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新世代
來編 新しい集落
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自分の弱い部分を曝け出してでさえ灯とビアンカに受け止められてしまった久利生は、なんだかさっぱりした表情をしていたと思う。
これでようやく<ありのままの自分>でいられるようになったからかもしれない。
だが、考えてみれば、野生なら雄とか雌とか関係無しに生きるために戦わなきゃいけないわけで、灯の態度も実は特別なものじゃないんだろう。
実際、明や深だって、別に一方的に守られてるだけの存在じゃなかった。基本的に自分の身は自分で守るし、必要とあれば雄を守るようなこともしてみせる。
來達クロコディアに至っては、餌の奪い合いさえする。
『女性は一方的に守られる存在』
なんてのは、人間の勝手な解釈なのかもしれないな。
俺だって、正直、シモーヌに守られてる実感もあるし。
そんなわけでとにかく、久利生とビアンカと灯という関係はこれで成立だ。
で、それはめでたいとして、
「じゃあ、コーネリアス号からは少し遠くなってしまうが、アリゼドラゼ村か、アリニドラニ村にするか?」
<久利生のハーレム>の拠点についても考えなきゃいけない。
まあ、三人さえ良かったらここに残ってもいいんだが……
しかしそれについても、久利生は精悍な表情に戻って、
「そのことなんだが、確かにコーネリアス号がもたらしてくれる恩恵を利用しないというのは、ビアンカと灯を家族として迎える上でやはり非合理的だというのも分かるんだ。
だから、コーネリアス号から少し離れたところに、僕達で新しい集落を作りたいと思う」
と。
その申し出に、
「なるほど。そういうのもアリか」
俺もハッとさせられた。丁度、アリス参号機とドライツェン参号機も完成するところだ。それを連れて行ってもらえば集落作りも楽だろう。
それに、
「コーネリアス号の近くだったら、走達にも会いに行きやすいですね♡」
ビアンカはすでに乗り気だ。
さらには、
「お~、いいじゃん。私達で好きに作れるってことだよね?」
灯も平然としてる。
まったく、タフな娘だなあ。
けれど、その逞しさは頼もしい。
「分かった。なら、まずは場所の選定だな」
腹が決まったのならごちゃごちゃ言ってても始まらない。俺はタブレットにコーネリアス号周辺の地図を表示させた。
それを、シモーヌ、灯、ビアンカ、久利生と一緒に覗き込む。
來は何をしてるのかさっぱり分からないまま、久利生に抱きついてるだけだ。
と、久利生はすでに見当を付けていたようで、
「地図を見る限りではこのポイントが適しているように思うんだが、どうだろう?」
指を差しながら訊いてきたのは、コーネリアス号から五キロほど離れた、小さな川のほとりなのだった。
これでようやく<ありのままの自分>でいられるようになったからかもしれない。
だが、考えてみれば、野生なら雄とか雌とか関係無しに生きるために戦わなきゃいけないわけで、灯の態度も実は特別なものじゃないんだろう。
実際、明や深だって、別に一方的に守られてるだけの存在じゃなかった。基本的に自分の身は自分で守るし、必要とあれば雄を守るようなこともしてみせる。
來達クロコディアに至っては、餌の奪い合いさえする。
『女性は一方的に守られる存在』
なんてのは、人間の勝手な解釈なのかもしれないな。
俺だって、正直、シモーヌに守られてる実感もあるし。
そんなわけでとにかく、久利生とビアンカと灯という関係はこれで成立だ。
で、それはめでたいとして、
「じゃあ、コーネリアス号からは少し遠くなってしまうが、アリゼドラゼ村か、アリニドラニ村にするか?」
<久利生のハーレム>の拠点についても考えなきゃいけない。
まあ、三人さえ良かったらここに残ってもいいんだが……
しかしそれについても、久利生は精悍な表情に戻って、
「そのことなんだが、確かにコーネリアス号がもたらしてくれる恩恵を利用しないというのは、ビアンカと灯を家族として迎える上でやはり非合理的だというのも分かるんだ。
だから、コーネリアス号から少し離れたところに、僕達で新しい集落を作りたいと思う」
と。
その申し出に、
「なるほど。そういうのもアリか」
俺もハッとさせられた。丁度、アリス参号機とドライツェン参号機も完成するところだ。それを連れて行ってもらえば集落作りも楽だろう。
それに、
「コーネリアス号の近くだったら、走達にも会いに行きやすいですね♡」
ビアンカはすでに乗り気だ。
さらには、
「お~、いいじゃん。私達で好きに作れるってことだよね?」
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まったく、タフな娘だなあ。
けれど、その逞しさは頼もしい。
「分かった。なら、まずは場所の選定だな」
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それを、シモーヌ、灯、ビアンカ、久利生と一緒に覗き込む。
來は何をしてるのかさっぱり分からないまま、久利生に抱きついてるだけだ。
と、久利生はすでに見当を付けていたようで、
「地図を見る限りではこのポイントが適しているように思うんだが、どうだろう?」
指を差しながら訊いてきたのは、コーネリアス号から五キロほど離れた、小さな川のほとりなのだった。
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