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ヴォルデ
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この国の名は、ヴォルデという。
森に囲まれた小国だが、気候が穏やかで農業が盛んな為、周辺の国とも交易をし、民は飢えることも少なかった。
十年前、まだ十五歳になったばかりのランシェットは伯爵である父に連れられて王宮の庭を散策していた。
ここは歴代の王が思い思いの花や植物を植え、自ら品種開発をしていた為、領地では見たことも無い花が競うように咲き誇っていた。
先代の王より代替わりして間もない若い王にはこれからの人間が必要だ、
王も毎日私の様な老いぼれを見るよりはお前の相手をしている方が気が楽だろう
と弱々しい笑顔を浮かべ庭園の端にある蔓薔薇のアーチの陰に行き、言葉を継いだ時だった。
「よいか?王にお会いしたら―」
「ほう、私に会ったらどうすると?」
「!!」
アーチの最奥にあるベンチに寝ていたらしき人物は、間違いなく即位したばかりの王、フォルスト・アスタロシュ・ヴォルデその人だった。
ゆるやかな弧を描いた白銀の髪は、王家の血を濃く引いた証。
先代の王と同じと伝え聞く緑がかった深い青の瞳は人をからかう様な口調とは裏腹に聡明な光を湛えていた。
時が止まったかのように、ランシェットは息をするのも忘れて王に惹き付けられていた。
「…シェット!」
我を忘れ王の瞳に見入っていたが、父の声によって現実に引き戻された。
同時に、膝を折って前に跪いている父の姿が視界に入り、慌てて父に倣い膝を折る。
「ランシェットというのか」
「は、はい」
「幾つになる」
「じゅう…ごです」
たどたどしく、すっかり普段より精彩を欠いてしまった受け答えを聞き、父は明らかに落胆した様子だった。
これでは王の覚えもかんばしくなかろう、と自分でも思った矢先、その言葉は発せられた。
「私の元に来い」
これ以後、【フラム】の称号を受け、王に隣国ガズールより正妃が迎えられるまでの四年間、ランシェットは一身に王の寵愛を受けた。
少年時代の危さと成人へと変貌していく過程特有の美しさを併せ持ったランシェットは、
王ばかりでなく家臣の目をも奪うほどに成長していた。
「んっ…ぁ、はぁ、あっ…ん…フォル、スト…っ…!」
「ランシェット…っ…!」
ランシェットが十九歳を迎えた日の夜。
王の寝所より響くのは、ベッドの軋む音と衣擦れの音と、熱を帯び掠れた声。
朱に染まった頬、熟れた果実のような唇。
さらさらとした金色の細い髪は、月の光を浴びて淡く輝いていた。
その日は過去にないほど夜も昼もなくベッドで交わっていた為、ランシェットはベッドから起き上がることが出来ないで居た。
いつもなら限界だと訴えると手加減してくれたが、その日の王は聞き入れることなくランシェットを何度も抱いた。
「な、んで…こんな…っ…ぁ…」
注ぎ込まれた白濁が溢れ、シルクのシーツを汚していく。
「お前が狂おしいほどに愛しいからだ。
…私の真の心はお前だけのものだ」
それから少しして、隣国ガズールより第一王女・アリオラ王女がフォルスト王の正妃として迎えられることが正式に決まったとランシェットは父から告げられた。
森に囲まれた小国だが、気候が穏やかで農業が盛んな為、周辺の国とも交易をし、民は飢えることも少なかった。
十年前、まだ十五歳になったばかりのランシェットは伯爵である父に連れられて王宮の庭を散策していた。
ここは歴代の王が思い思いの花や植物を植え、自ら品種開発をしていた為、領地では見たことも無い花が競うように咲き誇っていた。
先代の王より代替わりして間もない若い王にはこれからの人間が必要だ、
王も毎日私の様な老いぼれを見るよりはお前の相手をしている方が気が楽だろう
と弱々しい笑顔を浮かべ庭園の端にある蔓薔薇のアーチの陰に行き、言葉を継いだ時だった。
「よいか?王にお会いしたら―」
「ほう、私に会ったらどうすると?」
「!!」
アーチの最奥にあるベンチに寝ていたらしき人物は、間違いなく即位したばかりの王、フォルスト・アスタロシュ・ヴォルデその人だった。
ゆるやかな弧を描いた白銀の髪は、王家の血を濃く引いた証。
先代の王と同じと伝え聞く緑がかった深い青の瞳は人をからかう様な口調とは裏腹に聡明な光を湛えていた。
時が止まったかのように、ランシェットは息をするのも忘れて王に惹き付けられていた。
「…シェット!」
我を忘れ王の瞳に見入っていたが、父の声によって現実に引き戻された。
同時に、膝を折って前に跪いている父の姿が視界に入り、慌てて父に倣い膝を折る。
「ランシェットというのか」
「は、はい」
「幾つになる」
「じゅう…ごです」
たどたどしく、すっかり普段より精彩を欠いてしまった受け答えを聞き、父は明らかに落胆した様子だった。
これでは王の覚えもかんばしくなかろう、と自分でも思った矢先、その言葉は発せられた。
「私の元に来い」
これ以後、【フラム】の称号を受け、王に隣国ガズールより正妃が迎えられるまでの四年間、ランシェットは一身に王の寵愛を受けた。
少年時代の危さと成人へと変貌していく過程特有の美しさを併せ持ったランシェットは、
王ばかりでなく家臣の目をも奪うほどに成長していた。
「んっ…ぁ、はぁ、あっ…ん…フォル、スト…っ…!」
「ランシェット…っ…!」
ランシェットが十九歳を迎えた日の夜。
王の寝所より響くのは、ベッドの軋む音と衣擦れの音と、熱を帯び掠れた声。
朱に染まった頬、熟れた果実のような唇。
さらさらとした金色の細い髪は、月の光を浴びて淡く輝いていた。
その日は過去にないほど夜も昼もなくベッドで交わっていた為、ランシェットはベッドから起き上がることが出来ないで居た。
いつもなら限界だと訴えると手加減してくれたが、その日の王は聞き入れることなくランシェットを何度も抱いた。
「な、んで…こんな…っ…ぁ…」
注ぎ込まれた白濁が溢れ、シルクのシーツを汚していく。
「お前が狂おしいほどに愛しいからだ。
…私の真の心はお前だけのものだ」
それから少しして、隣国ガズールより第一王女・アリオラ王女がフォルスト王の正妃として迎えられることが正式に決まったとランシェットは父から告げられた。
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