(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー25 」呼ばれてない人

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♪誰かさんと誰かさんが~~~という歌声が聞こえる。窓から聞こえてくる声に部屋の中で薫は耳をすませた。小さな頃に婆ちゃんが唄ってた気がする。


「誰が唄ってるんだろう?」


パトロンが付いた薫。総理事長が押し付けたカードを使いヤケになって本屋でコミックを買い漁る。部屋の中にコミックが山積みされた状態だった。

欲しい物と言われても、こんな物くらいしか思い付かない貧乏育ち。


「モト先生のコミックは、止められない。「◯◯の一族」て素敵だなあ!(ファンでした)」


BLって、純愛かもう。御前様って美しいけど、抱きたいとか抱かれたいとか思わないよね。僕は、修行が足りません。

トントンとドアが叩かれた。宿主が花束を持って立っている。この学園で花束が1番に似合わない人だろう。


「総理事長からお預かりしました。今夜、お食事をしたいそうです。」


こちらの了解なしで食事に付き合え攻撃なのが総理事長らしい。ただの強要じゃないか。そこに、愛は無いじゃないか。プンー。

でも、行かなくてはいけないんだ。分かっているけど、苛つく。








夕刻、学園の前に高級車が迎えにやって来るのだ。総理事長の運転手付き自家用車。あの西洋のお城へと運ばれる。

いずれ結婚したら、あそこに住むのかと思うと泣きたくなる。嫌だ。


「なんだ、カケオリル!どうして、うちに居るんだ?」


バッタリ、御前様と出くわした。薫は、何と言っていいのか分からない。


(あなたのお父さんにプロポーズされてるなんて言える?言えないよ。もうすぐ、義理の母親になるなんて!)


あれっ、男でも母親なのかな。考えあぐねる薫なのに、御前様は耳打ちしてくるのだ。


「ね、あの「あふうん」をやってくれよ。」

「え、やってくれって。僕は覚えてないから、やり方を知らないんです。それより、聞いて欲しい事が。」

「やり方を知らないって、嘘だろ。餌付けしといて、お預けは無いよ。ムラッとしてきてさ、頼むよ!」

「御前様は、それだけが目的なの?」


腹が立って、思わず言ってしまった。そうじゃないと思いたいけど、それだけなんて悲しい。僕を好きなんだって言って欲しい。

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