(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー8 」特別な任務

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授業が終わって放心状態の編入生に教師は声をかけた。


「留目くん、今夜は御前様との夕食だから忘れないように。」

「御前様と夕食。どうして、僕が?」

「君の仕事は、御前様のお世話をする事だからだよ。」

「御前様のお世話。何のお世話ですか?」

「簡単な事だから、心配しなくていいですよ。御前様のお側に居るだけですから。」


仕事=お側に居る事。それだけで仕事になるのなら。でも、本当に、それだけなんだろうか。何か引っ掛かる。

おまけに、叔父からの電話だ。かける相手も居ないので使ってないから使い方の分からないスマホ。机の引き出しに入れっぱなしで怒鳴られた。


「すみません、電話があったのに気がつかなくて。」

「私の電話には、直ぐに出るんだ。この馬鹿野郎!」

「ごめんなさい、ごめんなさい!」

「ちゃんと、やってるんだろうな。絶対にバレないようにしろ。馨になりきるんだぞ。言われたら、何でもやれ!」


言われたらって、何を?聞いたら無視されて電話を切られた。一体、何をさせられるんだろう。

身代わりにしてまで、息子にやらせたく無かったって何?







日が沈むと、お城から迎えの車が学園に到着した。薫は支給された学園の制服で宿主と車に乗った。そして、お城の中へとはいる。

お城の中を案内されながら、薫は落ち着かない。自然と頼るように宿主の側から離れない。宿主は、笑った。


「カオルさん、緊張しなくていいんですよ。気構える事は、ありません。」


落ち着いた態度の宿主に思わず薫は言っていた。


「宿主先生みたいな男の人になりたいです。」

「カオルさん、間違えています。私は、女ですから。」


薫は、固まった。目の前の人は、背広姿で眼鏡をかけたオールバックだ。どう見ても痩せた体型の成人男性。女性には見えない。

どう答えていいのか分からないまま、食事の部屋に着いた。案内してくれたメイドが静かに出ていき2人きり。気まずい空気が流れる。


「こんばんは、宿主先生。」


恰幅の良い津海小路が息子の御前を連れて入って来た時には、救いの神に思えた。


「留目 馨くん、うちの第3王子を頼むよ。よく、世話をしてやってくれ。大事な跡取りだからな。」


世話をするって、何をすればいいんですか?

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