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自己紹介
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正直、僕は<みほちゃん>とクォ=ヨ=ムイを連れてる時点で手一杯で、その大学生くらいの女の子のことまで構う余裕もなかった。だから本音ではついてこないでくれた方が助かった。なのに彼女はそれを逆手に取るかのように。
「なんか…私がいる方が迷惑って顔してますね……
気が変わりました。いいですよ。一緒に連れていってください。ただし、終わったらここに戻してくださいよ。私、この後で約束があるんですから」
だって。
『何でこうなるんだ……』
ハーレムと言えば<男の夢>みたいな風潮があるみたいだけど、僕みたいに人付き合いが苦手な人間には逆に拷問みたいなもんだよ。クォ=ヨ=ムイ、みほちゃんに加えて三人目なんて……
「はっはっは、残念だったな。お前の意図に反してなかなか順調じゃないか。もっとも、今の状態だとさすがに<ハーレム>というにはいささか色気が足りんが」
ホントにどこまでも人を小馬鹿にするな、この<神様>……
でももうそれは諦めて、僕は先を急ぐことにした。
「で、結局、何をやってるんです?」
次の場所に移動しようとすると、大学生くらいの女の子が尋ねてくる。そういえばそれについては説明してなかったな。
「それも口で説明するより見てもらった方がいいと思う。じゃあ、いくから」
そう言って僕は次の現場へと移動した。まるで画面が切り替わるように周囲の様子が代わって、彼女が「うわっ!?」って声を上げた。
「な、な、な…!?」
取り敢えず説明は後にして、人混みの中に現れてた<一つ目の怪物>を薙ぎ払う。
「か、怪物……!?」
僕が怪物を始末するの見て、彼女がやっぱり声を詰まらせる。それに振り返りながら、
「まあ、こういうことだよ。今の怪物が世界中に現れてるそうで、僕は二百万倍に加速されて、その退治をして回ってるってことなんだ」
と説明する。
「ま、ちょっとしたアトラクションだよ。アトラクション。もっとも、ゲームオーバーはお前達人間の破滅だがな」
クォ=ヨ=ムイはニヤニヤと笑いながらそう付け足してくる。
すると大学生くらいの女の子は、キッとクォ=ヨ=ムイを睨みつけつつ言った。
「吉佐倉綾乃……」
「…え…?」
「吉佐倉綾乃。それが私の名前です。あなたは?」
「…あ、僕は神河内錬治。この子は、くりさきみほちゃん。それでこっちのはクォ=ヨ=ムイ」
「…クオ…?」
「クォ=ヨ=ムイだ。まあ名前などどうでもいいがな」
「…とにかく、僕達はこうやって世界中を移動してる。でも、今回のも間に合わなかったみたいだ……」
怪物の触手が首に食い込んでた黒人男性を見ながら、僕は吐き出すように言ったのだった。
「なんか…私がいる方が迷惑って顔してますね……
気が変わりました。いいですよ。一緒に連れていってください。ただし、終わったらここに戻してくださいよ。私、この後で約束があるんですから」
だって。
『何でこうなるんだ……』
ハーレムと言えば<男の夢>みたいな風潮があるみたいだけど、僕みたいに人付き合いが苦手な人間には逆に拷問みたいなもんだよ。クォ=ヨ=ムイ、みほちゃんに加えて三人目なんて……
「はっはっは、残念だったな。お前の意図に反してなかなか順調じゃないか。もっとも、今の状態だとさすがに<ハーレム>というにはいささか色気が足りんが」
ホントにどこまでも人を小馬鹿にするな、この<神様>……
でももうそれは諦めて、僕は先を急ぐことにした。
「で、結局、何をやってるんです?」
次の場所に移動しようとすると、大学生くらいの女の子が尋ねてくる。そういえばそれについては説明してなかったな。
「それも口で説明するより見てもらった方がいいと思う。じゃあ、いくから」
そう言って僕は次の現場へと移動した。まるで画面が切り替わるように周囲の様子が代わって、彼女が「うわっ!?」って声を上げた。
「な、な、な…!?」
取り敢えず説明は後にして、人混みの中に現れてた<一つ目の怪物>を薙ぎ払う。
「か、怪物……!?」
僕が怪物を始末するの見て、彼女がやっぱり声を詰まらせる。それに振り返りながら、
「まあ、こういうことだよ。今の怪物が世界中に現れてるそうで、僕は二百万倍に加速されて、その退治をして回ってるってことなんだ」
と説明する。
「ま、ちょっとしたアトラクションだよ。アトラクション。もっとも、ゲームオーバーはお前達人間の破滅だがな」
クォ=ヨ=ムイはニヤニヤと笑いながらそう付け足してくる。
すると大学生くらいの女の子は、キッとクォ=ヨ=ムイを睨みつけつつ言った。
「吉佐倉綾乃……」
「…え…?」
「吉佐倉綾乃。それが私の名前です。あなたは?」
「…あ、僕は神河内錬治。この子は、くりさきみほちゃん。それでこっちのはクォ=ヨ=ムイ」
「…クオ…?」
「クォ=ヨ=ムイだ。まあ名前などどうでもいいがな」
「…とにかく、僕達はこうやって世界中を移動してる。でも、今回のも間に合わなかったみたいだ……」
怪物の触手が首に食い込んでた黒人男性を見ながら、僕は吐き出すように言ったのだった。
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