丈夫だよね!?」
「…(無視するなよ)」
アベルも口元を拭くとレンゼの元へ走って行った
「ハァ…ハァ……ハァ…」
「聞こえるか~?」
レンゼの目の前で手を振るとレンゼは瞳をアベルの方へ向けた
「あ? あぁ…アベルか…」
「よし、聞こえるみたいだな。まあどっちにせよこの状態じゃまともに戦えそうに無いしどこか安全そうな場所って…無いな…」
「悪いんだけどさぁ…立てねぇんだ。起こしてくれ…」
「分かったよ…ハァ…アイシスちゃん、その化物が起きない様に見といて。俺はこいつ起こすから」
「分かったんだよ」
アイシスは頷いてアベルに背を向ける
「アベルくん! 危ないんだよ!」
レンゼの肩に手を置いた途端に後ろから怒鳴り声が聞こえ振り向いた
「ん?」
そこには巨大な熊の身体があった
「ゴゥっ!」
突然の事で体が追い付かずぶっ飛ばされ、地面を跳ねながら大穴の空いた壁へ跳んでいく
「が…はっ!」
背中を壁に叩き付けられ肺の空気が外に出る
ボキボキッ!
地面に落ち、痛みに悶ながら目を開ける
「…ッ!」
ポタッ…ポタポタッ…
壁に空いた大穴の先、薄暗い部屋の中で蠢くそれは、アベルに手を伸ばした
「ガ…ァァア…!」
目から涙が溢れ出る
「そんな…そんな…!」
アベルの目の前にいる生物、それは山羊の体に蠍の尻尾、そして兎の様な毛並み、更に人の顔を持った正に異形の生物だった
「ァァァアアァ…ガガァァアァアアァァァ!」
「2号…!」
唇を噛み締め迫って来るその生物から目を背けられない
「嘘だ…嘘だ…嘘だぁぁぁぁぁああぁぁあぁああぁぁぁあぁぁ!」
泣き叫ぶと同時に目の前のそれがグシャッと崩れ落ちる
「ま、まだ生きてる…大…大丈夫…だよな…? なぁ! 返事して…くれよ…!」
山羊の脚にしがみつくアベルに顔を寄せる
ガジュ
それはアベルの肩に噛み付き、相手は歯から、アベルは肩からお互い、大量の血が流れる
「なぁ…! 答えてくれよ…! 悪ふざけも…程々にしないと…笑えねぇぞ…?」
更に肩に噛み付く強さが増す
グシャッ!
追ってきた合成獣は2号の体を踏み潰してアベルを見下ろす
ダンダンダンッ!
「早く逃げるんだよ!」
「で、でも2号が…!」
「それはもう人間じゃ無いし生きてない!」
「まだ呼吸してる…! ほら…生きて「例えそう言う意味で生きてても希望も無ければ死んでるのと変わらないんだよ! そいつが起きる前に早く!」」
「でも…でも…!」
ぐずぐずしているアベルに痺れを切らしてアイシスはアベルの元へ走って行き合成獣の頭を撃ち抜くと銃を捨ててアベルを引き摺って戻っていく
「2号は!? まだ生きてんだぞ!」
「あれはもうすぐ死ぬんだよ! それにアベルくんが死んだら元も子も無いんだよ!」
それでもアベルは瓦礫を掴んだり足をジタバタさせて戻ろうとする
「俺は関係ねぇ! あいつが助かればそ「それで良い? そんな事言ってる場合じゃ無いんだよ! 君が生きていればあの子みたいにされた人も元に戻せるかも知れないのに! その為の勉強も出来るかも知れないのにそれでも死ぬって言う!? 全て失ってからじゃ遅いんだよ! 失うより生きて生きて生き延びて! あんな事になった人を助ける方法を探せば良いんだよ!」」
「知らねぇ奴の為に目の前で生きてる知り合いを殺せって言うのかよ!」
「本当に知り合いなら、そんなに助けたいなら、あの子の気持ちも分かってあげるんだよ! 自分は死んでも君には生き延びて欲しい…そう思ってるんだよきっと!」
「そんな訳あるか! そんな事考える人間どこにも居ねぇんだよ!」
「さっき君が自分で言った事覚えてるんだよ!? 『俺は関係ねぇ、あいつが助かればそれで良い』これがどう言う意味か理解してるんだよね?」
その言葉を聞いてアベルは動きが止まった
「クソが…ッ!」
(やっと大人しくなったんだよ…)
ホッと一息吐くと再びアベルの服を掴み直して引き摺って行く
「誰一人として守れねぇなら俺なんて存在する価値もねぇんだよ!」
アベルは服を脱ぎ捨て、上半身裸で合成獣の元へ駆け出して行った
ダンダンダンッ!
合成獣はアベルの後方から飛んできた銃弾に胸、首、脳天を貫かれて倒れる
「早く殺すんだよ!」
「急かすな!」
アベルは両手を組んで高く掲げると目を瞑った
(殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ! さもないと俺らが殺されるんだぞ!)
「うおおぉぉぉぉぉぉ…!」
叫びながら思いっきり合成獣の首へ振り下ろした
ゴキッ!
鈍い音がアベルの肌から伝わり、気持ちの悪さに膝から崩れ落ちて口を押さえた
「ん? どうしたんだよ?」
「んんんッ!」
「大丈夫なんだよ?」
トントンと背中を叩くアイシスにアベルは顔を青くしていく
「おぼろぇぇエぇぇエえぇエぇエぇぇぇぇエエぇぇぇエぇエぇぇぇぇぇぇぇぇエぇェ!」
「うわッ! 汚いんだよ!」
倒れた合成獣の上で盛大に嘔吐したアベルからそそくさと離れた
「ハァ…ハァ…お前が叩くからだろ!」
「ぼ、僕は何もしてないも~ん…」
口笛を吹いて誤魔化すと思い出した様にレンゼの方へ走って行った
「新人くん大丈夫だよね!?」
「…(無視するなよ)」
アベルも口元を拭くとレンゼの元へ走って行った
「ハァ…ハァ……ハァ…」
「聞こえるか~?」
レンゼの目の前で手を振るとレンゼは瞳をアベルの方へ向けた
「あ? あぁ…アベルか…」
「よし、聞こえるみたいだな。まあどっちにせよこの状態じゃまともに戦えそうに無いしどこか安全そうな場所って…無いな…」
「悪いんだけどさぁ…立てねぇんだ。起こしてくれ…」
「分かったよ…ハァ…アイシスちゃん、その化物が起きない様に見といて。俺はこいつ起こすから」
「分かったんだよ」
アイシスは頷いてアベルに背を向ける
「アベルくん! 危ないんだよ!」
レンゼの肩に手を置いた途端に後ろから怒鳴り声が聞こえ振り向いた
「ん?」
そこには巨大な熊の身体があった
「ゴゥっ!」
突然の事で体が追い付かずぶっ飛ばされ、地面を跳ねながら大穴の空いた壁へ跳んでいく
「が…はっ!」
背中を壁に叩き付けられ肺の空気が外に出る
ボキボキッ!
地面に落ち、痛みに悶ながら目を開ける
「…ッ!」
ポタッ…ポタポタッ…
壁に空いた大穴の先、薄暗い部屋の中で蠢くそれは、アベルに手を伸ばした
「ガ…ァァア…!」
目から涙が溢れ出る
「そんな…そんな…!」
アベルの目の前にいる生物、それは山羊の体に蠍の尻尾、そして兎の様な毛並み、更に人の顔を持った正に異形の生物だった
「ァァァアアァ…ガガァァアァアアァァァ!」
「2号…!」
唇を噛み締め迫って来るその生物から目を背けられない
「嘘だ…嘘だ…嘘だぁぁぁぁぁああぁぁあぁああぁぁぁあぁぁ!」
泣き叫ぶと同時に目の前のそれがグシャッと崩れ落ちる
「ま、まだ生きてる…大…大丈夫…だよな…? なぁ! 返事して…くれよ…!」
山羊の脚にしがみつくアベルに顔を寄せる
ガジュ
それはアベルの肩に噛み付き、相手は歯から、アベルは肩からお互い、大量の血が流れる
「なぁ…! 答えてくれよ…! 悪ふざけも…程々にしないと…笑えねぇぞ…?」
更に肩に噛み付く強さが増す
グシャッ!
追ってきた合成獣は2号の体を踏み潰してアベルを見下ろす
ダンダンダンッ!
「早く逃げるんだよ!」
「で、でも2号が…!」
「それはもう人間じゃ無いし生きてない!」
「まだ呼吸してる…! ほら…生きて「例えそう言う意味で生きてても希望も無ければ死んでるのと変わらないんだよ! そいつが起きる前に早く!」」
「でも…でも…!」
ぐずぐずしているアベルに痺れを切らしてアイシスはアベルの元へ走って行き合成獣の頭を撃ち抜くと銃を捨ててアベルを引き摺って戻っていく
「2号は!? まだ生きてんだぞ!」
「あれはもうすぐ死ぬんだよ! それにアベルくんが死んだら元も子も無いんだよ!」
それでもアベルは瓦礫を掴んだり足をジタバタさせて戻ろうとする
「俺は関係ねぇ! あいつが助かればそ「それで良い? そんな事言ってる場合じゃ無いんだよ! 君が生きていればあの子みたいにされた人も元に戻せるかも知れないのに! その為の勉強も出来るかも知れないのにそれでも死ぬって言う!? 全て失ってからじゃ遅いんだよ! 失うより生きて生きて生き延びて! あんな事になった人を助ける方法を探せば良いんだよ!」」
「知らねぇ奴の為に目の前で生きてる知り合いを殺せって言うのかよ!」
「本当に知り合いなら、そんなに助けたいなら、あの子の気持ちも分かってあげるんだよ! 自分は死んでも君には生き延びて欲しい…そう思ってるんだよきっと!」
「そんな訳あるか! そんな事考える人間どこにも居ねぇんだよ!」
「さっき君が自分で言った事覚えてるんだよ!? 『俺は関係ねぇ、あいつが助かればそれで良い』これがどう言う意味か理解してるんだよね?」
その言葉を聞いてアベルは動きが止まった
「クソが…ッ!」
(やっと大人しくなったんだよ…)
ホッと一息吐くと再びアベルの服を掴み直して引き摺って行く
「誰一人として守れねぇなら俺なんて存在する価値もねぇんだよ!」
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