復讐の慰術師

紅蓮の焔

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14章 帰郷

233話 後悔の涙

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「……レン……ゼ?」
「うあぁぁ……うぅ……!」
腕に刺さった包丁にただ只管ひたすら涙を流して顔を歪めた
「レンゼ!? 嘘……嘘……私のせいで……ごめんなさい……」
腕を押さえて顔を歪めているレンゼを見て頭を撫でると涙を浮かべた
「痛い……なぁ、アリサ」
「ごめんね! 痛いよね! 本当にごめんね!」
何をすれば良いのか分からない様で周りをキョロキョロ見回しながら過呼吸になっている
「今まで……我慢、してた、のか? 俺が、家を出て行った、時も……今までの髪を、梳かした、り、抱き枕に、したり、は……それで……?」
「やだぁ……死なないでよ……そんなつもりじゃ無かったのよぉ……!」
仰向けに倒れたレンゼの胸の上で泣きじゃくるアリサを見て、腕に刺さった包丁を見た
「は、ははは……大丈夫だって! 二年前を思い出せよ! すっごいボロボロでも死ななかっただろ?」
「でも……私のせいでこんな……」
漸く顔を上げて涙を拭き始めたアリサは鼻水も、涎も垂らして物凄く顔を歪めている
するとレンゼは大きく深呼吸をして、腕に刺さった包丁を握り締め、叫びながら引っこ抜いた
それをキッチンの奥に放り投げ、左腕でアリサの手を掴んだ
「ごめんな……そこまで追い詰めてるなんて知らなくて……自分の都合の良い時だけ『家族』のフリして……こんな俺でも……許してくれますか?」
「謝らないといけないのは私なのに……なんでレンゼが謝るの? レンゼはやりたい事があるのに……私の我が儘で……怪我までさせちゃって……二年前よりも弱くなってるのに……」
「……だから俺はだいじょ「大丈夫なんかじゃない! 怪我して怪我して、一人で抱え込んで……」」

ムニっ

「ッ……ほら、こんな時にまでふざけて話を逸らそうとして……」
そう言われ、胸から手を離した
「ごめん……これからはちゃんとアリサにも話すから……ね? だからもう泣き止んで? な?」
「もう……独りはやだよ?」
「うん。一人にはさせない」
そう微笑むと左腕でアリサを抱き寄せ、赤子の様に泣きじゃくるアリサの頭を撫でた


「そろそろ話は着いた頃だと思うんだけど……って、レンゼくんとアリサちゃんは?」
周りを歩いていた五人は、家の前で座り込んでいるロゼを見付け、近付いて行った
「ロゼちゃん、レンゼくんとアリサちゃんは?」
「この中に居る……」
小山座りをして顔を埋めているロゼの横にある入口のドアを開けようとすると鍵が閉まっている様で開かなかった
それと同時に赤子の様な大きな泣き声が聞こえてきた
「この声はアリサちゃん!? 今度はアリサちゃんに!?」
ルートが銃でドアノブを破壊して中に入ると紅い線がキッチンから広がっているのが見えた
「ッ! レンゼくん!?」
リズが走ってキッチンへ向かうとそこには泣きじゃくっているアリサの頭を撫でている腕から血を流したレンゼが倒れていた
「すみません……ちょっと包帯か止血帯など有りませんか? 有ればください。腕が半端なく痛いんで」
「えっ……と……どういう状況?」
「早くして下さい。話は後でします」
レンゼがそう言うとリズは戻ってジョン達に話し、その結果タオルで腕を縛り、止血する事になった
まだ泣いているアリサの頭を撫でながら先程までの経緯を話した
「レンゼくん! やっぱり泣かせてるじゃない!」
「ごめんなさい……」
「アリサちゃんだって頑張ってるの! 貴方の都合だけ押し付けちゃ駄目でしょ!? アリサちゃんだって人間なの! 心があるの! 良い!? 分かった!?」
「分かりました……」
そしてリズから拳骨を一発喰らうと今度はロゼの事で叱責され、今度は拳骨が二回、頭に降ってきた
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