未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

文字の大きさ
582 / 2,961
新世代

明編 不幸の中にも幸せが

しおりを挟む
新暦〇〇二八年十二月八日。



死は、不幸だ。

少なくとも<幸せ>だとはなかなか思えない。

しかし、だからといってただただ不幸なだけだったら、いつか必ず死を迎える生き物は、不幸にしかなれないということになってしまうだろう。

ただ、死が不幸だとしても、この世に幸せが存在しないかと言えばそういうわけでもないと今の俺は素直に思えてる。

<いつかは死ぬという大きな不幸>の中にいても、幸せを掴むことはできるんだ。

なにしろまさに今、俺は幸せそのものなんだからな。

過酷な現実をどんなに見せつけられていても、幸せの実感はなくならない。

だから思うんだ。不幸と幸せとは、同時に存在することができるんだな、と。

幸せがないことが不幸なんじゃない。不幸の中にも幸せがあるという事実を認められないことこそが不幸なんだ。

俺はそう思う。

だから過酷な世界に生きているめい達も幸せを感じることはできているんじゃないかな。

まあ、そもそも不幸とか幸せとかいう概念そのものを持ち合わせていないかもしれないが。

不幸だとか幸せだとかいうことにやたらと拘ってる人間の方が面倒臭い生き物だってだけかもしれないな。

要は、精一杯生きればいいんだよ。自分が不幸か幸せかなんて面倒臭いこと考えてないで。



なーんて言いながらも、不幸とか幸せとか考えてしまうのも人間の業ってものか。

なら、それはそれで精一杯考えてやるさ。幸せになってやる。

って、すでに幸せか。

となればもっと幸せにならなくちゃな。

とかなんとか考えてる俺の頭の上を、何かがヒュッと跳び越えた。それがスパッと地面に着地したかと思うと、シュパッと走り抜け、レッド達やその子供達が遊んでいるところを縫うように駆け抜けて家の壁に飛びつき、ものすごい速さで屋根まで上ったかと思うと、そこにいたあらたの体を上って頭にしがみつく。

うららだった。うららが素っ裸のまどかと追っかけっこをしていたんだ。さすがに純粋なパパニアンじゃないまどかは全力の彼女には追い付けなくて、遅れてあらたにしがみつこうとすると、あらたがパッと手でそれを払った。

あらたは、うららがしがみつくのは構わないが、まどかにそれをされるのは気に入らないようだ。

するとまどかの小さな体が宙を舞う。

「あ…っ!」

と思わず声を上げてしまったが、いくら見た目は人間そのものでも、純粋なパパニアンには及ばなくても、その能力を少なからず受け継ぐまどかにとってはそんなもの、危険ですらなかった。

くるりと宙で体を回転させたかと思うと通りかかったエレクシアがすっと伸ばした腕を木の枝のようにして掴まり、そこでまたくるりと一回転して地面に着地。と同時にエレクシアの体をよじ登ってジャンプ。家の屋根に飛び乗ると、うららあらたの頭からジャンプして、家の反対側へと姿を消す。

それが二人のいつもの遊びなのだった。

この光景そのものが<幸せ>というものじゃないか。

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...