料理人になるはずが何がどうしてこうなった?

安野穏

文字の大きさ
4 / 13
本編

視察という名のお掃除開始その2

しおりを挟む
 まったりとしたお茶会が終わり、エセルは王太子に頼まれて空間に入れておいた荷物を取り出した。エセルのが空間にたくさんのものを収納ができるのをいいことに王太子はいろいろなものをエセルに預けている。彼女は王太子付きの専属女官としていつも一緒に行動することが多いために、何かあればすぐに必要なものを出せるために、便利なスーツケース扱いである。この荷物は視察の前に預かったものだ。



「これに着替えろ」

 王太子は普通の庶民の服を取り出し、エセルに差し出す。だぼっとしたブラウスとくるぶしまでのスカートにエプロン付き。これって、庶民の奥様のスタイルだ。冥土の虎の穴時代に、決められた金額で庶民の暮らしを経験するという過酷任務があった。ああ、今、思い出しても恥ずかしい黒歴史。王太子と知らなかった頃の彼とペアを組んで冒険者ギルドで冒険者登録をして傲慢な冒険者を鼻をへし折りぶいぶいと言わせ、二人で無双したのだ。だってさ、決められた金額って少なすぎるし、美味しいものを食べたくてお金がもっと欲しかったから当時は簡単にお金を稼げる職業って冒険者しか思いつかなかったんだよね。魔物を狩りまくって、冒険者ギルドを恐慌に陥れたのはエセルだけの罪じゃない。目の前の彼が強すぎたのだ。

 あれ?そう言えば、冥土の虎の穴と羊の虎の穴(執事・従僕などの養成学校の別名、なぜ、羊なのかは突っ込まない)の合同授業が多すぎたのはなんでだろう?いや、いや、それよりもあの当時、彼もまた魔法学校に通っていたよね?もしかして、彼も二重生活を送っていた?今頃になって知った事実にエセルがが~~んとしているうちに、さっさと王太子は庶民の若者の典型スタイル(シャツにズボン)に着替えていた。

「遅い、お前は何をしている」

 上司(王太子)の叱責に一応しゅんとしてみせる。これ以上叱責されないための彼の直属影さんたちの中のお姉さんたちから伝授の必殺技。上目使いで少し涙目になり、反省してますって顔をする。これで王太子はイチコロだとかいうが、そうだろうか?

 うん?「なに、あなたは赤くなっているんですか」と突っ込んでいい?




 着替えをすますと、二人で近くの町に歩き出す。探索魔法を使いながら、ついでに有効な薬草や毒草はもちろん高額な料理の材料なども採取する。これは地道にやっておかないとストックがありませんでしたってなると拙い。料理魔法を駆使して、薬効のある薬や香料などをどんどん造り出す。それを王太子が経営しているという商会におろして、今は小金持ちになっているエセルにとっての採取は欠かせない作業だ。彼だけに儲けさせるのは腹が立つ。なので、彼の商会を利用して、小金を貯めこんでいる。

 将来がどうなるのかわからない現状では、お金があるって保険だよねと実に堅実な考え。必要経費はすべて王太子持ちの彼の専属女官もいつまで続けられるかわからないし、もう一つの顔も今は婚約者であって王太子妃ではない。それにこんなにゴミ(腐敗貴族)が多い国の未来って怖くないか?賄賂や使い込みが多すぎて国庫は大丈夫かよと心配になる。そのうち国がつぶれるんじゃないのかと戦々恐々となる。まあ、王太子の個人資産は彼の経営する商会が儲かりすぎて、かなりの金額らしいので、国がつぶれかけても上司(王太子)がしっかりしているならと少しは期待している。それに商会の方も他国にも商会の支店があるので、倒産の危機はないらしい。彼はいざとなったら(国がつぶれる)商人にでも転身するのかもしれない。実に安定企業だ。羨ましい。それに便乗しているエセルもエセルだが。

 彼は魔法学校で魔道具科に通っていたらしく、庶民にも簡単に手を出せる金額で便利な魔道具を作り薄利多売の利益を上げている。前世で言う百均の店?それに並行してエセルの造ったただ同然(採取してくる薬草や毒草などで作るので実質人件費のみ)の薬を高位冒険者や国の騎士団などに高額で売りつけている。その売り上げの半分をエセルが貰ってはいるのだが。そこはちょっと悪徳商法っぽい?まあ、儲かっているからよいかとすぐに深く考えないようにする。目の前の男と仕事している今は深く考えたら負けだ。

 貴重な材料を求めて寄り道ばかりしていたら、王太子から「いい加減にしろ」とお叱りが来た。

 こんな貴重な材料の宝庫で宝の持ち腐れしているよりも有効的に使った方がいいじゃないかと突っ込むと、盛大に溜息を吐かれた。

「お前は危機感がなさすぎる」

 王太子に言われたかないわい。何のためにこっちが探索魔法を常時作動させ、常に結界魔法を張っていると思っているのだと憤慨する。そもそも、今回の任務の詳しい説明がない。説明プリーズと言ったらスルーされた。なら、好き勝手したっていいじゃないかと一人で自己完結する。

「あまり、遅くなると夜の森は危険だ」

 かつて、冒険者としてぶいぶい言わせていた頃、何度も野宿したのに今さらと呆れた。仕方ないので、空間から冒険者時代に彼から預かっていた武器と防具を出した。もちろんエセル用も出し、防具(皮の胸当て)を身に着ける。ちなみにエセルの武器はナイフ。そろそろ、夕食の材料を狩りたい。今夜は久しぶりの野宿だ。ワクワクする。肉が欲しい。肉が食べたい。

 

 う~~ん、なんでこうなったんだろうとエセルは頭を抱えた。

 王太子と背中合わせで、周りをたくさんの怪しい男たちに囲まれて、ただ今、危機に陥り中。

 森の中で迷子になったわけではない。野宿をする予定で、喜々としてお肉を狩りまくっていたら、いつの間にか、森の奥に入り込み、そこに怪しい家があった。王太子と二人で顔を見合わせて、その家にいろいろと探り(探索魔法など)を入れてみたら、子供たちが何人も捕らわれていた。

 見逃しておけないと二人でその怪しい家に突撃して今に至る。

「お前といるといつもこうだ」

 と王太子はぼやくが、その言葉をそっくり返してやる。王太子といると何故か、トラブルに巻き込まれる。不思議だ。というより、この怪しい家を見逃せなくて突撃したのは二人ともなのだが。そこはとりあえず、脇に置いておくことにする。突っ込むなよ。

 王太子はこんな奴なのだ。王太子のくせに彼はなぜなのか、他人の不幸を見逃せない。たとえ敵が何人いようとも、人質を助けるためなら、こんな怪しい家にも平気で突っ込み、エセルも含め影さんたちを何度泣かせてきたことか。「王太子なら、まず一番に自分の身の安全を図れよ」と何度も忠告したが彼が聞き入れたことはない。ふと、遠い目をして現実逃避を図るエセル。それでも、なんのかんのとみんな(彼直属の影さんたち)が彼を見捨てないのは、昔、こうやって彼から助けられたという過去があるからだと思う。

 こうなったら腹を括るしかない、結界魔法を強化して、裁縫魔法を駆使する。

 忍法影縫いって忍術があったけれど、あれ実は生活魔法の一つである裁縫魔法の応用なのだ。つまり、床と敵の影を見えない針と糸で縫いとめる。でもさ、影を縫いとめたって、影が消えたら無駄だよね。なので、エセルは本人を床に結いとめてしまう。あら不思議、縫いとめられた本人はその場から動けなくなる。ついでに足だけだと手が動くから身体全体を動けないようにとその場の空気にも縫い付ける。それがエセルの影縫いの真実。

 空気が実は酸素と窒素などという原子からなる存在を知らなければ、これって無理だよねと前世で化学で原子について教わったことが無駄にならなかったなあと思いながらも、周りを囲むたくさんの敵を一人ずつちまちまと裁縫魔法を使い、床に空気を作る酸素や窒素という原子たちに縫い付けていき、あと喚かれると煩いからついでに口も縫っておく。魔法はイメージだからね。見えない原子でもイメージで縫い付ければOK。やはりチートだ。相手からすれば、身体を一歩も動かすことができずに、口まで閉じられ、話すこともできない。恐慌状態に陥るのだが、周りはそれに気づかない。なんてお得な魔法なんだと自画自賛。できれば、時間短縮か広範囲を組み合わせて、なるべく早く縫い上げることが今後の課題。

 背中合わせの王太子からどんどん緊張感が消えていく。エセルが裁縫している間にそれ以外の襲ってくる敵を彼が難なく床に沈めていくので、エセルはずっと裁縫魔法に係りきり、全員を縫い付け終わると良い仕事をしたとばかりに、出てもいない額の汗をぬぐう仕草をする。ああ、懐かしい。こうやって冒険者として二人で無双してきた時代を懐かしむ。と、いきなり頭を叩かれた。

「おい、何をぼうっとしている」

 はい、はい、最近の王太子は部下(エセル)の扱いが微妙にひどい。これはブラック企業になりつつある悪い傾向ではと舌打ちしたくなる。

 透明糸電話で王太子直属の影さんたちのボスにつなぎを付け、縫いとめた敵の後始末を頼む。子供たちは王太子が助け出し、さわやかな笑顔で好感度を得る。ずるい。いつもいいとこどりだ。悔しい。

 そこでエセルも王太子に対抗すべく、狩った肉を空間から取り出し、急遽、外に出てバーベキュー大会を始める。もちろん、危なかないようにと怪しい家の周りに不審者や魔物が入り込めないように結界を張る。もちろん、王太子の影さんたちは出入り自由にしておく。結界魔法できっちり閉じてしまうと空気が薄くなり二酸化炭素中毒になると怖いのでこっそりと換気扇をイメージして空気の出し入れができるように条件を付ける。ついでに出す空気の方もバーベキューの匂いの消臭機能もつけておけば完璧。匂いにつられて変なものが来ないとは限らないものね。

「お腹すいたでしょう。一杯食べてね」

 ふふふ、子供たちの目が輝いてお肉にかぶりつく。捕まっていた間はろくなものを食べられなかったらしく、食欲が旺盛だ。やはり、人間は胃袋から掴むに限るとエセルはにっこりと笑顔を振りまき、気が付くと何故かその中に王太子とその影さんたちが混じっている。みんなおいしそうに和みながらお肉を食べている。まあ、お肉はたっぷりと王太子と二人で森の中を狩りまくったから人数が増えても問題はない。問題はないのだが、やるせない思いがするのはなぜ?癪に障るから、お肉にかぶりつく。ああ、やっぱり、お肉はおいひい、幸せ。



 バーベキュー大会が終わると影さんたちは、この場に残り、取り押さえた人間たちの素性とこの怪しい家についていろいろと調べ始めた。王太子とエセルは子供たちからも事情を聴き、親のいる子供たちは親元に戻し、親のいない子供たちは王都の王妃様直営の孤児院へと送り届けさせる手配をするつもりだった。

 子供たちは捕まっていた場所から解放されてなおかつお腹も満たしたので、すっかり口が軽くなっていた。彼らが言うには、親がいる子たちは領主が税金の代わりにと無理やり親元から連れ出されたらしい。親がいない子は、それを嫌がった親が子供の目の前で親を殺してまで連れてきた子らしい。なんて酷い。ここの領主は鬼か?子供たちは奴隷として裏社会の奴隷市場に売られることになっていたという。

 王太子と二人顔を見合わせる。奴隷制度はこの国には基本的に存在しないことになっている。非合法の裏社会があることは知っているが、領主が税金の代わりに子供を奴隷に売るなど言語道断だ。いやそれよりも、親から無理やり子供を引き離して、言うことを聞かなければ、親を殺してまで連れてくるってどうなの?そんな非人道的なことがまかり通る世の中では、いずれこの国は亡くなる。それが一番怖い。

 ゴミ(腐敗貴族)どもよ、ノブレス・オブリージュという言葉を知らんのかと言いたい。まあ、貴族の矜持というものを持っているならゴミ(腐敗貴族)にならないか。

 王太子は難しい顔をして黙り込んでいる。どうもこれは彼が知らなかった事実らしい。国内や国外にたくさんの影を放って、いろいろと情報を探っている彼にしては珍しい手落ちだ。今まで、どれだけの子供たちが奴隷として売られていったのかわからないし、領民まで殺すとあってはこのままにしてはおけないだろう。

 エセルは頭の中に地図を思い浮かべる。この辺りはグランデ伯爵領だ。つまり、彼が黒幕ということなのだろうか?王宮で見た伯爵は穏やかな微笑みを顔に張り付けていた。あの顔の裏側でこんな悪逆非道を行っていたのかと思うと憤りを隠せない。

「おい。まだ、彼の仕業とは決まってないぞ」

 ん?いつから、王太子は人の心を読めるようになった?

「馬鹿者、お前の顔に書いてあるわ」

 ええと盛大にエセルは驚いてみせる。そんなに自分の表情は豊かだったのかと?掃除(潰すともいう)してきた貴族のご令嬢たちからは「愛想なし」とか「鉄面皮」とか言われてきたが、それは彼女たちの間違いで、実はエセルは表情筋が軽やかに動くタイプだったのかと悩む。それは女官としては致命的な欠点ではないかと。

 いやいや、それ以上に公爵令嬢としては不味い。今までは、身体の弱い公爵令嬢で社交界に出ることはなかったが、いずれは王太子の婚約者として夜会や茶会などの社交の場に出なければならなくなる。貴族同志の足の引っ張り合いという荒波の中を泳ぎ渡るには笑顔を張り付け、どんなことが起きても涼しい顔で過ごすことが求められる。表情筋が豊かすぎたらすぐに足元を掬われる。これは実に困った事態だ。

「一応言っておくが、俺だけしか、お前が何を考えているかわからんと思うぞ」

 脱力したように言う王太子。なぜ、ここまで彼はエセルの心が読めるのか?解せぬ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...