14 / 40
春の物語
隠れないで。見つけに行くから。
しおりを挟む
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。」
一緒に隠れていた男の子が小さな声で話しかけてきた。
私はなるべく体を小さくしてから「どうしたの?」と尋ねる。
「お姉ちゃんはどうしてあのお兄ちゃんと一緒に来たの?」
急に聞かれて私は思わず何も言えなかった。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、違う匂いするもん。」
私は、驚いて叫びそうになった。
「お兄ちゃんからはねじめじめした匂いだったよ」
男の子は少し考えてるようで私の顔を見た。
「お姉ちゃんからは不思議な匂いがする。」
私は首を傾げた。
不思議な匂いとはなんだろう?
「優しくて暖かくて、緑の匂いがするの。」
私は男の子の言葉に耳を傾ける。
「でも、あのお兄ちゃんはすごく嫌な臭い。」
男の子はすごく険しい顔をする。
「嫌な臭い?」
私が聞き返すと男の子は頷く。
「なんか、嫌だ。」
私は男の子の顔をじーっと見た。
「な。何、お姉ちゃん。」
私は男の子から空に視線を動かす。
「ジョナさんのにおいはどうしても今は消えないよ。」
男の子は不思議そうに首を傾げる。
「ジョナさんはね、私が初めて会ったときからあのにおいだったよ。」
私は空を見続けながら言った。
「どんなに頑張っても苦しみは見えるのにね。」
ジョナさんは何かに苦しんでる。ミカという女の子が関係する。
彼は、初めて会ったあの時から、私を傷つけようとしたんじゃない。
ただお金になりそうなものだけ取ろうとしたんだ。
今ならはっきり分かる。
きっと鬼ごっこしている時にジョナさんは私の前か消えるつもりだ。
私は男の子を見た。
「ねぇ。あのお兄ちゃんのにおいまだ覚えてる?」
男の子は小さく頷いた。
私は男の子の手を引っ張りながら他の子供たちを探した。
「お姉ちゃんが鬼なの~?」
「あのお兄ちゃんは~?」
子供たちは私の服を引っ張りながら言った。
私は、不思議そうに見る子供たちに笑いかけた。
「ねぇ、今新しい鬼ごっこ思いついちゃった☆」
「ここならにおいがはっきりしてるよ!」
男の子は大きな大樹を指さした。
私は男の子の嗅覚に驚きを隠せない。
「・・・皆、一体今までどんな教育を受けてきたの?」
子供たちはそれぞれジョナさんを探すのに貢献してくれた。
風向きで人がいるか、動物かを当てたり。
静かに耳を使って近くに何かいたりを考えてたり。
本当に子どもなのかと考えてしまうが、今は考えないようにする。
「この鬼ごっこ楽しい~!」
「お姉ちゃん!他に何したらいい?」
私は思わず笑ってしまう。
「お姉ちゃん・・・ここからお兄ちゃんのにおいが消えてるよ。」
男の子が困惑した顔で言った。
私はその言葉を聞いて思わず「なるほど、ね。」と呟いていた。
小さな子たちは首を傾げていた。
「ここからお姉ちゃんのお仕事だから皆は休んでいていいよ。」
私はそういうと一本の木の前に行く。
大きく深呼吸を繰り返してから私は縦に口を開いた。
♪「歌に願いを込めて歌えば」
目を閉じて歌に集中する。
♪「広場に町に公園に」
私の歌声は森の中に響いてる。
♪「楽しい歌が小鳥のようにみんなの夢を歌い出す」
風が木の葉を揺らす。
♪「ウンパッパウンパッパ」
♪「誰でも」
私はジョナさんと話をしたい。
♪「ウンパッパウンパッパ」
♪「知っている」
あなたが苦しんでることは私は知っているよ。
♪「君と僕は友達さ」
私が一人にならないようにあなたは動いてくれたよね?
この小さい子供たちは私に微笑みかけてくれてるよ。
♪「だからウンパッパ」
だからこそ話してほしんだ。
私はあなたの味方だから。
一人で苦しまないで。悩まないで。
たった数時間だけでも私は友達だと思っているから。
隠れないで。
たとえどんなに難しく隠れても私たちが見つけに行くから。
一緒に隠れていた男の子が小さな声で話しかけてきた。
私はなるべく体を小さくしてから「どうしたの?」と尋ねる。
「お姉ちゃんはどうしてあのお兄ちゃんと一緒に来たの?」
急に聞かれて私は思わず何も言えなかった。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、違う匂いするもん。」
私は、驚いて叫びそうになった。
「お兄ちゃんからはねじめじめした匂いだったよ」
男の子は少し考えてるようで私の顔を見た。
「お姉ちゃんからは不思議な匂いがする。」
私は首を傾げた。
不思議な匂いとはなんだろう?
「優しくて暖かくて、緑の匂いがするの。」
私は男の子の言葉に耳を傾ける。
「でも、あのお兄ちゃんはすごく嫌な臭い。」
男の子はすごく険しい顔をする。
「嫌な臭い?」
私が聞き返すと男の子は頷く。
「なんか、嫌だ。」
私は男の子の顔をじーっと見た。
「な。何、お姉ちゃん。」
私は男の子から空に視線を動かす。
「ジョナさんのにおいはどうしても今は消えないよ。」
男の子は不思議そうに首を傾げる。
「ジョナさんはね、私が初めて会ったときからあのにおいだったよ。」
私は空を見続けながら言った。
「どんなに頑張っても苦しみは見えるのにね。」
ジョナさんは何かに苦しんでる。ミカという女の子が関係する。
彼は、初めて会ったあの時から、私を傷つけようとしたんじゃない。
ただお金になりそうなものだけ取ろうとしたんだ。
今ならはっきり分かる。
きっと鬼ごっこしている時にジョナさんは私の前か消えるつもりだ。
私は男の子を見た。
「ねぇ。あのお兄ちゃんのにおいまだ覚えてる?」
男の子は小さく頷いた。
私は男の子の手を引っ張りながら他の子供たちを探した。
「お姉ちゃんが鬼なの~?」
「あのお兄ちゃんは~?」
子供たちは私の服を引っ張りながら言った。
私は、不思議そうに見る子供たちに笑いかけた。
「ねぇ、今新しい鬼ごっこ思いついちゃった☆」
「ここならにおいがはっきりしてるよ!」
男の子は大きな大樹を指さした。
私は男の子の嗅覚に驚きを隠せない。
「・・・皆、一体今までどんな教育を受けてきたの?」
子供たちはそれぞれジョナさんを探すのに貢献してくれた。
風向きで人がいるか、動物かを当てたり。
静かに耳を使って近くに何かいたりを考えてたり。
本当に子どもなのかと考えてしまうが、今は考えないようにする。
「この鬼ごっこ楽しい~!」
「お姉ちゃん!他に何したらいい?」
私は思わず笑ってしまう。
「お姉ちゃん・・・ここからお兄ちゃんのにおいが消えてるよ。」
男の子が困惑した顔で言った。
私はその言葉を聞いて思わず「なるほど、ね。」と呟いていた。
小さな子たちは首を傾げていた。
「ここからお姉ちゃんのお仕事だから皆は休んでいていいよ。」
私はそういうと一本の木の前に行く。
大きく深呼吸を繰り返してから私は縦に口を開いた。
♪「歌に願いを込めて歌えば」
目を閉じて歌に集中する。
♪「広場に町に公園に」
私の歌声は森の中に響いてる。
♪「楽しい歌が小鳥のようにみんなの夢を歌い出す」
風が木の葉を揺らす。
♪「ウンパッパウンパッパ」
♪「誰でも」
私はジョナさんと話をしたい。
♪「ウンパッパウンパッパ」
♪「知っている」
あなたが苦しんでることは私は知っているよ。
♪「君と僕は友達さ」
私が一人にならないようにあなたは動いてくれたよね?
この小さい子供たちは私に微笑みかけてくれてるよ。
♪「だからウンパッパ」
だからこそ話してほしんだ。
私はあなたの味方だから。
一人で苦しまないで。悩まないで。
たった数時間だけでも私は友達だと思っているから。
隠れないで。
たとえどんなに難しく隠れても私たちが見つけに行くから。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる