569 / 2,961
新世代
明編 陣痛
しおりを挟む
新暦〇〇二八年十月二十九日。
はてさて、なんだかんだとありつつも、結局は俺の<群れ>に合流することになった鋭だが、やはりマンティアンらしく普段は気配を消してどこにいるのか掴ませないような感じだった。
だが、基本的には俺の家の日当たりのいい場所で甲羅干しと言うか日向ぼっこをしてることが多い。
狩りの時以外には外をうろつくこともなく、刃や明やっ丈と同じく、いるのかいないのかよく分からない存在となりそうだ。
とは言え、順は気が気じゃない。
「大丈夫だよ、お父さんがいたら平気だから」
ボスである俺が侵入を許したというのは、安全という意味だと、灯が順に説明してくれる。
それでも、やっぱり怖いものは怖いし、天敵である事実は変わらない。
臨月を迎え、もういつ子供が生まれてもおかしくない光を天敵から守る為にも、順は、家に籠城を決め込んだようだ。
これまでは、縄張りの見回りも兼ねて密林に餌を取りに行っていたりもしたが、今ではセシリアが届けてくれる食事だけで済ましている。
こうなると運動不足を心配しないといけないものの、家の中の構造は、わざと梁などを剥き出しにした上に天井を高くし立体的な動きがしやすいように作ってあるので、それをしっかりと活用すればそんなに鈍ることもないだろう。
光も、それで積極的に体を動かして運動不足にならないようにしているし。
それだけじゃ足りない分を、外に出て散歩するなどしてこれまで補ってきた。
だが、いよいよ<その時>が来たようだ。
「う…うう……!」
呻き声をあげた光のバイタルサインを常時モニタリングしていたセシリアが、
「陣痛が始まりました」
と告げてくる。
「あ、ああ、分かった。よろしく頼む」
幸い、ここには、密が焔と新を産んだ時にも適切な対処をしてくれたセシリアをはじめとした、本来はヘルパーロボットであるメイトギアが何体もいる。そういう意味では何の心配もない。万が一の時には治療用カプセルもあるしな。
それでもやっぱり心配は心配なので俺も付き添ってやりたかったが、順も灯もいるということで中に入れさせてもらえなかった。
「お父さんは和の世話をしてて」
って、灯に追い出されたんだ。
まあ、娘の出産に立ち会う父親の話は滅多に聞かないので当然と言えば当然なんだろうが、なんか寂しいなあ……
「元気を出してください、お父さん」
俺と同じように入れさせてもらえなかったシモーヌが、寝ている和抱いて手持ち無沙汰にしていた俺を励ましてくれる。彼女も、セシリアがいれば十分ということと、治療用カプセルの準備など、万が一の時の対応に回ったんだよな。
はてさて、なんだかんだとありつつも、結局は俺の<群れ>に合流することになった鋭だが、やはりマンティアンらしく普段は気配を消してどこにいるのか掴ませないような感じだった。
だが、基本的には俺の家の日当たりのいい場所で甲羅干しと言うか日向ぼっこをしてることが多い。
狩りの時以外には外をうろつくこともなく、刃や明やっ丈と同じく、いるのかいないのかよく分からない存在となりそうだ。
とは言え、順は気が気じゃない。
「大丈夫だよ、お父さんがいたら平気だから」
ボスである俺が侵入を許したというのは、安全という意味だと、灯が順に説明してくれる。
それでも、やっぱり怖いものは怖いし、天敵である事実は変わらない。
臨月を迎え、もういつ子供が生まれてもおかしくない光を天敵から守る為にも、順は、家に籠城を決め込んだようだ。
これまでは、縄張りの見回りも兼ねて密林に餌を取りに行っていたりもしたが、今ではセシリアが届けてくれる食事だけで済ましている。
こうなると運動不足を心配しないといけないものの、家の中の構造は、わざと梁などを剥き出しにした上に天井を高くし立体的な動きがしやすいように作ってあるので、それをしっかりと活用すればそんなに鈍ることもないだろう。
光も、それで積極的に体を動かして運動不足にならないようにしているし。
それだけじゃ足りない分を、外に出て散歩するなどしてこれまで補ってきた。
だが、いよいよ<その時>が来たようだ。
「う…うう……!」
呻き声をあげた光のバイタルサインを常時モニタリングしていたセシリアが、
「陣痛が始まりました」
と告げてくる。
「あ、ああ、分かった。よろしく頼む」
幸い、ここには、密が焔と新を産んだ時にも適切な対処をしてくれたセシリアをはじめとした、本来はヘルパーロボットであるメイトギアが何体もいる。そういう意味では何の心配もない。万が一の時には治療用カプセルもあるしな。
それでもやっぱり心配は心配なので俺も付き添ってやりたかったが、順も灯もいるということで中に入れさせてもらえなかった。
「お父さんは和の世話をしてて」
って、灯に追い出されたんだ。
まあ、娘の出産に立ち会う父親の話は滅多に聞かないので当然と言えば当然なんだろうが、なんか寂しいなあ……
「元気を出してください、お父さん」
俺と同じように入れさせてもらえなかったシモーヌが、寝ている和抱いて手持ち無沙汰にしていた俺を励ましてくれる。彼女も、セシリアがいれば十分ということと、治療用カプセルの準備など、万が一の時の対応に回ったんだよな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる