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こんなの聞いてねぇよ!!!
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(よし…ここでBコマンド!)
「━━━━━っしゃぁああああああ!!!」僕は深夜零時にも関わらず叫んだ。
「これで最速全クリ新記録更新だ!よしじゃあ次のステー…」ドカっ!「るっせーぞ宇宙!何時だと思ってんだボケ!」
姉が僕を蹴り飛ばし、大声で言い放った。
「何すんだよねーちゃん…これからいいとこなのに!」
「何がいいとこだよ!さっさと寝ろ!」そう言って僕の姉 玲香(れいか)は自分の部屋に戻って行った。女の子だけど気性が荒くて喧嘩っ早い。そんな姉と僕で二人暮らしをしている。
さて、テンプレな人物紹介はここまでにして、僕も寝るとしよう。明日はソシャゲの大会があるんだ。
そして僕は眠りについた。
……(お願い…誰か、この世界を…助けて…!)
翌朝
昨日は変な夢を見たな…。女の子の声で助けて、なんて聞こえる夢だ。妙に生々しい夢だったな。まあいいか…
そう思った時、ふと枕元を見ると、昨日までは無かった物が転がっていた。どうやらブレスレットのようだ。「なんだこれ?変な模様だな…」僕は何故かこのブレスレットが気になったので、つくえの上に置いて支度をし、家を出た。
「おい文月!先生の話聞いてたかー?」
そりゃあ勿論!1ミリも聞いてる訳がない!
「この問題わかるか?ハイ、2xy+5yは?」
あーもうめんどくさいなぁ。
「2回x、yボタン同時押しでyのコマンド5回入れてエクストラ効果発動です。」これしか思いつかないね。
こんな事言っときゃもうおしまい。あっという間に教室を出して貰える。という訳で早退させて貰うことにした。やはり気になるのだ。あのブレスレットのことが…。
家について自分の部屋に入った。
その途端、体に物凄い違和感を感じたのだ。急激に体が重くなり、眠気が襲ってくる。僕は抗うことも出来ず、深い眠りに落ちていった。
……?なんだここは?来たことが無いはずなのに見覚えのある街並み…人…獣人……
獣人!?一気に飛び起きた。そうだ、ここは…
「僕の育成ゲームの世界だ!
なんて豪華な夢だ。夢にしては現実感がありすぎる気がするが…まあいい、楽しも……ん?」僕はおかしなことに気づいた。街に活気が無さすぎる。それにみんな服がボロボロだ。何より街全体のエフェクトが崩れているのだ。ちょうど映りの悪いテレビのように。
街をしばらく見てると、
(……ヒック、ふぇぇぇん…)
泣き声が聞こえた。とりあえず声のする方へ行くことにした。
━━━━━そこには猫獣人の女の子がいた。服はやはりボロボロだが、高そうな感じのを着ている。「どうしたの?」そう聞くと女の子はそうっと顔を上げて僕の方を見てこう答えた。
「お願い…どうかこの世界を助けて…!」それだけ言うとまた泣き出してしまった。紛れも無く、昨日の夢で聞いた女の子の声だった…。
女の子をなだめながら話を聞いた。途切れ途切れだがなんとか状況を話してくれた。
「私はこの世界の王女マリン。この世界は、前はもっと賑やかだったの…三日前、急に赤い服を来た人達がね、すごく強い魔法を使ってこんな風にしちゃったの!そのせいでたくさんの人が亡くなったわ。生き残った私達は、被害が1番少なかったこの始まりの街「ソレイユ」に逃げて来たの…」
これで被害が1番少ないだって?じゃあ他は…!夢とはいえ、やはり自分の持ってるゲームの世界の事なので怒りが湧いてきた。
「そうか…それで、助けるって言っても何をすればいいんだ?」
マリンは、「私と一緒に奴らのアジトを探して欲しいの!元々この世界はそっちで言う育成ゲームの世界だから、奴らが通った場所、近くにいる場所は大抵エフェクトの歪みがあるわ!奴らの兵もいるからそいつらも倒すの!」そう言って僕の手を握りしめた。「あとね、さっきからあなた夢だ夢だって言ってるけど、ここは夢じゃないわ。いわゆる異世界なのよ。」
人の心が読めるのか!?この世界が育成ゲームであるため尚更驚いた。余談だが、ゲームをやってる時に出てくる王族は通常国王だけなのだ。
「わ、わかった…。じゃあそいつらの兵士と歪みってのを探してけばいいんだな?ここってどれくらい広いんだ?」すると次の瞬間、マリンは申し訳なさそうにとんでもないことを言い出した。
「このゲームだけだと思ってるの?ごめんなさい。あなたの持ってるゲーム…全ての世界を救って欲しいのよ…」
…………こんなの聞いてねぇよぉおおおおおおおお!!!!
こうして僕は、マリンと一緒に壮大なRPGをすることになったのだ。
「━━━━━っしゃぁああああああ!!!」僕は深夜零時にも関わらず叫んだ。
「これで最速全クリ新記録更新だ!よしじゃあ次のステー…」ドカっ!「るっせーぞ宇宙!何時だと思ってんだボケ!」
姉が僕を蹴り飛ばし、大声で言い放った。
「何すんだよねーちゃん…これからいいとこなのに!」
「何がいいとこだよ!さっさと寝ろ!」そう言って僕の姉 玲香(れいか)は自分の部屋に戻って行った。女の子だけど気性が荒くて喧嘩っ早い。そんな姉と僕で二人暮らしをしている。
さて、テンプレな人物紹介はここまでにして、僕も寝るとしよう。明日はソシャゲの大会があるんだ。
そして僕は眠りについた。
……(お願い…誰か、この世界を…助けて…!)
翌朝
昨日は変な夢を見たな…。女の子の声で助けて、なんて聞こえる夢だ。妙に生々しい夢だったな。まあいいか…
そう思った時、ふと枕元を見ると、昨日までは無かった物が転がっていた。どうやらブレスレットのようだ。「なんだこれ?変な模様だな…」僕は何故かこのブレスレットが気になったので、つくえの上に置いて支度をし、家を出た。
「おい文月!先生の話聞いてたかー?」
そりゃあ勿論!1ミリも聞いてる訳がない!
「この問題わかるか?ハイ、2xy+5yは?」
あーもうめんどくさいなぁ。
「2回x、yボタン同時押しでyのコマンド5回入れてエクストラ効果発動です。」これしか思いつかないね。
こんな事言っときゃもうおしまい。あっという間に教室を出して貰える。という訳で早退させて貰うことにした。やはり気になるのだ。あのブレスレットのことが…。
家について自分の部屋に入った。
その途端、体に物凄い違和感を感じたのだ。急激に体が重くなり、眠気が襲ってくる。僕は抗うことも出来ず、深い眠りに落ちていった。
……?なんだここは?来たことが無いはずなのに見覚えのある街並み…人…獣人……
獣人!?一気に飛び起きた。そうだ、ここは…
「僕の育成ゲームの世界だ!
なんて豪華な夢だ。夢にしては現実感がありすぎる気がするが…まあいい、楽しも……ん?」僕はおかしなことに気づいた。街に活気が無さすぎる。それにみんな服がボロボロだ。何より街全体のエフェクトが崩れているのだ。ちょうど映りの悪いテレビのように。
街をしばらく見てると、
(……ヒック、ふぇぇぇん…)
泣き声が聞こえた。とりあえず声のする方へ行くことにした。
━━━━━そこには猫獣人の女の子がいた。服はやはりボロボロだが、高そうな感じのを着ている。「どうしたの?」そう聞くと女の子はそうっと顔を上げて僕の方を見てこう答えた。
「お願い…どうかこの世界を助けて…!」それだけ言うとまた泣き出してしまった。紛れも無く、昨日の夢で聞いた女の子の声だった…。
女の子をなだめながら話を聞いた。途切れ途切れだがなんとか状況を話してくれた。
「私はこの世界の王女マリン。この世界は、前はもっと賑やかだったの…三日前、急に赤い服を来た人達がね、すごく強い魔法を使ってこんな風にしちゃったの!そのせいでたくさんの人が亡くなったわ。生き残った私達は、被害が1番少なかったこの始まりの街「ソレイユ」に逃げて来たの…」
これで被害が1番少ないだって?じゃあ他は…!夢とはいえ、やはり自分の持ってるゲームの世界の事なので怒りが湧いてきた。
「そうか…それで、助けるって言っても何をすればいいんだ?」
マリンは、「私と一緒に奴らのアジトを探して欲しいの!元々この世界はそっちで言う育成ゲームの世界だから、奴らが通った場所、近くにいる場所は大抵エフェクトの歪みがあるわ!奴らの兵もいるからそいつらも倒すの!」そう言って僕の手を握りしめた。「あとね、さっきからあなた夢だ夢だって言ってるけど、ここは夢じゃないわ。いわゆる異世界なのよ。」
人の心が読めるのか!?この世界が育成ゲームであるため尚更驚いた。余談だが、ゲームをやってる時に出てくる王族は通常国王だけなのだ。
「わ、わかった…。じゃあそいつらの兵士と歪みってのを探してけばいいんだな?ここってどれくらい広いんだ?」すると次の瞬間、マリンは申し訳なさそうにとんでもないことを言い出した。
「このゲームだけだと思ってるの?ごめんなさい。あなたの持ってるゲーム…全ての世界を救って欲しいのよ…」
…………こんなの聞いてねぇよぉおおおおおおおお!!!!
こうして僕は、マリンと一緒に壮大なRPGをすることになったのだ。
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