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(6) 頑張りたいけど出来そうにない
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ダンジョン「1層」
初心者向けコース。剣士なりたてでもクリアできる小物の魔獣ばかりだ。
「アンジェラさん、前に出て。僕の後ろばかり歩いててら何も手に入りませんよ。」
バレたか、エドワードの後ろにくっついて誤魔化すつもりだったのが。アンジェラの気の強さが出た。
「そんな事ありませんわ。あなたのお手並みを拝見してからと思ってましたのよ。つん!」
「それなら、言って欲しかったな。」
「えっ?」
「僕は、あなたの為に獲物をしとめますよ。レディ?」
エドワードはアンジェラの手を取り手の甲に口付けた。一瞬、彼が貴族に見えてしまう。マズイわ、この人も元貴族なのね。
引っ込めた手を自分の手で包む。素敵な人だけど、好きにならないようにしなくては、アンジェラの中で警報器のランプが灯る。
「あ、そうだ。アグアニエベさんから頼まれてたんでした。これを、付けて下さい。僕も付けてるけど、僕の親友が作る魔道具だから。あなたを守ってくれますよ。」
取り出したのは、緑の石を嵌め込んだブレスレットであった。アグアニエベが注文したらしい。魔道具なのなら身に付けていなくてならないのだろう。
「これは、何の魔法が入れられてますの?」
「毒消しだよ。どんなに強い毒でも中和してしまう。」
アンジェラの目がエドワードの右腕にしているブレスレットに止まる。嫌な予感。
「もしかして、あなたは毒を使って狙われていたのかしら?」
「うん、そうなんだ。これをプレゼントされるまでは、何を食べるのも何を飲むのも怖かった。今では、平気さ。これのおかげで、気分が悪くなるけど我慢してれば毒に勝てるからね。」
天気の話をするように言っているけど、命の危険に晒されながら暮らしていたのだ。きっと、何処かの国の身分の高い人だった。例えば、国の王になれる継承権を持っている王子様とか。
「権力に目が眩んだ人間は、その為に誰が死のうと平気なんだ。君が1人で生きてくつもりなら、気をつけないとね。」
いい忠告だった。アンジェラは、礼を言う。そうだ、いつまでもアグアニエベのお城の御客では居られない。自分で生活できるようにならなくては。
覚悟を決めたアンジェラはスタスタと歩き出したら。エドワードの前に立って。
魔獣が、出現。小物だったが。風船みたいなオレンジの魔物。
「バブルコーンていう名前で呼ばれてているんだけど。これが集団になると手に負えない。近づかない事だね。」
フワフワしてて可愛いのに、残念です。アンジェラは連れて帰りたいと思っていたのに。その時、エドワードが声をあげた。
「アンジェラさん、気をつけて!」
油断していた。目の前の可愛いい小さな生き物に気を取られて。次の瞬間には、飛び出して来た魔獣に襲われていたのだ。
「グガアアアアアアアア!」
鋭い牙が上半身に食い込む。え、食い込む?
ガキン、ガキン、ガキガキガキガキ!ボロッー(噛んでいたけど牙が織れた音)
「防備魔法が発動しています。「小防備」から「中防備」に自動チェンジしました。」
エドワードの声が響く。「名刀ファントム!」の声の後に出現した剣で襲ってきた魔獣は斬り倒された。
床に、もんどり打つ身体は2メートルはあるだろうか。「ワニザウルス」という名前だそうだ。直ぐにエドワードが解体して魔石を取り出す。
「はい、初めての獲物だよ。おめでとうー。」
手渡される魔石を小声で礼を言いながら受け取るしかない。手は小刻みに震えていた。正直な気持ちは怖い。アグアニエベが与えた魔法スキルで怪我は無いけど。
「凄い・・、服に穴も空いてないわ!」
あれだけ噛まれたのに、魔力はアンジェラを守ってくれた。だけど、だけど、噛まれる感触が消えてくれない。
温かい腕が彼女の身体を包み込んだ。驚くアンジェラの耳に囁く声。
「大丈夫かい、怖かったね?泣いていいんだよ、我慢しないで。」
なんて、優しい声だろう。この人の腕の中は心地良すぎて離れたくなくなる。駄目、好きになりそう。
だって、家族に捨てられて私は1人きりで寂しいのだもの。
ーーーーーーーーーーーー
今日の午後に更新しまっす!(。^。^。)
初心者向けコース。剣士なりたてでもクリアできる小物の魔獣ばかりだ。
「アンジェラさん、前に出て。僕の後ろばかり歩いててら何も手に入りませんよ。」
バレたか、エドワードの後ろにくっついて誤魔化すつもりだったのが。アンジェラの気の強さが出た。
「そんな事ありませんわ。あなたのお手並みを拝見してからと思ってましたのよ。つん!」
「それなら、言って欲しかったな。」
「えっ?」
「僕は、あなたの為に獲物をしとめますよ。レディ?」
エドワードはアンジェラの手を取り手の甲に口付けた。一瞬、彼が貴族に見えてしまう。マズイわ、この人も元貴族なのね。
引っ込めた手を自分の手で包む。素敵な人だけど、好きにならないようにしなくては、アンジェラの中で警報器のランプが灯る。
「あ、そうだ。アグアニエベさんから頼まれてたんでした。これを、付けて下さい。僕も付けてるけど、僕の親友が作る魔道具だから。あなたを守ってくれますよ。」
取り出したのは、緑の石を嵌め込んだブレスレットであった。アグアニエベが注文したらしい。魔道具なのなら身に付けていなくてならないのだろう。
「これは、何の魔法が入れられてますの?」
「毒消しだよ。どんなに強い毒でも中和してしまう。」
アンジェラの目がエドワードの右腕にしているブレスレットに止まる。嫌な予感。
「もしかして、あなたは毒を使って狙われていたのかしら?」
「うん、そうなんだ。これをプレゼントされるまでは、何を食べるのも何を飲むのも怖かった。今では、平気さ。これのおかげで、気分が悪くなるけど我慢してれば毒に勝てるからね。」
天気の話をするように言っているけど、命の危険に晒されながら暮らしていたのだ。きっと、何処かの国の身分の高い人だった。例えば、国の王になれる継承権を持っている王子様とか。
「権力に目が眩んだ人間は、その為に誰が死のうと平気なんだ。君が1人で生きてくつもりなら、気をつけないとね。」
いい忠告だった。アンジェラは、礼を言う。そうだ、いつまでもアグアニエベのお城の御客では居られない。自分で生活できるようにならなくては。
覚悟を決めたアンジェラはスタスタと歩き出したら。エドワードの前に立って。
魔獣が、出現。小物だったが。風船みたいなオレンジの魔物。
「バブルコーンていう名前で呼ばれてているんだけど。これが集団になると手に負えない。近づかない事だね。」
フワフワしてて可愛いのに、残念です。アンジェラは連れて帰りたいと思っていたのに。その時、エドワードが声をあげた。
「アンジェラさん、気をつけて!」
油断していた。目の前の可愛いい小さな生き物に気を取られて。次の瞬間には、飛び出して来た魔獣に襲われていたのだ。
「グガアアアアアアアア!」
鋭い牙が上半身に食い込む。え、食い込む?
ガキン、ガキン、ガキガキガキガキ!ボロッー(噛んでいたけど牙が織れた音)
「防備魔法が発動しています。「小防備」から「中防備」に自動チェンジしました。」
エドワードの声が響く。「名刀ファントム!」の声の後に出現した剣で襲ってきた魔獣は斬り倒された。
床に、もんどり打つ身体は2メートルはあるだろうか。「ワニザウルス」という名前だそうだ。直ぐにエドワードが解体して魔石を取り出す。
「はい、初めての獲物だよ。おめでとうー。」
手渡される魔石を小声で礼を言いながら受け取るしかない。手は小刻みに震えていた。正直な気持ちは怖い。アグアニエベが与えた魔法スキルで怪我は無いけど。
「凄い・・、服に穴も空いてないわ!」
あれだけ噛まれたのに、魔力はアンジェラを守ってくれた。だけど、だけど、噛まれる感触が消えてくれない。
温かい腕が彼女の身体を包み込んだ。驚くアンジェラの耳に囁く声。
「大丈夫かい、怖かったね?泣いていいんだよ、我慢しないで。」
なんて、優しい声だろう。この人の腕の中は心地良すぎて離れたくなくなる。駄目、好きになりそう。
だって、家族に捨てられて私は1人きりで寂しいのだもの。
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今日の午後に更新しまっす!(。^。^。)
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