(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー11 」この気持ち

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夕食の時間ーー。


食堂の入り口に立っている美少年は、津海小路総理事長の子息で通称「御前様」である。

待つのが薫だったのに、今は御前様が待つのが習慣となっている。早めに出て来た御前様の麗しい姿に生徒達は遠巻きに眺めていた。


「やっぱり、素敵ねえ。御前様は!」

「接近禁止が無ければ、アタックするのに。人アレルギーなんて悲しすぎる!」


御前様が人アレルギーというのが知られたので強引に近づいて来る者は居ない。寄って来るのは、坂道  薫だけだった。


「あのさ、坂道くんて編入生だよね。他に留目くんて子が居なかった?」

「居ないよ、勘違いじゃない。」


魔法で忘れさせられていても、思い出す者がいる。でも、直ぐに忘れてしまった。魔法が掛かってるからだ。

普通科の女子生徒と話している薫を御前様は眺めていた。何かを、受け取っている。また、手紙か。日が立つに連れてモテているようだ。


「ね、御前様。また、手紙をもらっちゃったよ。」


そうやって、嬉しそうに見せる顔。毎日、見てるはずなのに日毎に可愛くなる気がするのだけど。気のせいだろうか。不思議だった。


「お前、今日も可愛いな。」

「え、本当に?嬉しいなー!」


大喜びで定食を食べ出す少年。そのカツを口に運ぶ様が、惹き付けられるのは何でだろう。


「嫌だ、見つめちゃ。カツが好きなの?あげるよ。」

「あー、カツ?いいよ、俺はステーキだから。」


薫は、学園の奨学生になって留目家とは縁が切れた。学費や寮費や生活費が援助されている。だからか、少しフックラとしてきた。


(何だろう、美味しそうなんだ。こいつが!)


時々、この子を食べたくなるのは何の衝動なんだろう。そんな欲望は、「しかん」で解消されてるはずなのに。

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