12 / 93
二人目
しおりを挟む
「のどかわいた…」
みほちゃんが不意にそんなことを言い出した。あんまり長距離を歩いた感じはしないけど、次々景色が変わるから、何となくすごくいろんなところに行ったような気分にはなるな。
と言うか、実際に行ってるけど。海外旅行なんて興味もなかったから、何気に初海外だったんだよな。
なんてことはさておき、喉が渇いたとなれば水分補給しない訳にもいかないな。
さりとて、自動販売機は明らかに品物が出てこないだろうし、スーパーとかに寄ろうにも僕は外国のお金とか持ってない。
「勝手に持ってくればいいじゃないか」
ニヤニヤ笑いながらクォ=ヨ=ムイが言う。
「子供の前でそんなこと言わないでください…!」
僕がそう言うと、みほちゃんも僕の後ろに隠れるようにしてだけど、
「かってにもってっちゃいけないんだよ。どろぼうだよ」
ってクォ=ヨ=ムイに向かって言ってくれた。ああ、いい子じゃないか。
「…へっ……」
クォ=ヨ=ムイはニヒルな笑みを浮かべながら肩をすくめる。本当に人を苛立たせる天才だな。いや、神様だけど……
まあそれはさておき、仕方ないので一旦、日本に戻ることにした。日本なら、病室を出る時に持ってきた財布に入ってるお金が使えるし。お金さえ置いておけば泥棒には…、ならないよな、たぶん。
だけど最近は、レジでバーコードとか読ませて商品管理してるんだっけ。そうするとコンビニとかでお金だけ置いていっても店側は困るのかな。
「世界が終わるかどうかという時に、よくそんな呑気なこと言ってられるな、お前」
呆れたように言ってくるクォ=ヨ=ムイを無視して、僕は次に立ち寄った日本のどこかの商店街の中で、バーコードを読むやつじゃない昔ながらのレジを使ってるタコ焼き屋の店頭の冷蔵庫からペットボトルのフレーバー付きミネラルウォーターを出して、作り置きのタコ焼きももらって、代わりにお金をレジの脇に置いた。
そのペットボトルは小さい子でも握り潰せるくらいに柔らかいものだったから、みほちゃんにもちょうどいいと思った。
「ぎゅっと握ったらお水が出てくるから、それをお口に入れると飲めるよ」
飲み方を教えてあげると、「こうかな?」って言いながらぎゅっとペットボトルを握ったみほちゃんが、
「わあ、おもしろい!」
って、空中に浮かんだ水の塊を口に入れて飲んでた。
僕はそのうちに、商店街の中に現れてた怪物を追い払う。
でも今回のは、みほちゃんの為に日本に戻ってきただけだったから、割とまだ余裕のあるところだった。
大学生くらいの若い女の子の首に触手が伸ばされてたけど、届いてなかったんだ。
「やれやれ、やっと二人目か」
そう言ってクォ=ヨ=ムイは指をパチンと鳴らしたのだった。
みほちゃんが不意にそんなことを言い出した。あんまり長距離を歩いた感じはしないけど、次々景色が変わるから、何となくすごくいろんなところに行ったような気分にはなるな。
と言うか、実際に行ってるけど。海外旅行なんて興味もなかったから、何気に初海外だったんだよな。
なんてことはさておき、喉が渇いたとなれば水分補給しない訳にもいかないな。
さりとて、自動販売機は明らかに品物が出てこないだろうし、スーパーとかに寄ろうにも僕は外国のお金とか持ってない。
「勝手に持ってくればいいじゃないか」
ニヤニヤ笑いながらクォ=ヨ=ムイが言う。
「子供の前でそんなこと言わないでください…!」
僕がそう言うと、みほちゃんも僕の後ろに隠れるようにしてだけど、
「かってにもってっちゃいけないんだよ。どろぼうだよ」
ってクォ=ヨ=ムイに向かって言ってくれた。ああ、いい子じゃないか。
「…へっ……」
クォ=ヨ=ムイはニヒルな笑みを浮かべながら肩をすくめる。本当に人を苛立たせる天才だな。いや、神様だけど……
まあそれはさておき、仕方ないので一旦、日本に戻ることにした。日本なら、病室を出る時に持ってきた財布に入ってるお金が使えるし。お金さえ置いておけば泥棒には…、ならないよな、たぶん。
だけど最近は、レジでバーコードとか読ませて商品管理してるんだっけ。そうするとコンビニとかでお金だけ置いていっても店側は困るのかな。
「世界が終わるかどうかという時に、よくそんな呑気なこと言ってられるな、お前」
呆れたように言ってくるクォ=ヨ=ムイを無視して、僕は次に立ち寄った日本のどこかの商店街の中で、バーコードを読むやつじゃない昔ながらのレジを使ってるタコ焼き屋の店頭の冷蔵庫からペットボトルのフレーバー付きミネラルウォーターを出して、作り置きのタコ焼きももらって、代わりにお金をレジの脇に置いた。
そのペットボトルは小さい子でも握り潰せるくらいに柔らかいものだったから、みほちゃんにもちょうどいいと思った。
「ぎゅっと握ったらお水が出てくるから、それをお口に入れると飲めるよ」
飲み方を教えてあげると、「こうかな?」って言いながらぎゅっとペットボトルを握ったみほちゃんが、
「わあ、おもしろい!」
って、空中に浮かんだ水の塊を口に入れて飲んでた。
僕はそのうちに、商店街の中に現れてた怪物を追い払う。
でも今回のは、みほちゃんの為に日本に戻ってきただけだったから、割とまだ余裕のあるところだった。
大学生くらいの若い女の子の首に触手が伸ばされてたけど、届いてなかったんだ。
「やれやれ、やっと二人目か」
そう言ってクォ=ヨ=ムイは指をパチンと鳴らしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる