699 / 2,961
新世代
走・凱編 別の視点
しおりを挟む
で、今回も無事に帰ってきてくれたんだが、帰ってきてからセシリアが、
「現在の席はビアンカ様には狭いのではないでしょうか?」
と、俺に進言してきた。
「あ、やっぱりそう思うか?」
あの<席>に収まってる彼女を見て俺が正直抱いた印象をセシリアが代弁してくれたな。
最初の仮のものよりは随分とマシになったと言っても、やっぱり彼女にはサイズ的に座ったらほぼ身動きが取れない状態になる。惑星探査のスタッフだから『そういう装備品』と考えたら我慢もできるのかもしれないし実際にビアンカ本人からは不満もなかったし、シモーヌもメイフェアもイレーネも『そういうもの』と思ってたかもしれないが、現実問題としてビアンカは違う。
セシリアは、元々、<惑星探査の専門家>ではない側の視点でスタッフのケアを行うことを目的に配備されていたそうなので、その指摘が出たんだろうな。
ということで、せっかくちゃんとしたのを作ったが、改めて再設計、と言うよりは、予備のローバーをベースにして、彼女用のローバーを作ろうと俺は決心した。
コーネリアス号にはまだローバーが残されてるんだ。現状じゃホントにただの予備だから、メンテナンスはしてあっても事実上放置してある状態だし、それじゃやっぱりもったいないからな。
使えるならどんどん使おう。
と言うわけで、エレクシアに、今のビアンカでも運転できるローバーを設計してもらうことにした。
人間社会だといろいろ法律的に煩い面もあるが、ここじゃそれも関係ない。
「どうだ? 作れそうか?」
エレクシアに尋ねると、
「技術的には難しくありません。元々あの車両は、必要に応じてハンドルとペダルの位置を変更できる仕様になっていますし、車両の機能としてはフレームと一体化したアッセンブリの部分だけで成立する構造になっています。なのでボディの部分は設計上の自由度が高いのです。ビアンカが乗り込み易いようにボディの上部を変更するだけで済むでしょう」
とのことだった。
そこで、一応、<コーネリアス号乗員秋嶋シモーヌとしての記憶>も持つシモーヌに、備品であるローバーに大幅な改造を加えていいかどうか、取り敢えず窺ってみる。
「…ということなんだが、どうかな?」
「いいですね、それ! コーネリアス号の船外作業機のコクピットはそれこそあの感じだしそれで何時間も作業することはあったのであまり気にしてませんでしたけど、言われてみれば確かに窮屈そうでした!」
だって。うん。やっぱり<別の視点>というのは必要なんだな。
『仕方ない』
『そういうもの』
で思考停止するんじゃなく、日常的に使うものについてはある程度の快適性もあったほうが楽になる。
「現在の席はビアンカ様には狭いのではないでしょうか?」
と、俺に進言してきた。
「あ、やっぱりそう思うか?」
あの<席>に収まってる彼女を見て俺が正直抱いた印象をセシリアが代弁してくれたな。
最初の仮のものよりは随分とマシになったと言っても、やっぱり彼女にはサイズ的に座ったらほぼ身動きが取れない状態になる。惑星探査のスタッフだから『そういう装備品』と考えたら我慢もできるのかもしれないし実際にビアンカ本人からは不満もなかったし、シモーヌもメイフェアもイレーネも『そういうもの』と思ってたかもしれないが、現実問題としてビアンカは違う。
セシリアは、元々、<惑星探査の専門家>ではない側の視点でスタッフのケアを行うことを目的に配備されていたそうなので、その指摘が出たんだろうな。
ということで、せっかくちゃんとしたのを作ったが、改めて再設計、と言うよりは、予備のローバーをベースにして、彼女用のローバーを作ろうと俺は決心した。
コーネリアス号にはまだローバーが残されてるんだ。現状じゃホントにただの予備だから、メンテナンスはしてあっても事実上放置してある状態だし、それじゃやっぱりもったいないからな。
使えるならどんどん使おう。
と言うわけで、エレクシアに、今のビアンカでも運転できるローバーを設計してもらうことにした。
人間社会だといろいろ法律的に煩い面もあるが、ここじゃそれも関係ない。
「どうだ? 作れそうか?」
エレクシアに尋ねると、
「技術的には難しくありません。元々あの車両は、必要に応じてハンドルとペダルの位置を変更できる仕様になっていますし、車両の機能としてはフレームと一体化したアッセンブリの部分だけで成立する構造になっています。なのでボディの部分は設計上の自由度が高いのです。ビアンカが乗り込み易いようにボディの上部を変更するだけで済むでしょう」
とのことだった。
そこで、一応、<コーネリアス号乗員秋嶋シモーヌとしての記憶>も持つシモーヌに、備品であるローバーに大幅な改造を加えていいかどうか、取り敢えず窺ってみる。
「…ということなんだが、どうかな?」
「いいですね、それ! コーネリアス号の船外作業機のコクピットはそれこそあの感じだしそれで何時間も作業することはあったのであまり気にしてませんでしたけど、言われてみれば確かに窮屈そうでした!」
だって。うん。やっぱり<別の視点>というのは必要なんだな。
『仕方ない』
『そういうもの』
で思考停止するんじゃなく、日常的に使うものについてはある程度の快適性もあったほうが楽になる。
0
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる