復讐の慰術師

紅蓮の焔

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14章 帰郷

222話 騒がしく探す

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「え~と? お父さんが残した遺産の中に化物に関する情報が?」
「私達が聞いた話によるとそうだけど」
リズの後ろにジョン達が立たされ、アリサは固唾を飲んだ
「そう言えばレンゼくんは?」
「あ~……部屋で寝てます……」
間が悪そうに目を逸らした
「とにかく、お父さんの遺品とか何か無いの?」
「遺品と言うか……お父さんの物……? う~ん……なんかエッチな物が一杯でレンゼに見せない様に何振り構わず捨てた記憶しか無い……」
リズは腕を組んで考えているアリサを見て苦笑した
「それじゃあお父さんが使っていた部屋見せてくれる?」
「あ~……今そこ私の部屋なんですよ。だからなんと言いますか……男の人はちょっと……」
「と、言う訳で男子禁制!」
リーザがニヤッと笑いながら顔の前で人差し指を交差させた
「では来て下さい」
アリサに案内されてリズとリーザ、そしてもう一人の女性がアリサの部屋に入って行った

「あれ? レンゼくんは良いの?」
「う~ん……少しエッチな所はあるけど意気地なしですし……女性に関しては。それに可愛いし抱き心地良いんですよ~!」
少しはしゃぎ気味に話しているとレンゼはそそくさと部屋を去ろうとした

ガシッ!

「さあレンゼも一緒に探そ? ね?」
「あ……はい……」
一連の流れを話され、アレスの遺品を探す羽目になった


十数分後
「ここには無さそうね~……」
「う~ん……お父さんの遺品……? 何処だろ……」
女性陣が考えている隙に逃げ出そうとするも髪を掴まれ、ことごとく失敗した
「あの~……お腹空いたんですけど……」
「後で作ってあげるから待ってて」
アリサは溜め息を吐いて再び腕を組んだ
「あ! そうそう! 料理!」
「「え?」」
リズとリーザが驚いた様な表情を浮かべているとアリサは手招きしてレンゼ以外を誘った
「レンゼは危なっかしいからここで待ってて」
と、冷たい目でそう言うとこの家の謎、本の沢山置いてある階段、通称『本の階段』へ女性陣を案内した
「うわぁ……凄い数の本……それに下は見えない……凄い光景ね……」
「お父さんがレンゼに渡した鍵があったんですけどそれはここの鍵だったんですよ。因みに今は部屋のレンゼの手が届かない場所に隠してあります」
人差し指を立ててそう伝えると階段の中へ案内した
「これって何処まで続いてるの?」
「え~と……私も一番下まで行った事無いんですよね……」
「あっ! 料理の本も置いてある!」
「それを参考に私・レンゼ好みで改良を加えた結果が今の私の料理です! あ。それと実はレンゼも料理物凄く上手いんですよ。他にも洗濯・掃除も上手すぎて……それも私が圧倒的に負けてる位……」
その時、リズとリーザは固唾を飲んだ
「「あの子……女子力高くない?」」
「それに私が勝ってる所って農作業で付けた体力と建設技術、後は身長と言葉遣い位……」
「「「やっぱり女子力高い!」」」
リーザは涙を流し、リズはそれを慰めていた
「うっうっ……男の子の癖してあんなに可愛くて家事も出来る……更にか弱いし声も女の子みたいだし……どれだけ女の子に似てるのよ!」
「あの子にも普通より劣っている部分があるわ……」
「本当? なんです?」
涙を止めてリズを伺う様にして見た
「身長よ」
「あの年なら普通位なんじゃないんですか?」
「実はあの子、十七歳なのよ」
「え?」
一瞬、その場が沈黙に包まれた
「何? それじゃあ十七歳の男子があんなに小さく、可愛く……と?」
何処か諦めた様にリズがコクっと頷くとリーザはギャーギャー喚き散らした
「所で貴女のお名前は?」
先程から黙り込んでいる女性にアリサが聞くと、女性は顔を物凄い近付けた
「サラ……」
と、物凄い小さな声で呟いた
「サラ……さんですか?」
サラがコクっと頷くとリーザがサラを指差した
「何かわい子振ってんのよ! このショートヘアーの出たトコ無しの貧乳女が!」
リーザがサラを指差して喚き散らしているとサラは表情を変えないまま目尻に涙を浮かべてそのまま涙を流した
「リーザさん……どれだけ嫉妬深いの……」
終いには火を吹きそうなリーザを宥めると一度上に戻った
「あっ、戻って来た」
「お~! レンゼくんの飯美味そ~!」
テーブルに並べられた料理たちを見てリズとアリサは苦笑してリーザを見た
一瞬物凄い形相でレンゼを睨んだがすぐに笑顔に戻ってその料理を見て感想を述べ始めた
因みに食事の際、話す為だけにアリサやレンゼの部屋に一つずつ用意された椅子を持って来て計六個に……
そのせいでレンゼはアリサの膝の上に座らされ、食事を開始した
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