(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー6 」編入したのは

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学園の医務室で薫は顔をしかめた。女医が気がついて問いかける。


「留目さん、痛むんですか?」

「そうじゃなくて、目が。」

「目が?どういう風にですか?」

「時々、光が横切ってくんです。こんな事、無かったのに。」


さすがに、ここへ来てからですとは言えなかった。従兄弟の身代わりをしてる事もあるし、大げさにしたくない。

偽者なんだから、検査とかしてたらバレルかもしれない。それは、困る。


(父さん、恨むよう。叔父さんに借金なんかするから。息子が苦労するんだ!)


だから、身代わりしろと言われたら従うしかない。あ、又だ。チカチカと色んな色が流れてく。こんな時、気分が悪くなるんだ。

薫は、気がついた。目の前でカルテを書いている女医の身体に薄いピンクの幕がかかってるのを。それは、一瞬で消えたけど。


「まだ、数値が安定しませんねえ。栄養剤のサプリメントを用意しますから、毎日かかさずに飲んでください。」


病気じゃないけど、病人あつかいされてる。この学園へ連れて来られた時も病院へ行ったのをウッスラと覚えていた。

医者が「栄養不足」と言ってた気がする。そりゃ、なるよ。時々、機嫌が悪いと食べさせてもらえ無かったし。


「わー、わー、どれも食べたいよー♪」


医務室の後にケースの中の学食のサンプルを喜んで見ている薫。見るだけでも幸せだった。だって、育ち盛りだし。何時も腹をすかせてたし。


「おい、カケオリル。何をしてるんだ?」


聞いた事のある声。薫は振り向いて見た。それは、第3王子だった。


(あー、目の保養。今日も、綺麗ーー!)


まるで、等身大の人形が立っているかのよう。真っ白な肌は触りたくなるくらいにツルツル。不機嫌そな瞳も歪められた唇も、たまらない!


「おい、カケオリル。」

「あの、カオルですけど。文字が3個も多いです。御前様?」

「俺が良ければ、いいんだよ。学食のメニューを全部くうつもりか?」

「出来ないって、無理。見てるだけです。」

「はあ。貴様、編入だろ。どこに入ったんだ?」

「えっと、特殊技能コースですけど。」


第3王子が、少し驚いたようだ。でも、周りに居た生徒達が驚いたように見たので薫が驚く。特殊技能って、そんなに特殊なんですか?

編入試験を受けて、この学園のレベルに及ばない成績だったので補欠で入れてもらったんですけど。
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