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新世代
來編 この世界の常識
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ビアンカは素晴らしい女性だ。自分の感情ばかりを優先してただ喚き散らすようなことはしない。しっかりと<自我>を保ち、理性的であろうと努めてくれる。それができるからこそ軍に採用されたし、惑星探査チームにも選出されたんだろう。
彼女らのオリジナルが生きていた頃にはすでに、軍は、<ただ戦闘力があるだけの人間>は採用されないようになっていた。なにしろ、戦闘力だけならロボットの方が圧倒的に上だし、しかも命令には絶対に従う。いくら戦闘力が高くてもただ好戦的なだけで自分を律することもできないような人間を採用しなきゃならない理由がないんだ。
だから、理性的で知性的でなければ軍人は務まらない。
まあそれはさて置いて、とにかくビアンカは、自分の中に渦巻く感情と折り合おうと努力した。したけれど、それでも、感情の全てを抑えてしまえないのも人間(地球人)という生き物だ。
『久利生に今の自分の全てを晒すのは辛い。でも、だからと言って來に先を越されるのも辛い』
くだらないと言ってしまえば実にくだらない葛藤かもしれないが、
<他人から見ればくだらなくも見える拘り>
を持ってしまうのもやはり人間(地球人)だというのも事実。
とは言え、こればかりはビアンカ自身が決断するしかないこともまた事実。
何しろ相手は、久利生はともかくもう片方はクロコディアの來だから。
彼女相手に人間(地球人)の理屈は通じない。ビアンカの葛藤など、來には全く理解できない。彼女にとっては完全に異生物のメンタリティだ。人間には人間以外の動物の感覚を理解できないのと同じ。
『違う』ということ自体を認めるしかないし、來の側はビアンカがどういう決断をしても気にもしないだろう。
ビアンカよりは來に近いメンタリティを持つ灯が言う。
「ビアンカ。來はビアンカに遠慮したりしてくれないよ。彼女にしてみればここまで『お預け』くった状態だから、たぶん、今夜中にも久利生をものにすると思う。私はそれを止めない。ここまで我慢してくれただけでも來にとっては大変なことだったと思うし。
だからさビアンカ。後はやっぱり、ビアンカが久利生を信じられるかどうかなんだよ。
久利生は今のビアンカだってちゃんと抱いてくれる。『綺麗だ』って言ってくれる。今のビアンカを見て引いたりしないよ。私にはそれが分かるから久利生を好きになったんだ……!」
普通の人間(地球人)の感覚からすればやっぱり灯の言ってることは無茶苦茶だろう。
けれど、ここは、地球やその植民惑星じゃない。<地球人の世界>じゃない。
ここで生きていくことになる灯達の世界なんだ。
その灯達が、この世界の<常識>を作っていくんだ。
「……」
ビアンカにも、それは分かってる。
分かっているからこそ、彼女は懊悩していたのだった。
自分自身の中にその事実をどうやって落とし込むかを探るために。
彼女らのオリジナルが生きていた頃にはすでに、軍は、<ただ戦闘力があるだけの人間>は採用されないようになっていた。なにしろ、戦闘力だけならロボットの方が圧倒的に上だし、しかも命令には絶対に従う。いくら戦闘力が高くてもただ好戦的なだけで自分を律することもできないような人間を採用しなきゃならない理由がないんだ。
だから、理性的で知性的でなければ軍人は務まらない。
まあそれはさて置いて、とにかくビアンカは、自分の中に渦巻く感情と折り合おうと努力した。したけれど、それでも、感情の全てを抑えてしまえないのも人間(地球人)という生き物だ。
『久利生に今の自分の全てを晒すのは辛い。でも、だからと言って來に先を越されるのも辛い』
くだらないと言ってしまえば実にくだらない葛藤かもしれないが、
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とは言え、こればかりはビアンカ自身が決断するしかないこともまた事実。
何しろ相手は、久利生はともかくもう片方はクロコディアの來だから。
彼女相手に人間(地球人)の理屈は通じない。ビアンカの葛藤など、來には全く理解できない。彼女にとっては完全に異生物のメンタリティだ。人間には人間以外の動物の感覚を理解できないのと同じ。
『違う』ということ自体を認めるしかないし、來の側はビアンカがどういう決断をしても気にもしないだろう。
ビアンカよりは來に近いメンタリティを持つ灯が言う。
「ビアンカ。來はビアンカに遠慮したりしてくれないよ。彼女にしてみればここまで『お預け』くった状態だから、たぶん、今夜中にも久利生をものにすると思う。私はそれを止めない。ここまで我慢してくれただけでも來にとっては大変なことだったと思うし。
だからさビアンカ。後はやっぱり、ビアンカが久利生を信じられるかどうかなんだよ。
久利生は今のビアンカだってちゃんと抱いてくれる。『綺麗だ』って言ってくれる。今のビアンカを見て引いたりしないよ。私にはそれが分かるから久利生を好きになったんだ……!」
普通の人間(地球人)の感覚からすればやっぱり灯の言ってることは無茶苦茶だろう。
けれど、ここは、地球やその植民惑星じゃない。<地球人の世界>じゃない。
ここで生きていくことになる灯達の世界なんだ。
その灯達が、この世界の<常識>を作っていくんだ。
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ビアンカにも、それは分かってる。
分かっているからこそ、彼女は懊悩していたのだった。
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