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白い光に包まれ志郎は転送された。
そして目を開けた志郎は目の前の光景に固まったのだった。
「……へ?……」
転送されたのは広い部屋だった。大理石のように白い壁と床。大きな窓からは日の光が差し込みとても明るく中の様子がくっきりはっきり見えている。
部屋の中ではなぜか数人の女性たちが一人の女性を取り囲み手に持った何かでその女性の身体をゴシゴシしている。しかも全員が何も着ておらず、そう、全裸だった。
「風呂?」
そう、志郎が転送されたのは女風呂だった。
「どどどどどうしよ!」
と思ったその瞬間。
「「「きゃあああああああああああああ!」」」
その場にいる女性たちが一斉に絶叫した。
「なんじゃこの男は!どこから入ってきおったのじゃ!テンパーデなんとかせい!」
「は、はい姫様。貴様!ここが姫様の湯殿と知っての狼藉か!皆の物、姫様をお守りするのだ!そしてこの者を生かしておくわけにはいかぬ!」
中にいる少し年長の女性が目を吊り上げて志郎を指さす。ちなみに年長と言ってもせいぜい三十前後だ。
「はっ!」
全裸の女性たちは武器が無いのでそこらに置いてある桶や椅子を持ち志郎に向けて構える。
「わわわわわわ。ちちちち違う違う違う!違う!これは事故だ事故だああああああ!」
訴えは無視され志郎は逃げる暇も与えられずあっという間に取り囲まれた。
「あ、えと、あの、その」
全裸の女性に取り囲まれて目のやり場に困る志郎。ただ、大きいのやら小さいのやら、濃いのやら薄いのやら、赤や緑や白やらいろいろあるんだなあと思ったことは誰にも内緒だ。
「き、貴様!何をジロジロ見ておる!この変態め!」
「い、いや、見てないから!目のやり場に困って……」
「お黙りなさい!」
年長の女性が血走らせた目を向ける。
「い、いや、ちょっ、ちょっと待ってくれ!話せばわかる話せば。だからちょっと……」
「問答無用!皆の物行け!」
「はっ!」
全裸の女性たちが桶や椅子を持って志郎に襲いかかった。
「わっ!やめやめやめやめてくれぇぇぇぇ!」
志郎は反撃もできず袋ただ木に合った。
カコン!バコン!バキッ!ゴキッ!カポン!ボキッ!
身体じゅうを殴られ爪で引っかかれあちこちから血を流しだんだんと意識が薄れてきたその時。
「お待ちください!わわわわわ!や、やめてください!その方は、その方は!」
「何を言っているのですか召喚師殿。不届きな曲者を始末するだけのことです」
「だ、だから違うんです!その方は曲者じゃなくて召喚師長様たちが魔王を倒してもらうために異世界から召喚した勇者様なのです!だからやめてください!」
「へ?勇者様?これが?」
一斉に攻撃を止める女たち。その中心には虫の息の志郎がピクピクと痙攣していた。
「しかしこの男、まったく反撃もしてこなかったのだぞ。そんなヤツが魔王を倒せる勇者なわけあるまい!」
と女たちの後ろから姫が叫ぶ。
「姫様、おそらくそれは勇者様が力をふるえばここにいる者など紙屑のように倒してしまうからではないでしょうか?」
「それに、なぜ召喚されたのに召喚の魔法陣の上にお出ましにならずここに現れたのじゃ!」
「それはわかりませんが……。とにかくこのお方は魔王を倒すために召喚された勇者様なのです。あの、勇者様、お気を確かに」
勇者様勇者様と叫びながら倒れている志郎を抱き起こす召喚師。
「……う、うぅっ……。あ、ああ、大丈夫だけど……、身体じゅう痛いぞ…。なあ、誤解、解けたか?」
「はい勇者様。ご無礼申し訳ございません」
「そうか……。それなら」
そういうと志郎の身体が白く光った。それはとても柔らかな光。女たちは少しまぶしそうに光に包まれる志郎を見ている。そして光が消えると傷一つ無い身体の志郎がゆっくりと立ち上がった。
「な、なんて治癒力!素晴らしいです!」
と感動する召喚師。
全裸の女たちもその凄まじい力に自然と膝が折れ志郎に平伏した。
ただ姫だけは前を隠すことなく仁王立ちし志郎を睨んでいる。
「それなら早く魔王を倒してくるのじゃ!今行け!すぐ行け!直ちに行け!あっという間に行けぇぇぇぇぇぇ!」
と叫びながら志郎の後にまわるとその背中に蹴りを入れた。その時姫は足に魔力を込めたので志郎は真っすぐに大きな窓に向かい飛んだ。
「ふげぇぇぇぇっ!」
ガッシャーーーーン!
志郎はガラスを突き破ると青空の彼方へと飛んで行った。
「ゆ、勇者様ぁぁぁぁぁ!」
召喚師はあわてて志郎を追いかけていった。
「ああ、酷い目にあった」
森の中、土の上に座った志郎はさっきまでいた城の方を見て頭をかいていた。
「えらい遠くまで蹴り飛ばされたもんだ。……これからどうしよう」
と考えていると、
「勇者様ぁぁぁぁぁぁ!」
という絶叫が聞こえてきた。その声が聞こえてきた方向に目をやると砂煙をあげて一人の少女が走ってきたのが見えた。
「ん?ああ、さっきの召喚師か。ふう、よかった。でも、凄い形相だな」
志郎はカッと目を見開き走ってくる召喚師を見て苦笑した。
「ぜえぜえぜえ、ご、ご無事でしたか勇者様。ぜえぜえぜえ。申し訳ございませんでした。ぜえぜえぜえ」
息を切らし志郎に何度も何度も頭を下げる召喚師。
「おいおい、そんなに謝らなくてもいいぞ、気にすんなって」
苦笑する志郎。
「しかし……」
「いいって。それよりこれから俺はどうすればいいんだ?さっきの姫さんは魔王を倒して来いっていってたけど」
「あ、はい。えと、召喚師長様たちに合っていただくことになってまして、それで実はこの森の奥までご案内することになってたのです」
と懐から出した地図を見た。
「ふーん、そうなんだ。この森の奥か。それじゃ行こうか」
「はい」
と森の奥に行こうとした時。
「そこにいるのは誰だ!」
男の低い声が森の奥からした。そちらを向くとゴタゴタとキラキラチャラチャラした装飾された黒いローブを来た男がのっそりと歩いてきた。
「あっ!召喚師長様!」
「ん?なんだイネリアではないか。こんなところで何をしておる。勇者様は見つかったのか?」
「あ、はい。今から召喚師長様たちのところにお連れするところでした。それで、この方が勇者様でございます」
召喚師長からは木の影で見えなかった志郎を召喚師イネリアが紹介した。
「ほほう。そなたが勇者か。よくぞ参られた。ささ、こちらに」
ニコニコ笑いながらと森の奥を指さした。
「あ、ああ」
自分を観るその目を見た志郎はなんとなく背中に虫唾が走ったような気がした。
「ここで召喚の儀式をしたのか?」
「はい。ここで召喚師長様と副召喚師長様がシロー様を召喚する儀式をいたしました」
目の前には直径十メートルはある召喚の魔法陣が描かれてあった。
志郎はここに転送してくれればよかったのにと心の中で呟いた。
「そうか。お前は儀式には参加しなかったのか?」
「はい。私はまだそれほど魔力が強くも大きくもないので……。私、副召喚師長様の助手なので儀式の準備はしましたが参加はしていません」
「ふーん、そうなんだ」
志郎は召喚の魔法陣を一瞥すると召喚師長たちに顔を向けた。
「で、俺に何をして欲しいんだ?」
「はい。魔族からわが国を、聖都アースラッガをお救いください」
と叩頭する召喚師長たち。志郎を捜しに来た召喚師イネリアも同じように頭を下げていた。
「まあ、わかったけど、その魔族に何をされたんだ?」
と形だけ頭を下げている召喚師長に尋ねた。
「は、はい。わがアースラッガより民を攫い続けているのです」
そして目を開けた志郎は目の前の光景に固まったのだった。
「……へ?……」
転送されたのは広い部屋だった。大理石のように白い壁と床。大きな窓からは日の光が差し込みとても明るく中の様子がくっきりはっきり見えている。
部屋の中ではなぜか数人の女性たちが一人の女性を取り囲み手に持った何かでその女性の身体をゴシゴシしている。しかも全員が何も着ておらず、そう、全裸だった。
「風呂?」
そう、志郎が転送されたのは女風呂だった。
「どどどどどうしよ!」
と思ったその瞬間。
「「「きゃあああああああああああああ!」」」
その場にいる女性たちが一斉に絶叫した。
「なんじゃこの男は!どこから入ってきおったのじゃ!テンパーデなんとかせい!」
「は、はい姫様。貴様!ここが姫様の湯殿と知っての狼藉か!皆の物、姫様をお守りするのだ!そしてこの者を生かしておくわけにはいかぬ!」
中にいる少し年長の女性が目を吊り上げて志郎を指さす。ちなみに年長と言ってもせいぜい三十前後だ。
「はっ!」
全裸の女性たちは武器が無いのでそこらに置いてある桶や椅子を持ち志郎に向けて構える。
「わわわわわわ。ちちちち違う違う違う!違う!これは事故だ事故だああああああ!」
訴えは無視され志郎は逃げる暇も与えられずあっという間に取り囲まれた。
「あ、えと、あの、その」
全裸の女性に取り囲まれて目のやり場に困る志郎。ただ、大きいのやら小さいのやら、濃いのやら薄いのやら、赤や緑や白やらいろいろあるんだなあと思ったことは誰にも内緒だ。
「き、貴様!何をジロジロ見ておる!この変態め!」
「い、いや、見てないから!目のやり場に困って……」
「お黙りなさい!」
年長の女性が血走らせた目を向ける。
「い、いや、ちょっ、ちょっと待ってくれ!話せばわかる話せば。だからちょっと……」
「問答無用!皆の物行け!」
「はっ!」
全裸の女性たちが桶や椅子を持って志郎に襲いかかった。
「わっ!やめやめやめやめてくれぇぇぇぇ!」
志郎は反撃もできず袋ただ木に合った。
カコン!バコン!バキッ!ゴキッ!カポン!ボキッ!
身体じゅうを殴られ爪で引っかかれあちこちから血を流しだんだんと意識が薄れてきたその時。
「お待ちください!わわわわわ!や、やめてください!その方は、その方は!」
「何を言っているのですか召喚師殿。不届きな曲者を始末するだけのことです」
「だ、だから違うんです!その方は曲者じゃなくて召喚師長様たちが魔王を倒してもらうために異世界から召喚した勇者様なのです!だからやめてください!」
「へ?勇者様?これが?」
一斉に攻撃を止める女たち。その中心には虫の息の志郎がピクピクと痙攣していた。
「しかしこの男、まったく反撃もしてこなかったのだぞ。そんなヤツが魔王を倒せる勇者なわけあるまい!」
と女たちの後ろから姫が叫ぶ。
「姫様、おそらくそれは勇者様が力をふるえばここにいる者など紙屑のように倒してしまうからではないでしょうか?」
「それに、なぜ召喚されたのに召喚の魔法陣の上にお出ましにならずここに現れたのじゃ!」
「それはわかりませんが……。とにかくこのお方は魔王を倒すために召喚された勇者様なのです。あの、勇者様、お気を確かに」
勇者様勇者様と叫びながら倒れている志郎を抱き起こす召喚師。
「……う、うぅっ……。あ、ああ、大丈夫だけど……、身体じゅう痛いぞ…。なあ、誤解、解けたか?」
「はい勇者様。ご無礼申し訳ございません」
「そうか……。それなら」
そういうと志郎の身体が白く光った。それはとても柔らかな光。女たちは少しまぶしそうに光に包まれる志郎を見ている。そして光が消えると傷一つ無い身体の志郎がゆっくりと立ち上がった。
「な、なんて治癒力!素晴らしいです!」
と感動する召喚師。
全裸の女たちもその凄まじい力に自然と膝が折れ志郎に平伏した。
ただ姫だけは前を隠すことなく仁王立ちし志郎を睨んでいる。
「それなら早く魔王を倒してくるのじゃ!今行け!すぐ行け!直ちに行け!あっという間に行けぇぇぇぇぇぇ!」
と叫びながら志郎の後にまわるとその背中に蹴りを入れた。その時姫は足に魔力を込めたので志郎は真っすぐに大きな窓に向かい飛んだ。
「ふげぇぇぇぇっ!」
ガッシャーーーーン!
志郎はガラスを突き破ると青空の彼方へと飛んで行った。
「ゆ、勇者様ぁぁぁぁぁ!」
召喚師はあわてて志郎を追いかけていった。
「ああ、酷い目にあった」
森の中、土の上に座った志郎はさっきまでいた城の方を見て頭をかいていた。
「えらい遠くまで蹴り飛ばされたもんだ。……これからどうしよう」
と考えていると、
「勇者様ぁぁぁぁぁぁ!」
という絶叫が聞こえてきた。その声が聞こえてきた方向に目をやると砂煙をあげて一人の少女が走ってきたのが見えた。
「ん?ああ、さっきの召喚師か。ふう、よかった。でも、凄い形相だな」
志郎はカッと目を見開き走ってくる召喚師を見て苦笑した。
「ぜえぜえぜえ、ご、ご無事でしたか勇者様。ぜえぜえぜえ。申し訳ございませんでした。ぜえぜえぜえ」
息を切らし志郎に何度も何度も頭を下げる召喚師。
「おいおい、そんなに謝らなくてもいいぞ、気にすんなって」
苦笑する志郎。
「しかし……」
「いいって。それよりこれから俺はどうすればいいんだ?さっきの姫さんは魔王を倒して来いっていってたけど」
「あ、はい。えと、召喚師長様たちに合っていただくことになってまして、それで実はこの森の奥までご案内することになってたのです」
と懐から出した地図を見た。
「ふーん、そうなんだ。この森の奥か。それじゃ行こうか」
「はい」
と森の奥に行こうとした時。
「そこにいるのは誰だ!」
男の低い声が森の奥からした。そちらを向くとゴタゴタとキラキラチャラチャラした装飾された黒いローブを来た男がのっそりと歩いてきた。
「あっ!召喚師長様!」
「ん?なんだイネリアではないか。こんなところで何をしておる。勇者様は見つかったのか?」
「あ、はい。今から召喚師長様たちのところにお連れするところでした。それで、この方が勇者様でございます」
召喚師長からは木の影で見えなかった志郎を召喚師イネリアが紹介した。
「ほほう。そなたが勇者か。よくぞ参られた。ささ、こちらに」
ニコニコ笑いながらと森の奥を指さした。
「あ、ああ」
自分を観るその目を見た志郎はなんとなく背中に虫唾が走ったような気がした。
「ここで召喚の儀式をしたのか?」
「はい。ここで召喚師長様と副召喚師長様がシロー様を召喚する儀式をいたしました」
目の前には直径十メートルはある召喚の魔法陣が描かれてあった。
志郎はここに転送してくれればよかったのにと心の中で呟いた。
「そうか。お前は儀式には参加しなかったのか?」
「はい。私はまだそれほど魔力が強くも大きくもないので……。私、副召喚師長様の助手なので儀式の準備はしましたが参加はしていません」
「ふーん、そうなんだ」
志郎は召喚の魔法陣を一瞥すると召喚師長たちに顔を向けた。
「で、俺に何をして欲しいんだ?」
「はい。魔族からわが国を、聖都アースラッガをお救いください」
と叩頭する召喚師長たち。志郎を捜しに来た召喚師イネリアも同じように頭を下げていた。
「まあ、わかったけど、その魔族に何をされたんだ?」
と形だけ頭を下げている召喚師長に尋ねた。
「は、はい。わがアースラッガより民を攫い続けているのです」
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