(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー12 」出来る子

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寮の管理をしてる社員が生徒に届いた手紙を机の上に置いてくれるのだが、薫にも届けられた。


「父さんからだ。留目の家から転送されたのかな。あ、叔父さんのもある!」


また、怒って文句を書いた手紙だろう。恐る恐る片目をつむって手紙を開いてみる。


「えっと、「坂道 薫様、お元気でおられますか」だって。何、どうしたの?」


敬語を使った文章に驚かされる。挨拶の後に最近の生活が書かれており、驚くものだった。


「家を立ち退きって、僕に頼むって。何で?」


救ってくれるのは、薫しか居ないという内容だった。津海小路総理事長に話しをしてくれというが、薫が言って何が変わるのだろう。


「うーん、困ったなあ。どうしょう。あの人、苦手なんだもん。」


でも、世話になってたわけだし。父親の手紙にも何とかしてやって欲しいと書いてある。威張っていた叔父は会社も家からも追い出されるという。







仕方ないので、総理事長に会いに行く。偉い人の入る上階の部屋へと上がって秘書に面会を求た。すると、直ぐに会ってくれたのだ。

総理事長室の皮の椅子から立ち上がった津海小路氏は、満面の笑顔で出迎えてくれた。好意的だ、話が上手くいくかもしれない。


「いやあ、よく来てくれたね。坂道くんには、恩がある。何でも言ってくれたまえ。」


じゃあ、遠慮なく。薫は、叔父の事を話した。


「留目の家の事は、ご先祖からの契約なんだ。契約違反をしたからには、約束を果たさないとね。嘘は、いけないよ。」

「あの、約束って?」

「わしのご先祖様は、大昔に留目家に田畑と屋敷に大枚の大判小判を与えたんだ。津海小路家から依頼があった時には、我が子を生け贄に差し出すとな。」

「それって、大昔でしょ?時間も立ってるし、変えてもいいと思うけど。」

「それでは、掟の意味が無い。そうは思わないかな?」

「で、ででででででも、僕は世話になってたから(飯も食べさせてもらえなかったけど)。お願いします、助けて下さい!」


薫は、必死になって頼んだ。いくら、虐められたとしても。不幸になるのを見てられない。あれだけ、威張ってた叔父と家族が家も財産も取り上げられるのは可哀想だ。


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