THIEF -シーフ-

SIVA

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決着の時

10-2

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レニーの鼓動は外に聞こえそうなほど高鳴っていた。


 「どうして…どうしてあの人が…でも、あの時のあの人の行動の謎が解けるけど…」


 資料を勢いよく閉じると同時に、携帯のバイブの音がレニーの骨に響いた。



 「非通知…あいつからかね…」



 着信の相手が誰だか見当はついた。



 「もしもし」



 『見てくれた?俺たちが汗水たらして集めた資料』



 耳に響くこの声がいらだちを誘う。


 「で?」


 『でっていうのは、こっちのセリフなんだけど』



 「そ、そうね…」


 『やけに素直だな。その資料に衝撃を受けたか』


ケラケラと笑いながら男は話をつづけた。



『それをどう使うかは、あんた次第。だけど、俺が思うにあの人はとても危険だ。なんせ俺を犯人に仕立て上げた人物だからな?』


 「あんたがあの人を捕まえるっていうこと?そしたら、私は…」



 『俺が捕まえることは簡単だ。だが、今回はあんたに譲るよ。これは警察内部の事情だしな。俺も深くかかわっていることは確かだが、俺も大人だ。そんなに駄々をこねたりはしない』



 「思いっきり駄々をこねているように思えるけど?」



レニーの言葉に黙ってしまった男。


 「図星ね。はぁ…まったく。私がどう判断するかはわかっているんでしょう。だったら遠まわしに言わないで」



 「だったら話が早い」


レニーは驚き振り返った。


 「い、いつの間に?」


 男は携帯を耳から話手を軽く上げた。

 「よぉ」

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