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「 1ー22 」返して頂きます
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御前様には、休める場所が必要だ。医師の判断で一般生徒の入れない特別室へ移される事となった。
付き添っていた薫は、入って来た宿主に椅子から立ち上がる。怖くて仕方ない。でも、隠して挨拶をした。
「君も体調が悪かったと聞きましたが、良くなりましたか?」
「は、はい。御前様の方が悪くなってしまって。」
「そうですか。では、返して頂きますよ。」
「え、返すって?」
何の事か分からない。宿主は、薫を見た。上げた手に、薫は怯える。何をする気なのか。その手は、薫の胸ぐらを掴んだ。驚いて逃げようとする薫。
「宿主先生、離して。ぐっー!」
薫は、全身を強ばらせた。宿主が空いている手を薫の胸板から捩じ込んだからだ。宿主は、薫の身体の中から光る玉を取り出した。
「後任の枕香が就任しますから、あなたは用なしになりました。ゴミですよ。」
薫は胸から血を流し痛みに声さえ出ない。そんな少年に目もくれず、宿主は光る玉を大事そうに袋に入れた。
「では、ゴミは捨てなくては。」
薫を肩に担いで医務室を出て行く男。いや、宿主は女性であった。
人に見られないように目眩(めくら)ましの術を掛けた宿主の姿は、普通に歩いているだけに見えただろう。
学園の裏手に有る雑木林の向こうには、深い穴が有った。そこは、この町のゴミの廃棄場所となっている。
「ご苦労様でしたね、留目 馨さん。分解魔法!」
宿主が投げ込んだ少年に身体を分解する魔法を施す。後で見つけられない為だ。ゴミの中を人形のように転がり落ちて行く身体。
誰も知らずに終わった処分だったのに実は見ている者がいた。宿主が立ち去ると、穴の中へ飛び込む影。それは、一匹の黒い狼だった。
「馨、馨ーー!」
上がる叫ぶ声。ゴミの上へ動かない少年を服を噛んで引き出す狼。狼は、懸命に名を呼ぶ。人狼であったのだ。
小さな影がピョコンと現れる。
「鼠ーー?」
「驚かれるな、御前様よ。私は、鼠下駄でござ候う。薫どのは、生きておられます。ご安心下さい。」
狼の姿をした御前様は、喋る鼠を疑わし気に見つめた。信用して良いのか分からない。人間のように話す鼠とは初めての体験だからだ。
付き添っていた薫は、入って来た宿主に椅子から立ち上がる。怖くて仕方ない。でも、隠して挨拶をした。
「君も体調が悪かったと聞きましたが、良くなりましたか?」
「は、はい。御前様の方が悪くなってしまって。」
「そうですか。では、返して頂きますよ。」
「え、返すって?」
何の事か分からない。宿主は、薫を見た。上げた手に、薫は怯える。何をする気なのか。その手は、薫の胸ぐらを掴んだ。驚いて逃げようとする薫。
「宿主先生、離して。ぐっー!」
薫は、全身を強ばらせた。宿主が空いている手を薫の胸板から捩じ込んだからだ。宿主は、薫の身体の中から光る玉を取り出した。
「後任の枕香が就任しますから、あなたは用なしになりました。ゴミですよ。」
薫は胸から血を流し痛みに声さえ出ない。そんな少年に目もくれず、宿主は光る玉を大事そうに袋に入れた。
「では、ゴミは捨てなくては。」
薫を肩に担いで医務室を出て行く男。いや、宿主は女性であった。
人に見られないように目眩(めくら)ましの術を掛けた宿主の姿は、普通に歩いているだけに見えただろう。
学園の裏手に有る雑木林の向こうには、深い穴が有った。そこは、この町のゴミの廃棄場所となっている。
「ご苦労様でしたね、留目 馨さん。分解魔法!」
宿主が投げ込んだ少年に身体を分解する魔法を施す。後で見つけられない為だ。ゴミの中を人形のように転がり落ちて行く身体。
誰も知らずに終わった処分だったのに実は見ている者がいた。宿主が立ち去ると、穴の中へ飛び込む影。それは、一匹の黒い狼だった。
「馨、馨ーー!」
上がる叫ぶ声。ゴミの上へ動かない少年を服を噛んで引き出す狼。狼は、懸命に名を呼ぶ。人狼であったのだ。
小さな影がピョコンと現れる。
「鼠ーー?」
「驚かれるな、御前様よ。私は、鼠下駄でござ候う。薫どのは、生きておられます。ご安心下さい。」
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