Seedsss「異世界転生したので、出会った仲間と共に旅をしながらスキルを使って生きて行く!!」

あらら

文字の大きさ
9 / 10

第九話【モーア鳥と新しいスキル】

しおりを挟む
 木の上、七メートルから落下したが、俺は身体強化のおかげで何とか負傷せずに
着地する事が出来た。
俺の周囲はただでさえ薄暗い森なのに一層暗くなっていた。
モーア鳥が俺を取り囲んでいたからだ。
そう思っていた次の瞬間、何かに思いっきり蹴り上げられ俺は空中へと吹き飛んでいた。

「ガハッ?!」

胸の辺りを蹴り上げられた衝撃で、胸が圧迫され口から血を吐き出した。

「ナギ!!」

上空からクルツの声がかすかに聞こえた気がした。
地面に落下した俺は意識が切れそうになったが、次の瞬間、
倒れている俺の横にモーア鳥の首がボトンと落ちて来た。

「ナギ、大丈夫か?!」

クルツの声が薄っすらと聞こえた。
俺はクルツに抱えられたところまでは記憶にあるが、そのあとの事は意識が混濁こんだくしていて
全く覚えていなかった。




◇◇◇◇




次に俺が意識を取り戻したのは、ベッドの上だった。
俺が泊まっている宿屋の様だ。
ベッドのかたわらの椅子にはクルツがうなだれて寝ていた。

「俺、生きてる」

今回はあの時の様に死ぬ事はなかった見たいだ。

「痛っ?!」

モーア鳥に蹴られた辺りには包帯が巻かれていて少しでも動くとズキリと痛みが走る。
俺は痛みに気を付けてゆっくりと体を起こした。
ベッドの横にある机には装備していた胸当てが置かれていたが、
べコリと潰れていた。
耐性がなかったら死んでいたかもしれない。

「ナギ!やっと目が覚めたんだね、良かった、、、」

クルツが目を覚まして俺にそう言った。

「クルツが俺を助けてくれたんだよな?!」

俺がクルツにそう言うと、クルツは少し下を向いてうなずいた。

「モーア鳥は、オスを中心にハーレムを構成しているんだ。」
「だから普通はオスの周りにいつもメスがいて、単独のモーア鳥はメスと言うのが常識の筈だった。」

クルツはつづけて話しをしてくれた。
俺が蹴り上げられたあと、モーア鳥一体を討伐して身体強化と加速と言うスキルを
使ってあの状況から脱出する事が出来たと言う事だった。

「今回の討伐は僕が油断していて招いた結果だ、、、」
「ナギを危険な状態にしてしまったのは僕に責任があったんだ。本当に申し訳ない。」

いつもの軽い雰囲気は全く無く、そこに居たのは真面目で責任感のある
頼れる男だと俺は思った。

「大丈夫だクルツ、こうやって無事に帰ってこれたのもお前のお陰だから!」

クルツの俺に対する姿勢にパーティーを組めて良かったと思えた。

「体が回復したらまたモーア鳥の討伐に行こうゼ!」

クルツとまた討伐に向かいたいと心から思えた瞬間だった。


◇◇◇◇◇


俺はそれから七日間回復に専念した。
最初の三日間はクルツが付きっきりで面倒を見てくれていた。
四日目からは、かなり体が回復してある程度動ける様になっていた。
食事も湯屋も自分で行ける様になり、七日目にはほぼ全回復していたと思う。
その間に判明した事だが、モーア鳥に打撃を受けた際に新しいスキルを習得していた様だった。
【危険察知】と言うスキルらしい。
ベッドに横になっている時に、スキルの事を考えていたらいつもの声が
現在習得しているスキル一覧とアナウンスしてくれていたのだ。
まだ実際に発動させてはいないが、戦闘で役立つスキルだと思う。
そして八日目の朝、俺はクルツにこう切り出した。

「もう一度モーア鳥の討伐依頼を受けよう。」

俺の提案にクルツは少し驚いた様子だったが、直ぐに真顔になり、

「うん、待ってたよナギ」

こう言い、笑顔になっていた。

「今度は前回と同じ失敗はさせないよ!」

クルツの顔には自信がみなぎっていた。
俺も同じてつを踏まない様に今回はきちんと作戦を練る事にした。

◇◇

モーア鳥は地上では相当厄介な奴だが、上空、特に顔周りが弱点らしい。
とにかく木の上から奇襲きしゅうをかけるのが、常套手段じょうとうしゅだんとの事だ。
一人は上空から各個討伐する、一人は木の上から周囲の監視をして状況把握する、
と言う作戦で決まった。

「ナギ、役割分担だけど僕が、切り込む役をやるよ。」
「ナギは木の上から周囲を探索して欲しい。」

クルツは俺に気を使ってそう言ってくれたけど、俺は必ずリベンジする
事を心に決めていた。
町の道具屋にも寄り、薬草、血止めをそれぞれ五個ずつ購入した。
俺の破損した胸当てもクルツが防具屋に出してくれていたので
完全に元通りに直っている。
明日朝一番で依頼を受けてリベンジに向かおうとクルツと約束して今日は解散する事にした。

◇◇

宿に戻り部屋でくつろいでいるとアリスナがやって来た。

「ナギ、もう大丈夫見たいだね。」

いつも元気なアリスナの笑顔に俺は少し癒されて緊張がほぐれていたかもしれない。

「クルツがナギをギルドまで運んで治癒のスクロールを使ったから何とか
無事だったって町の噂になってたもんね。」

「治癒のスクロール?」

「そう、治癒スクロール、とても貴重で高いって聞いたよ。」

俺はここまで自然に回復したと思っていたが、スクロールのお陰だとは
つゆにも思っていなかった。

「クルツには大きな借りが出来たな。」
「明日はめいいっぱいあいつに借りを返そう。」

俺は、改めてそう思った。

◇◇

翌朝、鐘二つと共に俺はギルドに向かった。
ギルドの入口ではクルツがあの時の様に俺を待っていた。

「おはよう、クルツ!」

「ナギ、おはよう!調子はどうだい?」

「バッチリだ!何も問題無いぞ!」

俺そう言いクルツと共にギルドへと入って行った。
受付で前回同様にドードー鳥の依頼を受けて俺達は森へとリベンジに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。 絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。 辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。 一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」 これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!

処理中です...