362 / 2,360
幸せ
優秀であるが故に(ついつい頼りたくなってしまう)
しおりを挟む
いつもの如く話が逸れてしまったが、今では存外、ロボットは人間を甘やかしてはくれないんだ。見捨てることはしないが、ひたすら甘やかすこともしない。その為もあって、下手に感情を与えないようにしてるというのもあるらしい。感情があると、どうしてもメイフェアのようについ過剰に干渉しようとしてしまう傾向が現れるみたいだな。
まあ、気持ちは分かる気がする。俺だってエレクシアを使ってあらゆる厄介事から家族を守りたいと思ってしまうし。でも、たぶんそれは違うんだろうな。もちろん、今、俺達の<家>に住んでる家族を守るのは当然だとしても、巣立っていった子供達全員を同じように守ることはできない。エレクシアとイレーネとで手分けしたとしても、全員は守り切れない。
だから、本来なら自力で何とかすること、何とかできる可能性の高いものについては自力で何とかしてもらうべきだと考えたんだ。
走達を蛟から守った事例を、ボーダーラインとしてな。
そもそも蛟の出現がイレギュラーなものだし、あいつは生物としては異常過ぎた。シモーヌがあれからも詳細に解析してくれてるが、そもそも肉体の構造に無理があり、最初からあまり長くは生きられない状態だったらしい。
だとしたらなおさら、俺の家族をくれてやる訳にはいかなかったな。
まあそれはそれとして、王の話でもそうだったが、人間は<すべて>を求めるには強すぎるんだ。欲求も、願望も、そして力も。
『誰かを守りたい』という気持ちは尊いし大切だが、それを無制限に発揮すると<過干渉>という形でかえって状況を悪化させることがあるのもまた事実だろう。せっかく自分の力で生きていけるようになった誉を堕落させるのは決して好ましいこととは思えない。
そんなこんなで、申し訳ないがメイフェアには今後も自重してもらうことになる。
「だが、命の危険があるとなれば、その時はもちろん助けてやってくれ」
「はい、もちろんです!」
はきはきとしたメイフェアの返事に、少しあどけないものも感じてしまって、『可愛いな』とも思ってしまった。外見上はモデルのようなすらっとした大人の女性なんだが、感情の表し方が子供っぽくもある。そのアンバランスさも、彼女の魅力の一つなんだろう。
グンタイ竜の女王の件の時にはそのあどけないまでの感情が危うさの原因にもなってたが、さすがにその経験から彼女も学んでいる。
今のロボットに搭載されているAIは、自らの経験から学習するということもできるんだ。
下手な人間よりよっぽど優秀だが、優秀であるが故に人間の方が甘えてしまいがちになるのも事実だな。
まあ、気持ちは分かる気がする。俺だってエレクシアを使ってあらゆる厄介事から家族を守りたいと思ってしまうし。でも、たぶんそれは違うんだろうな。もちろん、今、俺達の<家>に住んでる家族を守るのは当然だとしても、巣立っていった子供達全員を同じように守ることはできない。エレクシアとイレーネとで手分けしたとしても、全員は守り切れない。
だから、本来なら自力で何とかすること、何とかできる可能性の高いものについては自力で何とかしてもらうべきだと考えたんだ。
走達を蛟から守った事例を、ボーダーラインとしてな。
そもそも蛟の出現がイレギュラーなものだし、あいつは生物としては異常過ぎた。シモーヌがあれからも詳細に解析してくれてるが、そもそも肉体の構造に無理があり、最初からあまり長くは生きられない状態だったらしい。
だとしたらなおさら、俺の家族をくれてやる訳にはいかなかったな。
まあそれはそれとして、王の話でもそうだったが、人間は<すべて>を求めるには強すぎるんだ。欲求も、願望も、そして力も。
『誰かを守りたい』という気持ちは尊いし大切だが、それを無制限に発揮すると<過干渉>という形でかえって状況を悪化させることがあるのもまた事実だろう。せっかく自分の力で生きていけるようになった誉を堕落させるのは決して好ましいこととは思えない。
そんなこんなで、申し訳ないがメイフェアには今後も自重してもらうことになる。
「だが、命の危険があるとなれば、その時はもちろん助けてやってくれ」
「はい、もちろんです!」
はきはきとしたメイフェアの返事に、少しあどけないものも感じてしまって、『可愛いな』とも思ってしまった。外見上はモデルのようなすらっとした大人の女性なんだが、感情の表し方が子供っぽくもある。そのアンバランスさも、彼女の魅力の一つなんだろう。
グンタイ竜の女王の件の時にはそのあどけないまでの感情が危うさの原因にもなってたが、さすがにその経験から彼女も学んでいる。
今のロボットに搭載されているAIは、自らの経験から学習するということもできるんだ。
下手な人間よりよっぽど優秀だが、優秀であるが故に人間の方が甘えてしまいがちになるのも事実だな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
162
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる