150 / 258
152
しおりを挟む
「さて、三河の話は連絡が来るまで終いにしよう。戦に関する予定もあらかたは話し終えたし今まで触れてこなかった佐竹について話をしようか。小太郎?」
俺は佐竹について現状がどうなっているかをみんなに説明するように促す。武田 今川 越後上杉 以外の大きな相手と言えばもう残りは佐竹くらいだ。
「はっ、佐竹は昨年に失った兵の過半数を補充したようです。と言っても元々大きな被害を下野や常陸勢力は受けておりませんでしたので当然のことかと。それと殿からの命で始めていた商人をこちらに流すという行動は上手くいっています。北条領内に居を構えて商売や職人活動を行う時にこちら側がある程度資金を負担し活動しやすく支援する制度が彼らにとって大きな決断の一因となったようです。」
「ほう?それは初耳だな。」
勘助が不思議そうに話を聞こうとする。この中で経済に関して興味を持っているのは義堯 光秀くらいだ。他は軍略や謀略 内政には長けているが少し経済という枠組みで考えることに追いついていないのだ。それもしょうがない気がする。光秀は言わずもがなだが、義堯は一国を治めていたという経験からまだ理解が追いついているくらいだからな。
「ああ、それは俺が文官と話し合って父に意見具申して可決してもらった制度なんだ。具体的には他国から北条領に来る場合、その旅費や居が決まるまでの滞在費などを半額請負い、必要となれば残りの半分を借財として全額払う制度なんだ。利に聡い商人は北条に来る方が利を求められると分かっているからどんどんと元の国の居住を捨てこちらにやってこれるのだ。勿論お抱え商人などの大口は別だがな。それに商人に紛れた間者もいる可能性があるから風魔に監視はさせている。」
「なるほど、ご教示ありがとうございまする。小太郎殿、話を遮ってしまって申し訳ござらぬ。」
「いえ、問題ございませぬ。さて、結果としてですが佐竹領内の職人 商人の引き抜きは8割方移住完了しており、お抱え商人となっている商人の枠とは別に風魔の配下たちが運営している商人が潜り込めることになりました。一部の商品を安く売ることで城内の者達に接触する事が可能になったのです。佐竹はまだ気づいていないようでございますが常陸に住む住人は物が買えないことに段々と気づき始めるものもおりあちらでは物の価値が上がっております。」
ここで小太郎が一息つく。周りの面子はじっと次の言葉を待っている。特に小姓3人組は軍学校でも習わないような内容が出てきているため驚き戸惑っているようだ。それぞれ特徴があり次郎法師はひっしに食らいつこうとしており、源太郎は理解をしながらも頭を整理するために黙っている。それに比べて秀吉は銭勘定に強いのか楽しそうに話を聞いている。
「はっはっはっ、他の小姓達はこの話を聞くのに精一杯のようだが秀吉は楽しそうにしているな。なにかあるのか?」
秀吉は猿っぽいが人に好まれる顔を崩してくしゃっと笑ってこちらに答える。
「はい!特に普通の調略や破壊工作とは違い銭を使って相手に被害を与えているという点が北条らしい、というよりは氏政様らしくて大変素晴らしいかと!それに、このまま行けば好きな時に風魔の商人様が荷を止める事で相手にまともな戦をさせずに勝利することができまする!」
ほうっと周りの直臣達も驚いたように秀吉の方を見ている。今の話をここまで咀嚼できているのは経済系に関するセンスがある。
「では、秀吉よ。もし、お主ならば常陸をどうやって屈服させる?勿論だが武力行使をせずにだ。お主は先程荷を止める事で戦に勝てると言ったが戦を起こさずに北条に臣下の礼を取らせて俸禄制度に組み込むのだ。どうだ?皆も考えてみよ。」
俺は佐竹について現状がどうなっているかをみんなに説明するように促す。武田 今川 越後上杉 以外の大きな相手と言えばもう残りは佐竹くらいだ。
「はっ、佐竹は昨年に失った兵の過半数を補充したようです。と言っても元々大きな被害を下野や常陸勢力は受けておりませんでしたので当然のことかと。それと殿からの命で始めていた商人をこちらに流すという行動は上手くいっています。北条領内に居を構えて商売や職人活動を行う時にこちら側がある程度資金を負担し活動しやすく支援する制度が彼らにとって大きな決断の一因となったようです。」
「ほう?それは初耳だな。」
勘助が不思議そうに話を聞こうとする。この中で経済に関して興味を持っているのは義堯 光秀くらいだ。他は軍略や謀略 内政には長けているが少し経済という枠組みで考えることに追いついていないのだ。それもしょうがない気がする。光秀は言わずもがなだが、義堯は一国を治めていたという経験からまだ理解が追いついているくらいだからな。
「ああ、それは俺が文官と話し合って父に意見具申して可決してもらった制度なんだ。具体的には他国から北条領に来る場合、その旅費や居が決まるまでの滞在費などを半額請負い、必要となれば残りの半分を借財として全額払う制度なんだ。利に聡い商人は北条に来る方が利を求められると分かっているからどんどんと元の国の居住を捨てこちらにやってこれるのだ。勿論お抱え商人などの大口は別だがな。それに商人に紛れた間者もいる可能性があるから風魔に監視はさせている。」
「なるほど、ご教示ありがとうございまする。小太郎殿、話を遮ってしまって申し訳ござらぬ。」
「いえ、問題ございませぬ。さて、結果としてですが佐竹領内の職人 商人の引き抜きは8割方移住完了しており、お抱え商人となっている商人の枠とは別に風魔の配下たちが運営している商人が潜り込めることになりました。一部の商品を安く売ることで城内の者達に接触する事が可能になったのです。佐竹はまだ気づいていないようでございますが常陸に住む住人は物が買えないことに段々と気づき始めるものもおりあちらでは物の価値が上がっております。」
ここで小太郎が一息つく。周りの面子はじっと次の言葉を待っている。特に小姓3人組は軍学校でも習わないような内容が出てきているため驚き戸惑っているようだ。それぞれ特徴があり次郎法師はひっしに食らいつこうとしており、源太郎は理解をしながらも頭を整理するために黙っている。それに比べて秀吉は銭勘定に強いのか楽しそうに話を聞いている。
「はっはっはっ、他の小姓達はこの話を聞くのに精一杯のようだが秀吉は楽しそうにしているな。なにかあるのか?」
秀吉は猿っぽいが人に好まれる顔を崩してくしゃっと笑ってこちらに答える。
「はい!特に普通の調略や破壊工作とは違い銭を使って相手に被害を与えているという点が北条らしい、というよりは氏政様らしくて大変素晴らしいかと!それに、このまま行けば好きな時に風魔の商人様が荷を止める事で相手にまともな戦をさせずに勝利することができまする!」
ほうっと周りの直臣達も驚いたように秀吉の方を見ている。今の話をここまで咀嚼できているのは経済系に関するセンスがある。
「では、秀吉よ。もし、お主ならば常陸をどうやって屈服させる?勿論だが武力行使をせずにだ。お主は先程荷を止める事で戦に勝てると言ったが戦を起こさずに北条に臣下の礼を取らせて俸禄制度に組み込むのだ。どうだ?皆も考えてみよ。」
10
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる