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子供達
実働試験(まあまあ順調か)
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新暦〇〇〇九年四月十三日。
でも、少々の問題点はありつつも、ドーベルマンDK-a零号機は、ほぼ設計通りの働きをしてくれたと思う。設計したのがエレクシアだから当然というのもあるとしても、走達とはそれなりに距離を取りつつ、周囲の警戒を行った。
装備が確実に動作するのかというテストも行う。
ドローンによって持ち上げ、空中から投下した石を、ハンドガンで射撃。命中精度も十分なものがあるのを確認した。上から下へ落下するものっていうのは狙うのが難しいとも聞くが、コーネリアス号のAIはその辺りも十分に計算に入れて射撃してくれた。
あくまで大規模で本格的な戦闘は想定してないコーネリアス号のAIでも、万が一の際に自衛の為のそれを補佐するくらいのことはできるから、そこが活きてるってことだな。
比較的平坦な場所ではクローラーで走行し、凹凸の激しい場所では四本の脚を器用に動かし歩くドーベルマンDK-a零号機を操り、さらにテストを重ねる。
「うん、まあ、十分な性能は発揮してるんじゃないかな」
タブレットに表示された映像を確認して、俺は正直、満足してた。なんかもう、これだけで十分っていう気分だったと思う。
並の獣相手なら間違いなく頼りになる。後はヒト蛇相手にそれがどこまで通用するかだが、まあ、牽制くらいはできるだろう。
ヒト蛇の方の様子は相変わらずだ。でたらめに動き回りながら獲物を捕らえる。だが、確実にコーネリアス号に近付いてきていた。可能なかぎりはそっとしておきたかったんだが、今のままじゃ衝突は避けられないか。
幸い、メイフェアとシモーヌが行った時にはまだ十分な距離があって何も起こらなかったが。
新暦〇〇〇九年四月十九日。
だが、今度ははセシリアとイレーネがコーネリアス号に向かった時、
「くそっ! コーネリアス号に近付いてる…!」
メイフェアが誉の警護をしてるし今日は密が甘えてくるだけだったから宇宙船に籠らずに済んでた俺が、タブレットに示されたヒト蛇の動きに思わず声を上げてしまった。獲物として狙いを定めた動物が、コーネリアス号の方に逃げた為、それを追ってヒト蛇も近付いてきたのだ。
『マズい。セシリアとイレーネが間に合わない』
二人はまだ移動中だ。あと一時間はかかる。しかし今の調子でヒト蛇が移動を続けると、一時間はかからずにコーネリアス号のすぐ傍まで来てしまう。それまでには獲物を捕らえて止まってくれるとは思うが、念の為、俺は、ドーベルマンDK-a零号機を向かわせることにした。
「なんとか時間稼ぎくらいはしてくれよ」
祈るような気持ちで、俺とシモーヌは画面を見ていたのだった。
でも、少々の問題点はありつつも、ドーベルマンDK-a零号機は、ほぼ設計通りの働きをしてくれたと思う。設計したのがエレクシアだから当然というのもあるとしても、走達とはそれなりに距離を取りつつ、周囲の警戒を行った。
装備が確実に動作するのかというテストも行う。
ドローンによって持ち上げ、空中から投下した石を、ハンドガンで射撃。命中精度も十分なものがあるのを確認した。上から下へ落下するものっていうのは狙うのが難しいとも聞くが、コーネリアス号のAIはその辺りも十分に計算に入れて射撃してくれた。
あくまで大規模で本格的な戦闘は想定してないコーネリアス号のAIでも、万が一の際に自衛の為のそれを補佐するくらいのことはできるから、そこが活きてるってことだな。
比較的平坦な場所ではクローラーで走行し、凹凸の激しい場所では四本の脚を器用に動かし歩くドーベルマンDK-a零号機を操り、さらにテストを重ねる。
「うん、まあ、十分な性能は発揮してるんじゃないかな」
タブレットに表示された映像を確認して、俺は正直、満足してた。なんかもう、これだけで十分っていう気分だったと思う。
並の獣相手なら間違いなく頼りになる。後はヒト蛇相手にそれがどこまで通用するかだが、まあ、牽制くらいはできるだろう。
ヒト蛇の方の様子は相変わらずだ。でたらめに動き回りながら獲物を捕らえる。だが、確実にコーネリアス号に近付いてきていた。可能なかぎりはそっとしておきたかったんだが、今のままじゃ衝突は避けられないか。
幸い、メイフェアとシモーヌが行った時にはまだ十分な距離があって何も起こらなかったが。
新暦〇〇〇九年四月十九日。
だが、今度ははセシリアとイレーネがコーネリアス号に向かった時、
「くそっ! コーネリアス号に近付いてる…!」
メイフェアが誉の警護をしてるし今日は密が甘えてくるだけだったから宇宙船に籠らずに済んでた俺が、タブレットに示されたヒト蛇の動きに思わず声を上げてしまった。獲物として狙いを定めた動物が、コーネリアス号の方に逃げた為、それを追ってヒト蛇も近付いてきたのだ。
『マズい。セシリアとイレーネが間に合わない』
二人はまだ移動中だ。あと一時間はかかる。しかし今の調子でヒト蛇が移動を続けると、一時間はかからずにコーネリアス号のすぐ傍まで来てしまう。それまでには獲物を捕らえて止まってくれるとは思うが、念の為、俺は、ドーベルマンDK-a零号機を向かわせることにした。
「なんとか時間稼ぎくらいはしてくれよ」
祈るような気持ちで、俺とシモーヌは画面を見ていたのだった。
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