(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー20」トラブルの素

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何時もと違う腹を空かせた子猫。御前様は、学食の前で待っていた薫を見て気がついてしまった。


「何だ、やらかしたか?」

「え、やらかしたかって何で?僕は、大人しいです!」

「嘘、言え。問題児のくせに。俺は、救急車で運ばれたぞ!」

「ご、ごめんなさいー!」


学食の前で土下座する薫。申し訳なくて、全身土下座してもいいくらいに後悔している。慌てて、御前様は半泣きの薫を連れて学食へ入った。


「お前、頼むから目立ってくれるなよなー。」

「はう、すびません。メソメソ。」

「ほら、プディングやるから。食え。」

「うにゅー、嬉すいー!」


デザートにパクつく姿は、小さな子供みたいだ。御前様は、他人に対して保護欲を持った事が無い。妙な気分だった。

プディングを食べて薫は小さく呟く。「猫耳装着!」と。御前様の気持ちが知りたかったのだ。人の心も読める猫耳。


「御前様の心の中ー。」


薫は、息を詰める。ギュッギュッと押し付けられてるみたいで苦しい。御前様は、何時も圧迫されてるんだろうか。対人アレルギーのせいかな、可哀想!


『こいつを家で飼えたら何でも食わして可愛いがってやるのに。撫で回してえー!』


何なの、それは。僕を家で飼いたい?撫で回したい?本気ーー!


「どうした、顔が赤くなったぞ。熱でも出たか?」


心配した御前様の手が薫の額に触った。


「熱は無いみたいだけど、目が浮いてきたぞ。おい、カケオリル!」


はい、カケオリます。体温急上昇、鼓動超高速に転化、耐久力微力、対応能力ありません!


ブブブブ、ブッシューー!


頭に血が登って噴火!自滅いたしました。そのまま、卒倒!また、騒ぎを起こした問題児です。

失神なんて、初めての経験。でも、背負われた時に意識は戻っていた。医務室に走る少年の温かい背中を感じながら、幸せな気分を味わう。


(なんだろ、この気持ち。食べた事が無かったメロンを1口じゃなくて、1玉をもらった気分。すんごく、いい事があったよな。神さま、ありがとうーて言いたくなるよな!)


ふいに、切なくなる。そうだ、もう、お別れなんだ。この人と1緒に居られなくなるから。僕は、臨時に呼ばれただけなので処分されるんだもの。

そう考えただけで、胸が締め付けられる。悲しくて、たまらない。




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