85 / 91
ママ、私、幸せだよ
しおりを挟む
お盆にもお墓参りに行ったけど、ママの<命日>が近いってことで、またお墓参りに行くことになった。
家族が殺されたら犯人を死刑にしたいっていうのは当たり前だって私も思う。もし私のママを殺したのが神様とかだったら、私はその<神様>を死刑にしてほしいと思う。<神殺し>とかいう武器が手に入るんだったら、それを持って神様を殺しに行きたい。
だからさ、『なんで人を殺したのにすぐ死刑にならないの?』って私も思うんだ。しかも、戦争になったら人を殺しても死刑にならないなんて、それこそ意味分かんない。
でも、パパの言うことも、すごく難しいけど分かる気がする。今はまだムリでも、もう少し大きくなったらちゃんと分かるようになると思う。それに、戦争になってパパが兵隊として戦って敵の人を殺したからって死刑になるのもイヤだ。っていうも分かる。
だからそれはもういいんだ。
またパパと一緒にいっぱい電車に乗ってママに会いに行く。自動車もほとんど走ってないのに信号をちゃんと守って横断歩道を渡って、ママのお墓がある山に行く。あの笑っちゃうくらい急な坂を上ってママのお墓の前に立つ。
「来たよ、ママ……」
もう何度も何度もやったこと。お墓を綺麗にして、お花を供えて、お水をあげて。
パパと一緒に。
大人になったら、私一人でくくることも多くなると思う。ママに話したいこととかができたら来るんだろうな。
ママ…どうして死んじゃったのさ。ママと話したいだけなのにこんなところまで来なきゃいけないなんて大変だよ。ママと一緒にゲームしたいよ。ママと一緒に美味しいご飯食べたいよ。
ママ…私、世界で一番、ママのことが好きなんだよ? パパは二番目なんだ。パパには悪いけど、二番目なんだ。
なんでだよ…なんでママが死ななきゃいけないんだよ…おかしいよ……
イヤだよ、イヤだよ……ママに抱きつけないのイヤだよ。パパのことも好きだけど、パパはママじゃないんだよ。
ママぁ……
今でも時々、こんな感じになる。今回はたぶん、パパに聞いた話のことが原因だったのかな。あと、修学旅行で戦争のことも勉強したからかな。すっごく不安だったんだ。
だけどパパが私に大切なことを教えようとしてくれてるのは分かる。パパはちゃんと私の話を聞いてくれるから、私もパパの話を聞こうと思える。
でもさ、やっぱり思っちゃうんだよ。そこにママもいてくれたらどうだったかなってさ。
久しぶりに泣いちゃったけど、泣いたらなんかすっきりした。パパは私のことを黙って見守ってくれてた。だから好きだよ、パパ♡
こんな風に泣いちゃうこともあるけどさ。そういうこともあってもさ、やっぱり私は楽しいんだなって思うんだ。パパと一緒にいられるのがさ。ママが好きになったパパといられるのが。
ママ、私、幸せだよ。
家族が殺されたら犯人を死刑にしたいっていうのは当たり前だって私も思う。もし私のママを殺したのが神様とかだったら、私はその<神様>を死刑にしてほしいと思う。<神殺し>とかいう武器が手に入るんだったら、それを持って神様を殺しに行きたい。
だからさ、『なんで人を殺したのにすぐ死刑にならないの?』って私も思うんだ。しかも、戦争になったら人を殺しても死刑にならないなんて、それこそ意味分かんない。
でも、パパの言うことも、すごく難しいけど分かる気がする。今はまだムリでも、もう少し大きくなったらちゃんと分かるようになると思う。それに、戦争になってパパが兵隊として戦って敵の人を殺したからって死刑になるのもイヤだ。っていうも分かる。
だからそれはもういいんだ。
またパパと一緒にいっぱい電車に乗ってママに会いに行く。自動車もほとんど走ってないのに信号をちゃんと守って横断歩道を渡って、ママのお墓がある山に行く。あの笑っちゃうくらい急な坂を上ってママのお墓の前に立つ。
「来たよ、ママ……」
もう何度も何度もやったこと。お墓を綺麗にして、お花を供えて、お水をあげて。
パパと一緒に。
大人になったら、私一人でくくることも多くなると思う。ママに話したいこととかができたら来るんだろうな。
ママ…どうして死んじゃったのさ。ママと話したいだけなのにこんなところまで来なきゃいけないなんて大変だよ。ママと一緒にゲームしたいよ。ママと一緒に美味しいご飯食べたいよ。
ママ…私、世界で一番、ママのことが好きなんだよ? パパは二番目なんだ。パパには悪いけど、二番目なんだ。
なんでだよ…なんでママが死ななきゃいけないんだよ…おかしいよ……
イヤだよ、イヤだよ……ママに抱きつけないのイヤだよ。パパのことも好きだけど、パパはママじゃないんだよ。
ママぁ……
今でも時々、こんな感じになる。今回はたぶん、パパに聞いた話のことが原因だったのかな。あと、修学旅行で戦争のことも勉強したからかな。すっごく不安だったんだ。
だけどパパが私に大切なことを教えようとしてくれてるのは分かる。パパはちゃんと私の話を聞いてくれるから、私もパパの話を聞こうと思える。
でもさ、やっぱり思っちゃうんだよ。そこにママもいてくれたらどうだったかなってさ。
久しぶりに泣いちゃったけど、泣いたらなんかすっきりした。パパは私のことを黙って見守ってくれてた。だから好きだよ、パパ♡
こんな風に泣いちゃうこともあるけどさ。そういうこともあってもさ、やっぱり私は楽しいんだなって思うんだ。パパと一緒にいられるのがさ。ママが好きになったパパといられるのが。
ママ、私、幸せだよ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる