歪んだ愛情と憐憫

春月 黒猫

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巡回者たち

支配

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「…っ…もう…無理です…っ!」

あれから何分経っただろうか。
意識が張り詰め切って、決して寒くないはずなのに膝が勝手に震えだしていた。

「んー、まだいけるいける。頑張って」

エリルは相変わらず天使のような顔でこちらを見張っている。
頭の中で、神様はとんでもない顔と性格をくっつけたもんだとなけなしの理性が悪態をついていた。

「これ、俺も前のお頭の奴隷になった日はやったんだよ?
 前のお頭なんかジンより容赦なくてさ…
 抵抗したらここで頭水に沈められてそのまま殺されるかと思った」

「…っ…!」

恐ろしい話だとは思うが俺の体はもう限界だと訴え続けていて、エリルの話を受け止める余裕など残っていなかった。
膝の震えがいよいよ増し、全身にまで伝染したかのようにがたがたと体の震えが止まらない。
恥ずかしさなどという感情はとうに消え去っていて、早くこの身を苛んでいるモノを出してしまいたかった。

「ッ…-ぁあああっ!」

細い放物線が浴槽の外の草むらに描かれていく。

やっと解放される、と安堵した俺は、不覚にも脳内でそれを気持ちいいと受け止めてしまっていた。


「ダメだよ」

その言葉が響くや否や、後孔を何かが塞いだ。

「えっ…!?」

背後から抱きしめられる形になり、エリルが俺の体をしっかりと抱き込んでいた。
塞がれた場所に宛がわれているのがエリルの指だというのを理解するのに数秒を要した。

「仕方ないね…じゃあ苦しいけど早く終わらせてあげる」

そういうとエリルはあろうことかパンパンに張り詰めた俺の腹をやわやわと揉みしだいてきた。
途端に、腹の中が搔きまわされるように不快感が一層俺を責め立ててきた。

「何すっ…やめ…ろよ…ッ!あ、…―――ッ!」
「…っと…暴れても無駄だよ。…ちゃんと気持ちよくしたげるから…」

何が、と言いかけて俺は息を飲んだ。
…体はがっちり押さえられたまま、エリルの綺麗な指が、萎えてしまった俺の茎をゆるりと包んできたからだ。


「…もうここに来たら死ぬまで出られない。
 ジンに飽きられても誰かがユーリをボロボロになるまで犯す。
 それが嫌なら飽きられないようちゃんとジンを繋ぎとめておかないと」

そう言いながら、俺の首筋に舌を這わせ指を器用に俺自身に絡めていく。
その言葉がここでの処世術なのだと分かったが、何も言い返せない。

頭が空っぽになるくらいの、今まで感じたことのない快楽。
肌が粟立つ。

いつの間にか、聞いたことのない甲高い声がひっきりなしに俺の喉から出ていた。

後孔に指が挿し込まれ、先程探し当てられた一点をまた執拗に嬲られていた。
じゅぷじゅぷという水音と共に指の抽挿に伴って俺を苦しめていた大量の水が勢いよく出ていく。

首筋から耳朶へも愛撫が加えられ、俺を昂らせようと前で動く手の動きだけでも意識が飛んでしまいそうなのにろくに感じたこともない感覚が次から次へ与えられる。

…こんなの反則だ。



絶叫しながら全ての腹の中身を放出してしまった直後、俺は白濁を放つとともに意識を手放した。
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