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第四世代
シモーヌ編 何が足りない
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桜華とドーベルマンDK-a初号機が<助手>としてつき、蘇生のためのオペが始まる。
しかし、<強心剤>を投与したにも拘らず心臓が動き出す気配がない。そこで、
「開胸による心臓マッサージを行う!」
久利生は躊躇わなかった。超振動メスで、胸骨まで一気に切り裂いて開胸し、そこに手を突っ込んで、直接、心臓をマッサージする。心筋が動き出すきっかけを与えるためだ。
だが、十分間、そうしてマッサージを行ったというのに、<レックスのコピー>の心臓は動き出す気配すら見られなかった。
「なぜだ…? 何が足りない……?」
普通なら、<医療用ナノマシンが添加された、停止した心筋を強制的に再度動かす劇薬としての強心剤>と<心臓マッサージ>によって、心静止した心臓さえ動き出すはずだった。それで動かない事例など記録にはなかった。
少なくとも久利生が知る記録には。それどころか、コーネリアス号のAIや光莉号のAIやエレクシアにさえ、そのような事例の記録はない。
心筋が壊死していない限り、物理的に破壊されていない限り、これで動かない心臓はないんだ。いいや、それどころか、強心剤に添加された医療用ナノマシンが脳からのそれの代わりに信号を出すから、<摘出された心臓>さえ鼓動を再開するんだ。
となれば、考えられるのが、
「不定形生物から今の形を得た時に何らかの不具合があって、機能が再現されていない……?」
的な理由か……
確かに、不定形生物が何らかの生物の姿をとっても、そのすべてが生命活動を行うわけじゃないのも分かっていた。それらの何割かは生命活動を行わずそのまま死んでしまうんだ。最初から生命活動を行っていないので『死ぬ』というのはおかしいかもしれないが、とにかくそういうことなんだよ。
だから今回の事例も、それかもしれない。
「……仕方ない。治療カプセルによる生命維持に切り替える」
久利生もそう決断した。
正直なところ、蘇生の可能性が限りなく低いとみられる今回の事例に対して貴重な医療用ナノマシンを使うことに躊躇いがないと言ったら嘘になる。だから、
「三日間だ。これから七十五時間で蘇生しなければ、処置は終了する。それでいいか? シオ」
俺は決断し、そう告げた。久利生も、
「妥当な判断だ」
と追認してくれる。本当は久利生が行った処置で鼓動が再開しなければそれ以上は無駄なんだそうだが、心情的なものも含めての期限だな。
「……分かりました……私もそれに従います……」
彼女の立場では異を唱えたところで覆せるようなものでないのは分かっているだろうが、それでもシオはうなだれたままながらはっきりと応えてくれた。
本当に、どう表現していいのか分からない表情で。
しかし、<強心剤>を投与したにも拘らず心臓が動き出す気配がない。そこで、
「開胸による心臓マッサージを行う!」
久利生は躊躇わなかった。超振動メスで、胸骨まで一気に切り裂いて開胸し、そこに手を突っ込んで、直接、心臓をマッサージする。心筋が動き出すきっかけを与えるためだ。
だが、十分間、そうしてマッサージを行ったというのに、<レックスのコピー>の心臓は動き出す気配すら見られなかった。
「なぜだ…? 何が足りない……?」
普通なら、<医療用ナノマシンが添加された、停止した心筋を強制的に再度動かす劇薬としての強心剤>と<心臓マッサージ>によって、心静止した心臓さえ動き出すはずだった。それで動かない事例など記録にはなかった。
少なくとも久利生が知る記録には。それどころか、コーネリアス号のAIや光莉号のAIやエレクシアにさえ、そのような事例の記録はない。
心筋が壊死していない限り、物理的に破壊されていない限り、これで動かない心臓はないんだ。いいや、それどころか、強心剤に添加された医療用ナノマシンが脳からのそれの代わりに信号を出すから、<摘出された心臓>さえ鼓動を再開するんだ。
となれば、考えられるのが、
「不定形生物から今の形を得た時に何らかの不具合があって、機能が再現されていない……?」
的な理由か……
確かに、不定形生物が何らかの生物の姿をとっても、そのすべてが生命活動を行うわけじゃないのも分かっていた。それらの何割かは生命活動を行わずそのまま死んでしまうんだ。最初から生命活動を行っていないので『死ぬ』というのはおかしいかもしれないが、とにかくそういうことなんだよ。
だから今回の事例も、それかもしれない。
「……仕方ない。治療カプセルによる生命維持に切り替える」
久利生もそう決断した。
正直なところ、蘇生の可能性が限りなく低いとみられる今回の事例に対して貴重な医療用ナノマシンを使うことに躊躇いがないと言ったら嘘になる。だから、
「三日間だ。これから七十五時間で蘇生しなければ、処置は終了する。それでいいか? シオ」
俺は決断し、そう告げた。久利生も、
「妥当な判断だ」
と追認してくれる。本当は久利生が行った処置で鼓動が再開しなければそれ以上は無駄なんだそうだが、心情的なものも含めての期限だな。
「……分かりました……私もそれに従います……」
彼女の立場では異を唱えたところで覆せるようなものでないのは分かっているだろうが、それでもシオはうなだれたままながらはっきりと応えてくれた。
本当に、どう表現していいのか分からない表情で。
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