オオカミ竜・ジャック ~心優しき猛獣の生き様~

京衛武百十

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ロボット同士の連携

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ゴムスタン弾を頭で受けることで凌げることに気付いたジョーカーの兄は、頭を下げてそれを盾にして突撃した。そして目前まで迫ったところでぐわっと食らい付こうとする。

が、今度は横から衝撃を受けて体がぐらついた。もう一機のロボットが自動小銃を放ったのだ。

ロボット同士の連携が活かされている。

ジャックの仲間達の連携も非常に優れてはいるものの、ロボットのそれは、

『別々の体を持っているものの実際には一体のロボットである』

とさえ言えるものなので、次元が違うのだ。小さい方のロボットは指揮官機と思しきロボットの体の一部とすら言っていいものなのである。

けれどもちろんジョーカーの兄にはそれが理解できない。できないからあくまで、

『大きいのが一匹と小さいのが二匹』

という認識である。ゆえに自分が頑張れば勝てるかもしれないと考えてしまう。

だからこそ諦めることができない。

なにより、それほど強そうに見えないのだ。異様なのは確かなのだが、そこから迫力とでも言うべきものがまったく伝わってこない。

これも結局、生き物の場合は、見た目に現れる筋肉などの様子が<強そうという印象>に影響するからかもしれない。

その点では、小さい方のロボットは、腕はそれこそ細く、脚も決して太いわけではない。とにかく力強さが感じられないのだ。

見た目の気持ち悪ささえ除けばなるほど勝てそうに思ってしまうのも無理はないかもしれない。普通に人間の目で見ても決して強そうには見えないロボットなのだ。

とは言え、普通の人間の力だけではゴルフクラブ一本曲げるのも容易ではないはずなので、『細い=生身の生き物でも勝てる』とは言えないだろうが。

つまり、いくらオオカミ竜オオカミとしては知能が高い方とは言え、そこまでのことを理解できるわけではないということではある。

けれど、それを『愚か』と言うのも違うのだろう。ジャック達は生きるために己の能力を最大限に用いているのだ。『相手が悪かった』としか言いようがない。

言いようがないのだが、なおも踏みとどまって再度突撃を図る。するともう一機のロボットの方にも、ジョーカーの兄の様子を見て察したか、同じようにして頭を下げて突撃する者が現れた。そちらも、ゴムスタン弾の直撃を頭で受けて耐えてみせる。

なのにロボットの方も今度は互いに援護し合うようになった。その狙いも実に正確だ。これなら、それぞれに襲い掛かってくるオオカミ竜オオカミを横から狙える。

簡単に攻略はできない相手ということだ。

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