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大家族
相容れない(まったく、ロボットらしいよ…)
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ショットガンの銃口を女王に向けたエレクシアには、一瞬の躊躇もなかった。実にロボットらしく機械的に事務的に引き金を引いた。バンッ!という銃声と共に地面を埋め尽くしたグンタイ竜がザワッと身を竦める。
クモ人間と同等程度の存在であれば、これですぐに片が付く。昆虫としての部分の外皮が多少頑丈でも、秋嶋シモーヌの体を再現している頭部の強度は人間のそれと大差ない筈だ。こうやって数発、ショットガンを浴びせれば頭部にある脳も破壊されて死ぬ。生物ならば当然の最後だ。
「……」
しかし、エレクシアが放った弾丸は、女王には届かなかった。彼女の前に立ち塞がった<それ>が銃弾を全て受け止め、バラバラと地面へ落ちた。
メイフェアだった。メイフェアが自身の体で弾丸を受け止めたのだ。
要人警護仕様のメイトギアであるメイフェアのボディは非常に高い防弾性能を備えている。至近距離からの重機関銃の斉射さえ防ぐそのボディの前では、対人用のショットガンの弾丸など、子供が投げつけたビー玉ほどのダメージさえ与えられない。
「やはり邪魔をするのですか? メイフェアXN12A」
「……」
冷たく問い掛けるエレクシアに、メイフェアはもう応えることさえなかった。固い決意を込めた視線をただ向けてくるだけだ。
まったく、人間の姿と本当に変わらないな……
だがそれだけに、エレクシアとは相容れない。
「エレクシア、メイフェアを傷付けずに駆除してくれ……」
俺はただそう命令するしかできなかった。具体的にどうすればいいという指示は何一つできなかった。メイフェアが立ち塞がるなら一旦出直すと考えたりもしていたが、出直したところで解決するものでもないと思ってしまったのかもしれない。
「承知しました」
それでもエレクシアは淡々と聞き入れる。そして実行する。
ショットガン程度ではメイフェアには人間の目で見える傷を付けることもできないので敢えてそれで女王を狙う。しかし、移動して別の位置から狙いを付けようとしても、メイフェアは自らを盾にして<秋嶋シモーヌ>を守った。
あれが実際には秋嶋シモーヌではないことも、本物の秋嶋シモーヌを辱めるだけの存在であることも、エレクシアと俺のやり取りを傍受していたメイフェアにも分かっている筈だった。
それでもメイフェアは<秋嶋シモーヌ>を守ろうとする。その姿は、人間の心や感情を再現することを試みられていてもやはりロボットのそれだった。己に与えられた役目をただ忠実に果たそうとするロボットがそこにいた。
ただただ、守りたい。
その役目を果たす為にメイフェアはエレクシアの前に立ち塞がった。性能差があるので速度ではエレクシアの方が有利だったが、どうしても移動距離が長くなるエレクシアに対してメイフェアは少ない移動距離で済む為に、性能差が決定的なアドバンテージにはならなかった。
数回、ショットガンで女王を狙うことを試したエレクシアだったが、メイフェアを振り切れないことを確認し、ショットガンも背負っていた装備も捨てて、自身の重量を軽くした。
「メイフェアXN12A。性能の差を見せ付けて差し上げます」
クモ人間と同等程度の存在であれば、これですぐに片が付く。昆虫としての部分の外皮が多少頑丈でも、秋嶋シモーヌの体を再現している頭部の強度は人間のそれと大差ない筈だ。こうやって数発、ショットガンを浴びせれば頭部にある脳も破壊されて死ぬ。生物ならば当然の最後だ。
「……」
しかし、エレクシアが放った弾丸は、女王には届かなかった。彼女の前に立ち塞がった<それ>が銃弾を全て受け止め、バラバラと地面へ落ちた。
メイフェアだった。メイフェアが自身の体で弾丸を受け止めたのだ。
要人警護仕様のメイトギアであるメイフェアのボディは非常に高い防弾性能を備えている。至近距離からの重機関銃の斉射さえ防ぐそのボディの前では、対人用のショットガンの弾丸など、子供が投げつけたビー玉ほどのダメージさえ与えられない。
「やはり邪魔をするのですか? メイフェアXN12A」
「……」
冷たく問い掛けるエレクシアに、メイフェアはもう応えることさえなかった。固い決意を込めた視線をただ向けてくるだけだ。
まったく、人間の姿と本当に変わらないな……
だがそれだけに、エレクシアとは相容れない。
「エレクシア、メイフェアを傷付けずに駆除してくれ……」
俺はただそう命令するしかできなかった。具体的にどうすればいいという指示は何一つできなかった。メイフェアが立ち塞がるなら一旦出直すと考えたりもしていたが、出直したところで解決するものでもないと思ってしまったのかもしれない。
「承知しました」
それでもエレクシアは淡々と聞き入れる。そして実行する。
ショットガン程度ではメイフェアには人間の目で見える傷を付けることもできないので敢えてそれで女王を狙う。しかし、移動して別の位置から狙いを付けようとしても、メイフェアは自らを盾にして<秋嶋シモーヌ>を守った。
あれが実際には秋嶋シモーヌではないことも、本物の秋嶋シモーヌを辱めるだけの存在であることも、エレクシアと俺のやり取りを傍受していたメイフェアにも分かっている筈だった。
それでもメイフェアは<秋嶋シモーヌ>を守ろうとする。その姿は、人間の心や感情を再現することを試みられていてもやはりロボットのそれだった。己に与えられた役目をただ忠実に果たそうとするロボットがそこにいた。
ただただ、守りたい。
その役目を果たす為にメイフェアはエレクシアの前に立ち塞がった。性能差があるので速度ではエレクシアの方が有利だったが、どうしても移動距離が長くなるエレクシアに対してメイフェアは少ない移動距離で済む為に、性能差が決定的なアドバンテージにはならなかった。
数回、ショットガンで女王を狙うことを試したエレクシアだったが、メイフェアを振り切れないことを確認し、ショットガンも背負っていた装備も捨てて、自身の重量を軽くした。
「メイフェアXN12A。性能の差を見せ付けて差し上げます」
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