復讐の慰術師

紅蓮の焔

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11章 新たな生活

134話 証拠

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【…なんでこんな事に…ぉうぇ…】
レンゼは現在、揺られに揺られ吐き気を催していた


事の発端…と言う程でも無い数分前の出来事
【…ここ、駅!? なんでここに…!?】
辺りをキョロキョロと見回しているとアリサは切符を2枚買って駅のホームに入って行った
そのまますぐに目的地までの列車が来た様でアリサはそれに乗り込み、レンゼを座らせてからその隣に座った
それから数分が経ち、漸く動き出したのだが…先程レンゼは目玉の事を思い出しており、気分が優れない所に更に汽車に揺られ、気分を害していた
【…気分悪い…三半規管は壊れてないの…? つまり蝸牛って三半規管では無いって事か…にしても本当に気持ち悪…! …なんでこんな事に…ぉうぇ…】
そして現在に至る
レンゼが顔を青くして汽車に揺られているとラストが背中を擦ると体をまたビクッと震わせて恐る恐る顔色を伺う様に見上げる
【こいつ…! 俺がラストだって気付いてる事に気付いてないな…ん? そう言えばこいつがラストならロゼはどこだ…? まさかこいつ…ロゼを…!】
小さく唸って威嚇するとラストはニコッと微笑み返した
【な、なんか調子狂う…】
めげずに威嚇し続けると軈て汽車が止まり、レンゼを抱っこして汽車から出て、駅を出る際に切符を渡してから出て行った


数時間後…
【あれ…? ここって…】
辺り一面に拡がる草原、立ち並んでいた筈の民家、そして一箇所だけ未だに壊れていない民家が建っていた
そう、ここはレンゼの故郷の過疎化してしまった名も無き村だった


アリサが自宅の前でレンゼを下ろしてノックすると中から数人の男が出てきた
【だ、誰…?】
アリサはペコリとお辞儀をすると男達も微笑んでペコリとお辞儀をして去って行った
(一体誰だったんだあいつら…)
レンゼはキチッと隊列を組んで走って行く数人の男達を眺めて暫くすると目の前に紙が提示された
『あの人達は私達の留守番の間、野菜の世話や家の掃除をしてくれてた人達よ』
【…こいつ、俺の…正確にはアリサの家を…!】
嫌悪の眼差しを向けるとラストが首を傾げて来て拳を握り締めた
『どうしたの?』
そう書かれた紙が提示されるが返事を返さずにいると更に首を傾げてレンゼの腕を掴んだ
一瞬、震えるがキッと睨み付ける
(っ! 離せッ!)
振り払おうとしても力が足りずに振り払えなかった
するとまた首を傾げて、今度は少し屈んでレンゼと視線の高さを合わせて見詰め合った
(なんでここに来たんだ! ロゼはどうした! まさか殺したのか…!)
睨み付けるとラストはキョトンとして突然笑い出した
(何が可笑しい!)
ラストは紙にサラサラと字を書いてレンゼに見せる
『良かったわ。でもロゼは知らないわよ? だってここ2年ずっとあんたの看病してたんだから。それに最後に会った時にラストって人と一緒に居たんでしょ? だったら大丈夫じゃないかな? そのラストって人が守ってくれてるよ』
その紙を見てプツッと何かが切れた
(そんな小細工に引っ掛かるか! てめぇアリサの真似しやがって! だがな…お前がアリサの真似しようが簡単に見分けられるんだぞ…! お前を殺せばラストって事が証明されるんだからなぁ!)
掴まれていない方の腕でラストの首を掴むとラストは笑って一歩、後退った
(何笑ってんだよ! 早く本当の姿を見せやがれ!)
ラストは再び笑って紙に字を書いていく
片手でそれを成す所業はレンゼでも感心してしまう程だった
小指と薬指で紙を押さえて器用に文字を書いてレンゼに見せる
更に驚くのはその字の綺麗さだ。片手で書いていたにも関わらず、普通に読める程、字が綺麗なのだ
『私をラストさんと思ってるの? 私には到底真似なんか出来ないわよ。そんな変装とか上手くないし…料理もレンゼに比べれば凄く下手だし…』
そう書かれた紙を見て今度はラスト? を見詰めた
(本当に…本当にラストじゃないんだな? なら少し怪我してみろよ…)
レンゼがそう言うとラスト? は苦笑して紙に再び字を書いた
『嫌よ。痛そうだもん』
【なんて奴だ…確かに痛いかもしれないがそれを隠したがると言う事はやはりラスト…か…? いや、そう言えば…最後の手段があった…! これで予想通りの反応をすればラスト…予想外ならアリサだ!】
(ならもう1つ、ここでラストかアリサか…確実に分かる方法がある。受けるか?)
真剣な眼差しでラスト? を見詰めるとラスト? もコクッと頷いた
(行くぞ…)
ラスト? はコクッと再び頷いた
(あっ! 美味そうなご飯!)
そう叫んでラスト? の後ろを指差すとラスト? は振り向いた
【今だ!】
その指をラスト? の胸に向けて素早く近付ける

ぷにっ…

その後、鈍い音と共にレンゼの意識は闇の中へと消えて行った
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