(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー21 」医務室にお客様

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医務室に病人を連れて来たはずの御前様が、ベッドに運ばれてしまう。医務室の前で動けなくなってしまったのだ。


「御前様、どうしちゃったんですか。大丈夫ですか!」


涙も忘れて青ざめた薫が動かない御前様を揺すぶる始末。医者は、生徒を呼んで医務室の中へ運ばせる。


「安静にしてれば治るから、留目くんは静にしていて。」


静にしていろと言われてしまいました。点滴を受ける様を眺めてるしか無い。そういえば、ここ何日かの昼食は手付かずだった。病気だったんだ。


「それなのに、僕の世話して。御前様は、優しいんだから。自分の心配しなくちゃ!」


自分が居なくなるのが、嫌になってきた。もっと、御前様と居たいのに。その時、生徒達が医務室に入って来た。


「すみません、彼女が病気なんです!」「倒れたんです、診てください!」


血相を変えた男子生徒たちに付き添われているのは、話題の編入生だった。気分が悪そうにフラフラしていて、男子生徒に両脇から支えられている。


(あー、ミエルちゃんだ。どうしたのかな?)


編入生の百合谷 織姫こと引退したアイドルの美山 美絵瑠のソックリさん。気分が悪そうでも、可愛い。

ツツツツーー。

「百合谷さん、ダメだよ。そっちに行ったら。」

「御前様が、寝てるんだから!」


百合谷は、目を見開いてパチパチさせた。


「え、御前様?この人とが、御前様なの?」


そして、薫を押し退けてベッドに貼りつく強さ。何が目的なのか、見え見えだった。


「御前様、大丈夫?百合谷です、はじめまして。心配だわ!」


ギュッと御前様の腕を掴んだので、薫はビックリ。何をしてるんだろう。馴れなれしく触ったりして。

それが、実は針を指していたというのを後から知るのだ。針を刺した事で相手の行動を知る事ができるという魔道具だった。

この編入生、ただ者では無い。
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