復讐の慰術師

紅蓮の焔

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10章 入院生活

121話 仕返し

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【さて、覚えてる範囲内で確認してみるか…
ゴーレムの造り方…手順その①
土と水を混ぜた泥で人形を作る
手順その②
何かしてエメスの文字を彫る
これで完成…? 多分?】
頭を悩ませていると紙が目の前に提示された
『何考えてるの?』
(少し…な…?)
言葉を濁すと窓の外を眺めた
【う~ん…それなら前世でもゴーレムは沢山見ただろうし…でも後は覚えてないんだよなぁ…】
『レンゼ、レインっておじさんがお菓子くれたよ? 食べる?』
(食べる)
アリサの方に振り向くとその手にはクッキーがあった

ゴクリ…

生唾を飲み干し、目を瞑って口を開ける
(あ~)
しかしいつまで経っても入って来ない
片目を開けると美味しそうにクッキーを頬張るアリサがいた
(ずるい! アリサ! 俺も俺も!)
アリサは紙にペンで書き綴るとそれを千切ってレンゼに見せた
『いつも面倒見てあげてるんだから偶には良いでしょ』
それをクシャッと丸めてゴミ箱に捨てると再びクッキーを頬張り、美味しそうに頬を緩ませる
(俺にも喰わせろ~! 姉なら弟に譲ってくれよ~!)
再びアリサは書き綴り、紙をレンゼに見せた
『あんたのお姉ちゃんになったつもりはありません~』
レンゼの目の前で次々とアリサの口の中に消えて逝くクッキーを眺めてあぁ…! と悲嘆する
そして最後の1枚をレンゼの前でちらつかせて口を動かす
動作と状況から『欲しい?』と言っているのは明白だったので物凄い勢いで頷いた
しかし、現実は残酷だ
最後のクッキーはアリサの口の中へ消えていった
(うぅ…もう知らねぇ! アリサなんか嫌いだ!)
涙目になりながらアリサから顔を逸らした
『ごめんごめん! でも美味しかったし前にレンゼったら私に…とにかく言ったでしょ? あれの仕返しよ!』
そう書かれた紙がレンゼの前に提示された
【あれ? 何を言ったんだ…? アリサに…?】
首を傾げるとアリサは耳の先まで紅潮させた
『ちょっとトイレ』
アリサは書き置きを残して部屋を出て行く
【くそっ…! アリサの奴…人が下手に出てれば…! これが治ったら仕返ししてやる…! まず、人気のない場所に連れ込んでからあんな事や色んな事、人に言えない様な事を幾つもやってやる!】
くつくつと笑っているとアリサが戻って来た
それに気付かずにくつくつと笑っていたレンゼは肩を突かれ、その痛みでアリサの存在に気付いた
(アリサ? 何? さっきの事ならもう怒ってないよ)
微笑んで言うとアリサは紙に書き綴り、レンゼに見せた
『嘘ね。正直に言って? 怒ってるでしょ? それに何考えてたの?』
(何も考えてません…はい…)
チラッとアリサを見てみるとジトーっと疑いの眼差しを向けられていたので窓の方へ目を逸らした
暫くそのやりとりが続いていると紙が目の前に提示された
『分かったわ。今回は見逃してあげる。でももし変な事とか考えてたら…分かってるわよね?』
その紙と共に込められる怒りの感情を顕にした様な表情に米神から汗が流れる
(分かった分かった…)
そう言うとアリサは笑顔に戻り、椅子に座った
(お、お腹空いたな~…)
『ちょっと待っててね』
ウィンクして紙をゴミ箱に捨てると部屋を出て行った
【怖っ! 何!? 世の母親PTAは子の考えている事が分かるって言うけどアレが噂のそれか…】
ゴクリと生唾を飲むと今生で初めて保護者を怖いと感じたのだった
暫くするとアリサが何食わぬ顔で戻って来た
アリサは首を傾げるとメモ帳に何かを書き綴り、1枚千切ってレンゼに見せた
『何かあったの?』
【こいつ…さっきまであんなに威圧してたのに何も知らねぇ振りしやがって…!】
歯軋りしているとアリサはパンを千切ってレンゼの口に近付けてきた

はむっ…もぐもぐ…ゴクンっ

【いつかは絶対に仕返ししてやる!】
そう決意するも、少し考え事をするとすっかり忘れてしまっていた
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