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Past#2 対峙-confront-
Past#2 対峙-confront- 11
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「……どういう意味ですか……」
「無関係じゃない、なぁ?」
「どういうっ」
「その上責任取るっつったな、ついでに覚悟もあると」
「だから、」
「答えろ」
有無も言わさない口調だった。
「答えろ。アンタはそう確かに言ったな?」
「……ッ言いましたが」
ふぅん、と彼は鼻をならす。それはどこか苦笑に近い。
「アンタはさ、俺の何を知ってる?」
何をと問われ、浮かぶのはただ一つ。
「……ヤクザでしょう」
「そう。で、人惨殺してサツに尻尾捕まれた殺人犯、だとしたら?」
事もなげに肯定され、そしてさらりと何でもないようにカミングアウトされた事柄に、一瞬何を言われたか分からなかった。
「しくったのがバレて繋がりが露見する前に組にバラされるはずだった。そこにアンタは通りかかった。当然そのことも知ってるな?」
「嘘、」
「知ってっか。裁判じゃ口上によるお約束も証拠として有効になる。アンタは今、責任とるっつたな、覚悟もあると。それって俺の抱える全てを知った上で言ったんだよな? まさか知らねぇで無責任に言葉だけ振りかざしてるわけじゃねぇだろ」
「それは、」
「つーことは、だ。アンタは意図的に俺を匿った罪でムショに入る覚悟もあると俺は理解していいな?」
「……それは」
「俺がした全ての罪も背負えるんだな? 責任、被って検挙される覚悟もあるのか。俺を匿ったことで今度は組のやつらに殺される可能性もある。にしても文句は言えねぇ、甘んじるんだな?」
「……」
「なぁ」
アンタの覚悟って何?
「アンタは何の責任を俺に対して負ってくれる。言葉にして説明してくれよ」
「無関係じゃない、なぁ?」
「どういうっ」
「その上責任取るっつったな、ついでに覚悟もあると」
「だから、」
「答えろ」
有無も言わさない口調だった。
「答えろ。アンタはそう確かに言ったな?」
「……ッ言いましたが」
ふぅん、と彼は鼻をならす。それはどこか苦笑に近い。
「アンタはさ、俺の何を知ってる?」
何をと問われ、浮かぶのはただ一つ。
「……ヤクザでしょう」
「そう。で、人惨殺してサツに尻尾捕まれた殺人犯、だとしたら?」
事もなげに肯定され、そしてさらりと何でもないようにカミングアウトされた事柄に、一瞬何を言われたか分からなかった。
「しくったのがバレて繋がりが露見する前に組にバラされるはずだった。そこにアンタは通りかかった。当然そのことも知ってるな?」
「嘘、」
「知ってっか。裁判じゃ口上によるお約束も証拠として有効になる。アンタは今、責任とるっつたな、覚悟もあると。それって俺の抱える全てを知った上で言ったんだよな? まさか知らねぇで無責任に言葉だけ振りかざしてるわけじゃねぇだろ」
「それは、」
「つーことは、だ。アンタは意図的に俺を匿った罪でムショに入る覚悟もあると俺は理解していいな?」
「……それは」
「俺がした全ての罪も背負えるんだな? 責任、被って検挙される覚悟もあるのか。俺を匿ったことで今度は組のやつらに殺される可能性もある。にしても文句は言えねぇ、甘んじるんだな?」
「……」
「なぁ」
アンタの覚悟って何?
「アンタは何の責任を俺に対して負ってくれる。言葉にして説明してくれよ」
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