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第三世代
麗編 家族の光景
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で、和と麗と陽の三人も順調に育ってることで、最近では、順の役割も逆に増えていってる感じだな。
要は、<密林の中で自分で生きる方法>を身に付けるという点において。
これは、人間として育った光はやや苦手とするところだ。いや、<苦手>というほどじゃないんだが、行動原理が基本的に人間(地球人)のそれに近いから、ちょっと違うんだよ。
その点、順は、それなりに大きくなるまで普通に<パパニアン>として育ってきた上、ここに来てからも無理に人間(地球人)の生き方をさせようとはしてないから、パパニアンとしての生態もかなり残ってる。と言うよりも、明らかにパパニアン寄りなんだ。
知能自体、地球人で言えば精々十歳くらい。しかも言語能力的には陽にも負けるかもしれないレベルだからな。俺の仕事をそのまま受け継ぐっていうのは、正直、無理だ。現時点での一番の候補は、ほぼ俺と同じことができている光だ。今はまだ育児に専念してもらってるが、能力的にはむしろ俺より上だろう。冷静かつ肝が据わってるし。次いで和か陽の成長次第だな。
ゆえに順の仕事は、子供達に、
『<自然の中で一人ででも生き抜く能力>を伝授する』
って感じだ。
今日も、三人を連れて密林に入ってる。しかも、人間(地球人)のように地上を移動するんじゃなく、パパニアンとして樹上を主に移動する形で。
これは、俺やシモーヌには真似できない。光も、俺やシモーヌよりは遥かに樹上を移動するのは上手いが、やっぱり服を着て靴を履いて地上を主なフィールドにして育ってきたこともあってか、順には及ばない。
和や陽も、さすがに最近じゃ服をちゃんと着てくれるようになったとはいえ、靴はいまだにあまり好きじゃないようだ。立体的に動く時にはかえって邪魔になるからだろう。おかげで、足の裏なんてとても子供のそれとは思えないくらいに皮膚が分厚く固い。
そんなこんなで、光よりもずっと野性的に育ってる。この辺りは、光自身の性格もあったんだろうな。灯の方は割と野性児な部分も強いし。
と、噂をすれば何とやらで、
「やほーっ!」
いつものように灯がミレニアムファルコン号をまとって現れた。
「来るなら来るで連絡してほしいんだけど」
シモーヌがちょっとお説教風に、見事な着地を決めた灯に声を掛ける。それがまた<母親の姿>そのもので、なんだか微笑ましい。すると灯は、
「こうやっていきなり来るのがいいんじゃん。サプライズサプライズ♡」
ニカッと悪戯っぽく笑った。
「そういうところも灯らしくて俺は好きだよ」
俺の言葉に、
「もう、錬是までそんな」
シモーヌがやや不満そうに腰に手を当てる。
ああでも、いいなあ。この感じ。
そんな俺達を、屋根の上から、新が見てた。
あいつもいい歳だ。人生の折り返し地点も過ぎている。麗とのことをどうするつもりかは分からないが、親心としては上手くいってほしいというのは、正直なところではある。
要は、<密林の中で自分で生きる方法>を身に付けるという点において。
これは、人間として育った光はやや苦手とするところだ。いや、<苦手>というほどじゃないんだが、行動原理が基本的に人間(地球人)のそれに近いから、ちょっと違うんだよ。
その点、順は、それなりに大きくなるまで普通に<パパニアン>として育ってきた上、ここに来てからも無理に人間(地球人)の生き方をさせようとはしてないから、パパニアンとしての生態もかなり残ってる。と言うよりも、明らかにパパニアン寄りなんだ。
知能自体、地球人で言えば精々十歳くらい。しかも言語能力的には陽にも負けるかもしれないレベルだからな。俺の仕事をそのまま受け継ぐっていうのは、正直、無理だ。現時点での一番の候補は、ほぼ俺と同じことができている光だ。今はまだ育児に専念してもらってるが、能力的にはむしろ俺より上だろう。冷静かつ肝が据わってるし。次いで和か陽の成長次第だな。
ゆえに順の仕事は、子供達に、
『<自然の中で一人ででも生き抜く能力>を伝授する』
って感じだ。
今日も、三人を連れて密林に入ってる。しかも、人間(地球人)のように地上を移動するんじゃなく、パパニアンとして樹上を主に移動する形で。
これは、俺やシモーヌには真似できない。光も、俺やシモーヌよりは遥かに樹上を移動するのは上手いが、やっぱり服を着て靴を履いて地上を主なフィールドにして育ってきたこともあってか、順には及ばない。
和や陽も、さすがに最近じゃ服をちゃんと着てくれるようになったとはいえ、靴はいまだにあまり好きじゃないようだ。立体的に動く時にはかえって邪魔になるからだろう。おかげで、足の裏なんてとても子供のそれとは思えないくらいに皮膚が分厚く固い。
そんなこんなで、光よりもずっと野性的に育ってる。この辺りは、光自身の性格もあったんだろうな。灯の方は割と野性児な部分も強いし。
と、噂をすれば何とやらで、
「やほーっ!」
いつものように灯がミレニアムファルコン号をまとって現れた。
「来るなら来るで連絡してほしいんだけど」
シモーヌがちょっとお説教風に、見事な着地を決めた灯に声を掛ける。それがまた<母親の姿>そのもので、なんだか微笑ましい。すると灯は、
「こうやっていきなり来るのがいいんじゃん。サプライズサプライズ♡」
ニカッと悪戯っぽく笑った。
「そういうところも灯らしくて俺は好きだよ」
俺の言葉に、
「もう、錬是までそんな」
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ああでも、いいなあ。この感じ。
そんな俺達を、屋根の上から、新が見てた。
あいつもいい歳だ。人生の折り返し地点も過ぎている。麗とのことをどうするつもりかは分からないが、親心としては上手くいってほしいというのは、正直なところではある。
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