1,002 / 2,962
第三世代
按編 悲観することでもない
しおりを挟む
雌でも雄でもなく生まれた按だったが、俺は別にそれを悲観してもいなかった。
なにしろ、野生では子孫を残そうと努力するのが<普通>とはいえ、実際には子を残せないまま命を終える者だって別に珍しくない。明に迫って角に食われた迫だって、たぶん、子供を残せてない。少なくとも、俺達が確認できた限りでは子供がいた気配がない。
つまり、
『子供を残せないこと自体、珍しいことじゃない』
んだ。
『子供を残せないのはおかしい』
なんて考えが一部には残ってる人間(地球人)の方がむしろおかしいんだと、俺は感じてる。
だから按が子供を残せなくたって、そんなに悲観することでもないと思うんだよ。
そもそも、当の按自身が、そっち方面の興味がまったくないらしい。ある意味では、ドーベルマンDK-a伍号機に対して<恋>をしているのかとも思ったが、必ずしもそういうのでもないようだ。
『犬好きの人間が犬を前にするとデレデレになる』
というそれに近いのかもしれないという印象だ。
そんなわけで、俺としてはただ見守るだけにしている。
実際、按は、家族との仲もよく、辛そうにもしていない。
子供を残したいというのは自然な欲求ではあるものの、だからといって人間のように子供ができないことを作らないことを見下したり揶揄したりという感性自体がレオンにはないんだ。
だとしたらこのままで何の問題がある?
万が一、何か問題が生じるなら、俺達の集落に来てくれればいい。
と言うか、いっそ、伍号機と二人きり(?)で、独立した<群れ>を作ってもいいんじゃないかな。
それならそれでこっちも用意をするし。
なんていう俺の考えも現実味を帯びてきた気はするな。
ドーベルマンMPMの製造も順調で、コーネリアス号を中心にしていくつもの<畑>を作り、
<嶽のように人間に対して執着を見せる存在に向けた囮としての偽の集落>
を次々と展開している。
その内側であれば、按の命が尽きるまでの間くらい、穏やかに暮らしていけるだろう。
新暦〇〇三十三年三月八日。
その日も、按は伍号機と共に過ごしていた。まだ十分に凛達の姿が見える場所ではありつつ、家族のところでは寛がない。
按が涼めるようにと、ドーベルマンDK-a拾号機に届けてもらった資材で組み上げた簡易の<日除け>の下で、気持ちよさそうに寝ている。
それでいて、夜は、凛達と一緒に狩りをするんだ。
母親である凛も、そんな按のことはもう割り切ってるらしく、とやかく言うこともしない。
俺の下で育ったことも影響してるんだろうな。
だいたい、凛だって、以前は新と番ったりしてたんだ。按のことを言えた義理じゃないもんな。
なにしろ、野生では子孫を残そうと努力するのが<普通>とはいえ、実際には子を残せないまま命を終える者だって別に珍しくない。明に迫って角に食われた迫だって、たぶん、子供を残せてない。少なくとも、俺達が確認できた限りでは子供がいた気配がない。
つまり、
『子供を残せないこと自体、珍しいことじゃない』
んだ。
『子供を残せないのはおかしい』
なんて考えが一部には残ってる人間(地球人)の方がむしろおかしいんだと、俺は感じてる。
だから按が子供を残せなくたって、そんなに悲観することでもないと思うんだよ。
そもそも、当の按自身が、そっち方面の興味がまったくないらしい。ある意味では、ドーベルマンDK-a伍号機に対して<恋>をしているのかとも思ったが、必ずしもそういうのでもないようだ。
『犬好きの人間が犬を前にするとデレデレになる』
というそれに近いのかもしれないという印象だ。
そんなわけで、俺としてはただ見守るだけにしている。
実際、按は、家族との仲もよく、辛そうにもしていない。
子供を残したいというのは自然な欲求ではあるものの、だからといって人間のように子供ができないことを作らないことを見下したり揶揄したりという感性自体がレオンにはないんだ。
だとしたらこのままで何の問題がある?
万が一、何か問題が生じるなら、俺達の集落に来てくれればいい。
と言うか、いっそ、伍号機と二人きり(?)で、独立した<群れ>を作ってもいいんじゃないかな。
それならそれでこっちも用意をするし。
なんていう俺の考えも現実味を帯びてきた気はするな。
ドーベルマンMPMの製造も順調で、コーネリアス号を中心にしていくつもの<畑>を作り、
<嶽のように人間に対して執着を見せる存在に向けた囮としての偽の集落>
を次々と展開している。
その内側であれば、按の命が尽きるまでの間くらい、穏やかに暮らしていけるだろう。
新暦〇〇三十三年三月八日。
その日も、按は伍号機と共に過ごしていた。まだ十分に凛達の姿が見える場所ではありつつ、家族のところでは寛がない。
按が涼めるようにと、ドーベルマンDK-a拾号機に届けてもらった資材で組み上げた簡易の<日除け>の下で、気持ちよさそうに寝ている。
それでいて、夜は、凛達と一緒に狩りをするんだ。
母親である凛も、そんな按のことはもう割り切ってるらしく、とやかく言うこともしない。
俺の下で育ったことも影響してるんだろうな。
だいたい、凛だって、以前は新と番ったりしてたんだ。按のことを言えた義理じゃないもんな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる