(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー17 」欲しい物

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2階の鮎次郎の部屋を出て3階の自分の部屋へと有城ながら、保は考えていた。


(もしかして、嫌われてるのかな。僕は?)


態度が冷たい鮎次郎。目も合わせようとはしないし、ピリピリしているのが伝わってくる。


(それでも、いいんだ。側に居られるだけで、嬉しい。遠くから見てるしか無かったんだから。)


部屋に入ると、目を閉じて見た彼の姿を頭に思い浮かべる。不機嫌に細められた目も、歪められた唇も素敵だった。

月の冷たさにも似た容貌。月の女神アルテミスのように。だから、胸の中で女神のように輝いているんだ。


「好きだ、鮎次郎さん。僕の女神さま!」


どんな辛い事があったって、君の事を考えたら忘れられた。優柔不断なせいで文句もいえず虐められていたけど、乗り越えられたんだ。








宿主は取り消しを頼みに来た鮎次郎に冷ややかに答えた。


「いいと思いますよ、私は。あなたが学園に居るのは、後少しですし。」

「後少しって、決まったんですか?」

「総理事長は、あなたを預ける施設のベッドが空くのを待っておられました。入所できると施設から連絡が入りましたので決定したわけです。」

「僕は、聞いてません!」


鮎次郎は、抗議した。自分の人生なのだ。まるで、犬か猫みたいに勝手にきめるな。処置が終わったら閉じ込められてしまう。動けるのは今だけなのに。


「あなたの意志は関係ないと思いますが。」


無表情な宿主は怒っている鮎次郎の顔を見返して残酷な言葉を投げつけるのだ。


「処置されて魔力を抜かれた者は、自分が誰なのかも分からなくなる。1人で生活するのも、ままならない。だから、私達が決めてあげるんです。」


それは、鮎次郎の考えまいとしてきた事実だった。自分は必要の無い人間なのだ。
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