オオカミ竜・ジャック ~心優しき猛獣の生き様~

京衛武百十

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異様な生き物

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ジャック達が発見した<異様な生き物>は、日がな一日、土をいじっていた。そこにはたくさんの草が生え、その異様な生き物が、地面から大きく盛り上がった土に開いた巣穴に入って見えなくなると、インパラ竜インパラガゼル竜ガゼルらがその草を食みに寄ってきた。

そうしてインパラ竜インパラガゼル竜ガゼルらが草を食んでいる間は異様な生き物は巣穴から出てこない。

ジャックはその様子をじっくりと観察した。仲間達は気味悪がって見たがらないが。ジョーカーの兄さえ、

『危ないのでやめておいた方がいい』

的にジャックを下がらせようと促してくる。

しかしジャックが受けた印象としては、確かにあまりに異様で不気味で気持ち悪いそれではあるものの<危険>という気配は感じなかった。こちらから関わろうとしなければ向こうも関わってこないだろうという予感は強くあった。それよりも、インパラ竜インパラガゼル竜ガゼルといった獲物が近くにいるというのは何より魅力的だ。

しかも、自分達の方から近かったガゼル竜ガゼルの群れに、ジョーカーの兄と他三頭を連れて狩りを行ったが、やはりあの異様な生き物は巣穴から出てくることさえなく、自分達の邪魔はしなかった。

それを確かめたジャックは、再び他のオオカミ竜オオカミやレオンの群れが自分達の縄張りを荒らしていないか、パトロールに出ることにした。群れが十分に大きくなったことで、自分を先頭に縄張りをパトロールする班と、子供達を守る班とに分ける。ジョーカーの兄には、子供達を守る班のリーダーを任せた。子供達を守りつつ、チャンスがあれば狩りもしてもらうためだ。

ジョーカーの兄は、そんなジャックの意図を察してくれた。他の者ではこうはいかなかっただろう。だから任せられる。



こうしてジャック達は、縄張りを守りつつ狩りも行い、なんとか飢えることなく過ごすことができていた。

だが、明らかに獲物の数は減ってきている。こちらに移動してきた群れも見かけなくなってはきたものの、逆にそれによって糧が減ってきたのも事実だ。

自分達の縄張りを超えた辺りには獲物の姿もまだ見える。だからジャックは、決断した。

『自分がこの先に進んで獲物を捕らえ、持ち帰ろう』

と。この辺りは、獲物は減ってしまったものの他の群れも見かけなくなったことでかなり安全になったはずだ。だから群れ全体で他の縄張りに入り込むよりも、自分を先頭とした小さなグループでさっと行って獲物を捕らえてさっと帰ってくれば危険も少ないはずだ。

そう考えたのである。

だが、それを実行しようとしたジャックの視線の先には、

『なんだ……あれは……?』

さらに異様な<何か>の姿があったのだった。

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