復讐の慰術師

紅蓮の焔

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11章 新たな生活

148話 過保護

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レンゼが考え込んでいる内にすっかり夜も更け、アリサがタオルを肩に掛けて入って来た
『お風呂に入るわよ』
紙に書かれた言葉に少しの間ボーッとしていると、理解が追い付きブッと吹いた
(何言ってるんだよ! 場所教えてくれたら1人で入るから!)
アリサは溜め息を吐いて紙に字を書き綴り、レンゼに見せた
『あのね? 恥ずかしいのか知らないけどあんたの体調管理は私の仕事なんだから』
頬を引き攣らせてアリサの顔を見上げると自慢気に胸を張っていた
【…お母さんかよ! …いや、親権がアリサにあるって…同い年なのに…! 俺も17なのに!】
怒りを顕に拳に青筋を浮かせていると、その間にアリサはレンゼの服を脱がして浴場へと連れて来ていた
(アリサ…恥ずかしいんだけど…)
頭を洗われているレンゼは顔を赤らめ、俯いていた
【なぜ俺に洗わせてくれない…】
レンゼが自分で洗おうとすると問答無用で母親の威圧が飛んでくるのだ
【過保護にも程があるだろ…】
溜め息を吐いているとお湯を頭に掛けられ、泡が口の中に入り、変な味がした
(ペッ! ペッ! 不味っ!)
目を拭いてから瞬きをすると目に石鹸の泡が滲みてきた
【段々来るやつだ! 目を拭かないと痛くなってくる…!】
手探りで辺りを掻き回しているとタオルを掴み、それを取って顔を拭いた。特に目の辺りを…
(あ~…大分楽になった…)
目を開けるとそこには浴場の景色が広がった
石造りの床と壁、上を見上げれば満点の星が白い靄の間に見える
それは天井が無い訳では無く、ガラス張りの天井を示している
その広さは人が10人程入っても大丈夫な位の広さで、レンゼとアリサだけで使うにしては充分すぎた
(アリサ~…俺も17だから1人で風呂に入れるし大丈夫。だから次から俺に洗わせて?)
振り返ろうとすると頭を殴られ、押さえているとタオルを奪われた
(結構痛いんだよ!? 少し手加減して!)
今度こそ振り返ると、先程目を拭くのに使ったタオルを体を隠す為に巻いていた
【…さっきのタオルを体に巻いてるって事は…まさか…!】
(ご、ごめんなアリサ! 裸を見たかった訳じゃ無かったんだよ! って言えば嘘になるかも知れないけど…)
必死で弁解しているとアリサは眉間を押さえて溜め息を吐き、桶の中にある石鹸に手を伸ばすと白いタオルに石鹸を擦り合わせ、泡立たせるとそのタオルでレンゼの背中を洗い始めた
(体は俺に洗わせて!?)
反論しようと振り返ると影の含んだ笑みを浮かべているアリサがいて、そのまま黙り込んで受け入れた
【大丈夫…心を無にすれば…】
と、思ってもこの状況で心を無にするのは容易では無く煩悩情欲ばかりが頭に浮かび続けた
体に湯を掛けられ、その思考が遮断されると汗が流れている訳でも無いのに額を拭った
(それじゃあ俺はそろそろ…)
出ようとするとアリサはレンゼの肩を掴んで湯船を指差した
(入らないとダメ…?)
わざと上目遣いで頼んでみたモノの…
失敗に終わり、湯船に入れられた
【この深さ…! 座れば息できない! かと言って立てば寒い!】
しかし、レンゼにはこれまでに培ってきたがあるのだ
それは常人の比ではなく、小柄な身体に反して約15分は水の中で息を止めていられる程だった
【アリサが来るまで潜っていられるか…? 肺活量を鍛えれば体力も必ず付く! って訳じゃ無いけど一定は付いてくる…けど、すぐに体力が切れるのは…体力が無いんじゃ無くて体力を使いこなせていないだけでは?】
しかし、幾ら肺活量を鍛えた所で筋力がそれほど付く訳でも無く、使えばその強さによって体力が持っていかれるのは普通の事だった。その上、一定以上の強さで筋肉を使うと再び肉離れや筋肉痛が引き起こされるので今の状況でそれは困る為、中々実行に移せずにいた
【もう少し運動が得意な体で産まれたかったよ…】
落胆しているとアリサが湯船に入って来た
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