復讐の慰術師

紅蓮の焔

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13章 前哨戦

218話 詮索

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ダッダッダッダッ……

「誰か! 生きている者が居れば返事をしろォ!」
機関銃を両手に持った男が叫んだ
「酷いな……こりゃ生存者は……」
そしてある男は肉片と血の海を見て顔を顰めた
「「なんっだこりゃァァアアアアアア!」」
「ッ! 上からだ! 男と少女の声がするぞ!」


「あ! ぐんじんさん!」
金髪に金の瞳をした少女がピンクの無柄のパジャマを着て最初に登ってきた男に手を振った
「おうちがぐちゃぐちゃになっちゃってるの!」
少女の肩を握ってその男は驚いた顔で片膝を着き、少女と顔の高さを同じ程度にして質問した
「君! 大丈夫かい!? お家の人達は!?」
「うんとね~。パパとおふろからでたらぐちゃぐちゃになってたの!」
「パパ?」
「うん! ママはおかいものにいってて~……パパがおしごとからかえってきたの!」
そう言うと部屋の入り口からパジャマ姿の男が出てきた
「あ、すみません! 家の娘が!」
「いえいえ……すみませんが……少しお話ししても宜しいですか?」
「ええ。娘も一緒で宜しいですか?」
「……娘さんには余り聞かせたくはないお話しなので……娘さんは一度こちらで預からさせて貰い、話が終わり次第返すと言う事で……」
「分かりました。レンゼ。あっちで大人の人達と遊んで来なさい」
「はーい!」
レンゼは、はにかんで笑うと向こうに居る男達の方に駆けて行った
「話とは?」
「こちらが駆け付けた際の通報では巨大な破壊音と共に建物が揺れたと聞きましたが……その辺りはどう誤魔化すおつもりで?」
「……え? そんな事が!? 私の記憶上では娘のヌードがとても……おっと失礼……」
父は再び話を戻した
「とにかく家の可愛い可愛いレンゼちゃんと一緒にお風呂で遊んでいただけですが?」
「……まさか華奢な幼児を襲っていた訳では……?」
「まっさか~! 私の趣味は飽く迄背中から抱き着いてくる娘の感触を味わう事が一番の楽しみでしてね……」
そして男に囁く様に口元に掌を当てて耳元へ近付いた
「家の娘……実は最近七歳になったばかりでして……ですが少々人付き合いが……私の知り合いと認識した者には特に無いのですが……父親としてお友達の一人や二人……やはり居てほしいものですよ……」
「話を逸らすんじゃない。破壊音と振動はどう誤魔化すつもりだ?」
「そうは言われましても……湯船で娘と遊んでまして……その際、湯船に浮かんでいる私を娘が回転させて遊ぶという遊びがあるんですけどこれがまた娘が可愛いんですよ~。知ってます? 私の娘、物を回す時両手を使うんですよ~。しかもとっても柔らかくてもうそれは天にも昇るかのようなのに更に時折見せる愛らしい満面の笑みで『きゃはは! おとーさんだーいすき!』って言ってくれるんですよ~! しかもその上「分かった分かった! もうその話は良い! 次の質問だ。貴方から漂ってくる血の臭い……これは誤魔化せませんよね? 白状して貰いましょうか……」」
男が父を睨み付けると父も真剣な表情を浮かべた
「分かりました……実は娘には内緒なんですけどね……私、軍に所属してまして……魔術師軍第五小隊の大佐を務めさせて貰ってるんですけど……娘にはこれ聞かれたくないんですよ……嫌われるのがイヤでイヤで……それでも給料が良いので辞める訳にもいかずこうして娘が寝た跡にも傷が付かない程度に必死で洗い流してるんですよ~……ハッ! まさか娘に友達が居ないのは私の血の臭いが移ったせいで……!?」
父は四つん這いになって血を吐き、そのまま力無く倒れると魂の様な何かを口から天に昇らせた。それを見て男は溜め息を吐くとしゃがみ、問い掛けた
「ハァ……最後の質問です。貴方のお名前は?」
「ジョンです」
「そうですか……では、一応私共が救けた……と言う事にはして貰えはしないでしょうか? 私共にも生活がありますので……」
「はい! その程度なら大丈夫ですよ!」
ジョンはそう言うとレンゼに向かって走って行った
「レンゼちゃ~ん!」
「パパ~!」
レンゼが満面の笑みで飛び付くと数回ほど回って抱き締めるとレンゼに頬摺りし、誰にも聞こえないような辺りをはばかる小声で言葉を交わした
「作戦成功だね。レンゼくん」
「あぁ……後はリズさん次第だけど……これは十中八九成功する」
小声で言い終わると直ぐ様、娘状態に戻った
「やっぱりパパがいちばんだ~いすき~!」
「むふふ~! 僕もだいしゅきでしゅよ~! レンゼちゃ~ん!」
そんな二人を遠目で見詰めて軍人達は苦笑していた
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