(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー15 」楽しい事なんて無い

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三条 鮎次郎は、病院で検査ばかり受けてウンザリしていた。自分実験台のモルモットになった気分だ。資料として残そうとしている思惑が見えてしまう。


(どうせ、僕なんか。居なくなっても、いいからな!)


生まれた時に区別するように付けられた「次郎」という名前が嫌いだ。


「鮎次郎さん、参りましょうか?」


そう呼ぶ、この宿主という教師は大嫌いだ。1つ年上の兄が同じ学園に在籍している為に名字では無く名前を呼んで区別している。

病院へ迎えに来た宿主の車に乗って鮎次郎は言ってみた。


「先生、僕の追っかけが学園に入ってるみたいなんですけど。」

「ああ、あの生徒がですね。気にしなくて良いと思います。」

「気にしなくてって、何ですか。それ?」

「だから、いいんですよ。そういう事です。」


こっちは、身の危険を感じて言ってるのに本気にしない。学園に来る前はストーカーに悩まされた。しつこいのが数人いて、その中の若い男がしつこくて。

どうせ、あんたなんか持ってる私物を取られたりカメラで狙われたりした事なんて無いだろうしさ。分からないよね。








全寮制の学園だが、1般寮と特別寮に別れていた。特別寮には、1階が教師の寮で2階3階と特別扱いされる生徒の個室になっている。

そこへ、鮎次郎は兄の壱論と別々の部屋で寝起きしていた。壱論も同じ能力があるのだが、弟とは反対に楽しんでいるように見える。


「また、やってるよ。何、考えてんだか。」


寮の部屋に戻って窓の下から聞こえる嬌声に窓から見下ろすと壱論と取り巻きだった。笑顔で女生徒や男子生徒と談笑しているのだ。


「あんな風に能天気になれたら、僕も楽に生きられたろうに。」


そう、1人で愚痴る。全く正反対の性格の兄と弟だった。

ドアをノックして宿主が入って来た。下級生の男子生徒を連れている。鮎次郎の目が吊り上がる。チョコマカと側をウロウロしていた生徒。病院に入院するはめになった原因。なのに。


「学園の会議で、君に友達を作る事が決まりました。指田 保くんです、仲良くして下さい。何時も君は1人だからね。」


1人で居たいからだ、構うなよ。それも、よりによってストーカーを連れて来るなんて。最低だ!


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