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(16) 意外だった事
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スペンサー伯爵は、気落ちしていた。出会った事の無い凄腕の商人の勧めだけに、守護の術という物に期待していたのだ。
(なんだ、あれは?ちょっと呪文を唱えただけではないか。あんな子供染みた方法でモンスターが防げるとは、馬鹿馬鹿しい!)
信じた自分が、愚かだった。そう思って、彼は諦めてしまった。商人ゴメスとカーター家の当主エレンに腹を立てながら。
だが、その真実は数日後に明らかになる。モンスターの襲来だった。
「旦那様、モンスターが攻めて来ています!」
寝ていた伯爵は跳ね起きる。直ぐに甲冑をつけて馬に飛び乗るのだった。
それは、辺境伯爵家の当主の宿命。隣国だろうと、モンスターだろうと、この領地と国を守る為に命を掛ける。
代々、戦い続けて来たのだが・・・
「伯爵様。何ですか、あれは?」
隊長が戸惑いを隠せずに、伯爵に尋ねる。聞かれて、伯爵は返事に困った。自分も驚いてしまっているからだ。
ドゴーン、ドゴーン、ガンガンー!
モンスター達が、暴れている。国境の向こうで。まるで、見えない線が引かれているかのように入って来れないらしい。
伯爵も兵士も、呆気にとられて眺めていた。時間が立つと、見えない壁が有る事を理解し始める。伯爵は、呟いた。
「ここまで、効能があるとは。守護の呪術は、入って来させないのか!」
その呟きを、隊長は聞き逃さない。
「それは、本当ですか?伯爵は、国境に結界を張られたのですね!」
大喜びの兵士達。その反対に伯爵は、力を落とす。信じられない、こんな事が出来るとは。エレンは何者なのだ。
(いや、それより。あの男。商人のゴメスは、恐ろしい奴だ!)
伯爵家は、モンスターと戦い続けてきた。それが、あんな小娘が唱えるだけで必要が無くなったのだ。
多くの兵士が血を流し命を失った。それを、あの男が動いただけで終わるだと?
何故、私の前に現れた。当然、必要な物が有るからだろうが。私から、何を引き出す気なのだろう。
(なんだ、あれは?ちょっと呪文を唱えただけではないか。あんな子供染みた方法でモンスターが防げるとは、馬鹿馬鹿しい!)
信じた自分が、愚かだった。そう思って、彼は諦めてしまった。商人ゴメスとカーター家の当主エレンに腹を立てながら。
だが、その真実は数日後に明らかになる。モンスターの襲来だった。
「旦那様、モンスターが攻めて来ています!」
寝ていた伯爵は跳ね起きる。直ぐに甲冑をつけて馬に飛び乗るのだった。
それは、辺境伯爵家の当主の宿命。隣国だろうと、モンスターだろうと、この領地と国を守る為に命を掛ける。
代々、戦い続けて来たのだが・・・
「伯爵様。何ですか、あれは?」
隊長が戸惑いを隠せずに、伯爵に尋ねる。聞かれて、伯爵は返事に困った。自分も驚いてしまっているからだ。
ドゴーン、ドゴーン、ガンガンー!
モンスター達が、暴れている。国境の向こうで。まるで、見えない線が引かれているかのように入って来れないらしい。
伯爵も兵士も、呆気にとられて眺めていた。時間が立つと、見えない壁が有る事を理解し始める。伯爵は、呟いた。
「ここまで、効能があるとは。守護の呪術は、入って来させないのか!」
その呟きを、隊長は聞き逃さない。
「それは、本当ですか?伯爵は、国境に結界を張られたのですね!」
大喜びの兵士達。その反対に伯爵は、力を落とす。信じられない、こんな事が出来るとは。エレンは何者なのだ。
(いや、それより。あの男。商人のゴメスは、恐ろしい奴だ!)
伯爵家は、モンスターと戦い続けてきた。それが、あんな小娘が唱えるだけで必要が無くなったのだ。
多くの兵士が血を流し命を失った。それを、あの男が動いただけで終わるだと?
何故、私の前に現れた。当然、必要な物が有るからだろうが。私から、何を引き出す気なのだろう。
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